○ 第五十三章 「ねこぐるまー VS 暗黒大将軍」 ○ 
219年8月

廬江。
攻め寄せる楚軍の前に現れた謎の仮面の男は、
その仮面を外し、その素顔をさらした。

    韓遂韓遂

韓 遂「おお、すまんすまん。
    仮面を被ったままでは誰かもわからぬな。
    ほれ、これなら見覚えがあるだろう」

   関興関興   張苞張苞

関 興「誰だ?」
張 苞「どっかで見たような気はするが……」
韓 遂「阿呆、お前らなんぞどうでもいいのだ!」

(※ 関興は面識はない。
 張苞も一度顔を合わせたことがある程度)

    公孫朱公孫朱

公孫朱「韓遂将軍……。
    魏に寝返ったことは聞いていたけれど」
韓 遂「寝返った? 違うな。
    わしはな、楚に見捨てられたのだよ」
公孫朱「何……!?」
韓 遂「わしが許猪に腕を斬られ、捕らえられた時。
    楚軍はわしの返還要求をしなかった。
    いつ帰れるのか、いつ迎えに来てくれるかと
    わしは待っていたというのに、だ!」
公孫朱「そ、そんな……?」
韓 遂「だからわしは、魏に降るしかなかったのだ!
    そして、その見捨てられた恨みによって、
    わしは進化を遂げた! それがこの姿よ!」
関 興「はっ、何が進化だ!
    黒づくめの格好してるだけじゃないか!」
韓 遂「フフフ、冷静なツッコミありがとう。
    しかし、ただ黒いだけではないぞ。
    斬られた左手は生身以上のモノに進化したのだ。
    見よ! この力をっ!

  ドリドリ
   ぎゅおおおおおおおん

張 苞「な、なんじゃあ、ありゃあ!?」
公孫朱「まるで、悪魔のような……」
韓 遂「ふはははは! 驚いたか!?
    これがわしに与えられた闇の力よ!
    この通り、わしは生まれ変わったのだ。
    これからはダーク韓遂とでも呼んでもらおうか!」
関 興「だ、ダーク韓遂……」
張 苞「こ、こいつは恐ろしいぜ……!」
韓 遂「フッフッフ、そうだろうそうだろう……」

 『ぶわーっはっはっはっはっ!』

韓 遂「だ、誰だ! 豪快に笑ってる奴は!」

    トウ艾燈艾
 ずがぁぁぁん

公孫朱燈艾将軍……が笑っている!?
張 苞「あの根暗人間があんな豪快な笑い声を!?」
関 興「気でも狂ったのか?」

韓 遂「酷いな、お前達……。
    とはいえ、燈艾があんな笑い声を出すとは……。
    何か悪い物でも食ったのであろうか」

    トウ艾
 『あーっはっはっはっはっはっはっ……
  ……んがっげほっごっほげほっ!!』

張 苞「ありゃ……? むせた声が聞こえるのに、
    見た目は全然、動じてないぞ」
関 興「それより、さっきの笑い声の時も
    口が全然動いてなかったようだが……」

    文欽文欽

文 欽「ごほごほっ……。
    いやあ、笑い続けるのって大変だな」
燈 艾「……ご苦労、もう結構です。
    水でも飲んでいてください」

文欽はむせながら後ろの方に下がっていった。

韓 遂「なんだ、後ろであやつが笑ってたのか。
    何かおかしいと思ったぞ」
燈 艾「私の代理で彼に笑い声を出してもらったのです。
    韓遂どの……。笑い声を上げたくなるほど、
    貴殿の言葉は可笑しい」
韓 遂「なに?」
燈 艾「いつ、楚が貴殿を見捨てたのか?
    貴殿が魏軍に捕らえられてから寝返るまで、
    ほとんど日にちは経っていなかった。
    待っていれば、必ず返還の要求は行ったはず」
韓 遂「むむ」
燈 艾「そしてその姿……何が闇の力、ダーク韓遂か。
    その腕はただの機械仕掛けの義手でしかない。
    それをさも得体の知れない、不気味なモノで
    あるかのように語るとは……」

公孫朱「あの腕は……ただの機械か」
関 興「見た目の凶悪さにすっかり騙されたか……」
張 苞「なんだ、じゃあ闇の力ってのはウソなのかよ」

韓 遂「この腕が、ただのこけおどしだと言うのか?
    このように凶悪な武器になるのだぞ」

 ぎゅいーん (ドリル回転)

燈 艾「武器になることと闇の力には関係はない。
    恐怖心を煽り、自らを誇大に見せようとする、
    その詐術と話術は見事なもの。
    しかし愚者は騙せても、私は騙せぬ」
張 苞「そうだそうだ!
    どんなに愚者は騙せても……え、愚者?」
関 興「お前のことだ」
張 苞「お、俺だけみたいに言うなっ!」

韓 遂「……ハッタリは通じぬか。
    だが、わしを以前のわしと同じとは思うなよ。
    この腕以外にも、わしは新たな力を得ているのだ」
燈 艾「そのようなことは口にされずとも結構。
    戦いの中で証明すればよいことだ」
韓 遂「フン、大分雄弁に語るようになったな。
    以前はまともに喋るのも一苦労だったのにな」
燈 艾「人は日々経験を積んでいく。
    以前のままでないのは、私とて同じだ」
韓 遂「そうか、よく言った。
    ではその実力、確かめさせてもらうぞ。
    だが、もしお主の力が足りないその時は、
    このドリルの餌食になってもらうぞ!」
燈 艾「ご随意になさるが良かろう……」

燈艾と韓遂、二人はしばらくの間にらみ合う。

 燈艾 VS 韓遂 by紫電
関 興「迫力あるんだかないんだか、
    どうもよくわからん構図だな……」
張 苞「この勝負、大将の方に分があるな」
関 興「ほう、何故に?」
張 苞「普段めったに笑わないこと、見た目の面白さ、
    この2点で韓遂を大きく凌駕している!」
公孫朱「別ににらめっこしてるわけじゃないんだけど」

韓 遂「では行くぞ! 臧覇、部隊を出せ!」

    臧覇臧覇

臧 覇「……わかった、じゃあよろしくな」
韓 遂「フフフ、このダーク韓遂に任せておけい」
臧 覇「真面目なのか不真面目なのか……。
    城門開け! 韓遂隊、出撃だ!

廬江城の門が開き、そこから魏軍が出てくる。
用意しておいた韓遂の部隊、その数1万2千。

  燈艾隊VS韓遂隊

韓 遂「よし、いくぞっ! とあーっ!
燈 艾「……むっ!? あの高さから飛び降りた!?」
韓 遂ダーク韓遂、セットオーン!!

韓遂は部隊が出て来たのを城壁の上から確認すると、
そのままその高さから飛び降りる。
そして、先頭を行く馬の鞍にまたがるように着地した。

そこまでは見事なものだったが……。

韓 遂「む、むぐうー」

韓遂は馬上で悶絶している。

公孫朱「……韓遂の動きが止まった? 何故?」
張 苞「あ、あれは……男にしか分からぬ痛みです」
関 興「どうやら、股は強化してなかったようだな。
    あんな高い所から飛び降りて股を打ち付ければ、
    筆舌に尽くし難い苦しみを感じるのも当然だ。
    大将! 今のうちに攻撃開始を!」
燈 艾「うむ……攻撃開始! 韓遂隊を撃破せよ!」

股を強打して悶絶している韓遂の姿を見て、
燈艾は部隊に攻撃命令を下した。
5万の楚軍は、城の前に留まっている
韓遂隊に押し寄せていく。
そして韓遂の側には、張苞が斬りこんでいった。

張 苞「その首もらうぞ、韓遂!」
韓 遂「お、おのれ卑怯な……貴様らそれでも男か!
    少しの間くらい、待ってくれてもいいだろうがー!」
張 苞「俺たちは男の前に軍人だ!
    隙を見せてしまった貴様が悪いんだよ!」
韓 遂「……まあ、もっともな言葉だ。
    では、わしも本気でかかろうではないか」
張 苞「ふん、俺たちの4分の1の兵力しかいないのに、
    どうやって戦おうってんだ!?」
韓 遂「フフフ、脳まで筋肉で出来ていそうなお前には
    その戦い方は思いつかんのだろうが……。
    ……今だ! 大凧を揚げよ!」

韓遂の命令で、大きな凧が空に上がっていく。
その凧には、美しい裸婦の絵が描かれていた。

張 苞「うほっ……って、こんな絵に惑わされるか!
    韓遂! そんな浅知恵の計略など効かんぞ!」
韓 遂「別に貴様に対しての絵ではないよ。
    よーく聞けい、楚軍の兵士たちよ!
張 苞「兵に!?」
韓 遂魏に寝返えれば、このような美女を
    一人一人に抱かせてやるぞっ!
    さあ、我らの元に来るがいいっ!
    こんな機会、そうはないぞっ!

 ワァァァァ!!

3千近くの楚兵が、韓遂隊に寝返ってしまった。

それは誘う韓遂の言葉が巧みなせいもあったが、
描かれた女がまるで手招きをしているかのように、
凧に絶妙な動きをさせていたのも大きかった。
それは理性にではなく、男たちの下半身に対して
訴えかける誘いだった。

楚 兵「こ、こんなことで兵が寝返るとは……」
燈 艾「……うろたえるな。
    このようなことで寝返った兵は脅威にあらず。
    それより、皆に理性を保つように伝達せよ」
楚 兵「は、ははっ!」

この心攻による陣形の乱れを燈艾は抑えた。
しかし、兵力に勝るはずの燈艾隊はじりじりと
その数を減らしていく。
韓遂隊からの攻撃、そして廬江城からの射撃は、
予想以上に厳しいものだった。

臧 覇「韓遂隊に任せてばかりはおれん!
    弩兵は各個に敵兵を狙い撃つのだ!」
韓 遂「敵は大部隊であるが故に小回りが効かん!
    防御の薄いところを探し、突き崩せ!」

張 苞「くそーっ、これじゃどっちが攻め手なのか
    わからないくらいじゃないか!」
関 興「張苞! こちらからも反撃だ!
    こちらに動きを合わせるんだ!」
張 苞「お前に言われるまでもない、やるぞ!」

二人の合体攻撃が韓遂隊に炸裂する!

斉射。倒れた兵は1千8百。

張 苞なぜだー! 合体攻撃だってのに、
    なんでこんなにショボイんだー!
関 興「城攻めだってことで弩兵法にしといただろう!
    くそーっ、野戦になるとわかっていれば、
    もっと強力なものにしておいたのに!」

韓 遂「はっはっは、なんだそれは!
    大兵力を揃えた割には大したことないな!
    もっとも、こちらと廬江城、このどちらにも
    対応せねばならんのは辛かろうがな、フフフ」

韓遂の言う通り、燈艾隊の攻撃は廬江城と韓遂隊、
二つに分散してしまい、兵数が多い割には
大きい打撃を与えることにはならなかった。

9月に入った頃には、燈艾隊の兵数は3万を切る。
対する韓遂の部隊の兵はまだ1万も残っており、
廬江城も8千の兵で守りを固めていた。

燈 艾「韓遂どのの采配……。
    これまで見てきた以上に冴え渡っている。
    そして先ほどの心攻……『新たな力を得た』
    という言葉、あながち嘘とも言えぬな」

予想以上の苦戦を強いられる燈艾隊。
彼らは廬江城を落とすことができるのだろうか。

    ☆☆☆

燈艾が廬江城で韓遂と対峙している頃。
寿春では、魏延隊4万が寿春城へ攻めかかっていた。

  寿春、魏延隊

   魏延魏延   金閣寺金閣寺

魏 延「守る兵は1万程度。そして韓遂はいる気配なし。
    ……奴め、廬江へと向かったな」
金閣寺「廬江の守りを固めるためでしょうけど、
    これではこちらの方が我らに落とされます。
    一体、韓遂はどういうつもりなのでしょう?」

   蛮望蛮望   金胡麻金胡麻

蛮 望「フフフ、そんなの決まってるじゃないの」
金胡麻「へえ、アンタには分かるのかい」
蛮 望「あたりきちゃりきのこんこんちきよぉん!
    韓遂はねえ、この私に恐れをなしたのよぉ!」
金胡麻「いや、それはねえな」
魏 延「別な意味で恐れをなした可能性はあるがな。
    恐らく、別な援軍の当てがあるのだろう……。
    周囲に密偵を放っておくとしよう」
金閣寺「援軍のアテがあるとすれば、北からですね。
    北側へ重点的に置いておきます」
魏 延「うむ……。
    援軍が来る前にカタを付けたいところだがな」

寿春を守るのは韓遂に後を託された費耀。
超一流とまではいかないが、魏国のためになら
命をも捨てる覚悟の忠義の将である。

それに加えて、沈着冷静な賈逵も控えていた。

   費耀費耀   賈逵賈逵

費 耀「廬江が持ってもここが落ちては意味がない!
    固く守れば、援軍が来るまでの間は持ち堪える!
    この城は絶対に奴らには渡さんぞ!」
賈 逵「援軍はすでに小沛を出たとの報が入りました。
    もうしばらくの辛抱ですぞ」

魏延隊も果敢に攻め立てたが、寿春の城は
まだまだ落ちそうにはなかった。
そんな中、小沛からの援軍きたるの報が、
密偵から魏延隊にもたらされる。

魏 劭「……小沛からの増援部隊、およそ3万。
    旗から判断するに、夏侯淵、曹真、そして……
    魏公曹操が、部隊を率いているとのことです」
魏 延「曹操だと!? そういうことか……。
    韓遂がこちらを放って廬江に向かったのは、
    曹操という絶対的な切り札があったからか」

曹操自らが援軍としてやってくるとは、
流石に韓遂も思ってはいなかったのだが。

  迫る曹操

とにかく、強力な援軍がもうすぐやってくるのだ。
魏延隊の将兵にも、若干焦りが見え始める。

蛮 望「あーもう! イライラするわね!
    あんたたち、ちょっとは外に出てきて戦いなさい!
    亀みたいにガチガチに守りを固めてるんじゃ
    ないわよ! ばーかばーか!」
賈 逵「その最後の言葉だけお返ししよう。
    ばーかばーか。この変態オカマ」
蛮 望「変態オカマなんて私は言ってないわよ!」

魏 延「蛮望の罵声も失敗……と。
    まあ、まず無理なのは分かっていたが」
金閣寺「曹操がやってくるまでには、どうも
    落とせそうにはないですね」
魏 延「そうだな。そして曹操がやって来てしまうと、
    今度はこちらの方が大きく不利になるだろう。
    となると、軍を退き上げるかどうかだが」
金閣寺「ここはまだ退いてはならないと思います」
魏 延「ほう? そりゃなぜだ」
金閣寺「仮にここで我らが退いてしまうと、
    寿春に入った曹操は廬江へ向かうでしょう。
    そうすると、今度は燈艾将軍が危機に陥ります。
    燈艾将軍の廬江攻めを助けるためにも、
    ここはまだ戦い続ける必要があります」
魏 延「ふむ……。
    廬江をとにかく落としてもらうのが先決か」
金閣寺「燈艾将軍も、こちらに魏延将軍を派遣したのは
    戦いを続けてほしいからだと思いますが。
    性格が……いえその、楚随一の勇将ならば、
    そう簡単には引き揚げないだろうと思ったのでは」
魏 延「性格が猪突型で撤退命令も無視するような
    そんな将だからだろう?」
金閣寺「うっ……そ、そうですね」
魏 延「フ、私はお前さんが思っている通りの男だ。
    この場は留まり、戦闘を継続するぞ。
    曹操に、一泡噴かせてやろうじゃないか」
金閣寺「ええ、やりましょう」

撤退することも少し考えた魏延だったが、
金閣寺の言葉もあって戦い続けることにした。

金閣寺の言葉はある意味、正しい。
確かに、寿春で彼らが戦い続けることができれば、
廬江へ増援は向かうことはないだろう。

だが、寿春で戦い続けるということは、
曹操以外にも増援の兵が続々と集まってくることに
繋がっているのだった。

小沛に残っている兵はまだ5万以上もいるのだ。
それが全て寿春に向かってきたら……。
果たして彼らは、戦い続けることができるのか?

    ☆☆☆

そして9月。
寿春に、魏公曹操がやってくる。

曹操率いる3万の増援部隊は魏延隊には目もくれず、
勢いよく寿春城内へと入っていった。
寿春の兵は5千にまで減っていたが、これによって
また息を吹き返した。

  寿春曹操入城

   曹操曹操   費耀費耀

曹 操「よく踏ん張ったな、費耀」
費 耀「はっ、ありがたきお言葉……。
    しかし閣下自ら来てくださるとは思いませなんだ。
    なんと、なんと頼もしいことでありましょうか!
    これで奴らも撃退することができましょう!」

曹操はその言葉に頷く。
そして城の外の魏延隊に目をやった。

曹 操「敵の兵数は4万弱……大将は魏延か」
費 耀「は、奴らはこの寿春城を落とそうと、
    これまで執拗に攻めて参りましたが……。
    しかし、閣下が参られて兵力比は逆転しました」
曹 操「……おかしいな」
費 耀「は?」
曹 操「なぜ奴らは兵を退かぬのか?
    兵力を上回ってしまった城を落とすなど、
    無理なことだと思わんのだろうか?」

    夏侯淵夏侯淵

夏侯淵「魏延は猪武者です、我らが来たからといって
    すぐ逃げ出したりはしたくないのでしょう。
    一戦交えてから引き揚げようと考えているのでは
    ないでしょうか」
曹 操「そうだろうかな……。曹真、お前はどう思う」

夏侯淵の横に控える少々小太りの男……曹真は、
曹操の言葉を受け自分の考えを述べ始めた。

    曹真曹真

曹 真「はっ、私が考えますに……。
    我らをここに釘付けにするつもりでは?」
夏侯淵「釘付け? それはどういうことだ、曹真」
曹 真「これは憶測ですが……。
    楚軍は廬江を落としたいがため、そちらにも
    部隊を送り込んでいるのではないでしょうか。
    彼らがここで戦い続け、我らを釘付けにすれば、
    廬江はその間、どこからも増援の兵はなく、
    孤立状態で戦うことになります」
曹 操「ふむ。そうなれば、諸葛亮の送ってきた策も
    成立しなくなってしまうな……。
    よし、ここは撃って出て、魏延隊を即刻追い払う」
曹 真「はっ」
夏侯淵「諸葛亮の策を達成させるためというのが
    少々気に食わないが……これも魏のためか」
曹 操「費耀。
    城の守りは賈逵に任せて、お前も部隊に加われ」
費 耀「は、はあ。しかしながら、この城を守るために、
    もう少し将が必要ではありませんか」
曹 操「……賈逵では不安か?」
費 耀「い、いえ、これは頭数の問題です」
曹 操「人数が足らぬというのか……。
    では小沛から数人よこすよう、賈逵に手配させよ。
    それで将の人数の問題は解決するだろう」

小沛から将を送りこむように手配され、
その後、数名の将が寿春にやってくることになる。
その中には、登用されたばかりの韓当の姿もあった。

さて、曹操は2万5千の兵で部隊を組み、
そのまま城外に出て魏延隊に攻めかかっていった。

  曹操VS魏延

   曹操曹操   魏延魏延

曹 操「魏延! 早くお家にお帰り!
    美味しいおやつにホカホカご飯が待ってるよ!」
魏 延「おちょくるな、曹操!
    でんぐり返ってバイバイなど言わんぞ!」

部隊同士の兵力はほぼ同じであったが、
曹操隊の方が城から近く地の利に恵まれており、
また寿春城からの援護射撃も期待できた。
そして、部隊を率いているのは曹操である。

魏延隊は、この戦いを生き延びられるのか。

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