○ 第二十七章 「大晦日かうんとだうんTV」 ○ 
218年12月末

 『ランキング年末特番スペシャルー!』

テレビの画面には、3DCGで描かれた人物が登場。
司会として番組を進行していく。

   杏    花梨花梨

 杏 『さあ、始まりました。
    218年を締めくくるための情報番組です。
    司会進行は私、アンちゃんと』
花 梨『この私、リンちゃん! そして……』

    劉髭劉髭

劉 髭『このヒゲちゃんでお送りするぞい』
 杏 『さて、この番組はどういうものかというと、
    収集されたデータを元にランキングを作成、
    上位を勝手に表彰してみたりする番組です』
劉 髭『どんなランキングが出てくるんじゃろうな〜。
    ううむ、楽しみじゃのう』
花 梨『それではCMの後、早速ランキングスタート!』

 『この番組は、月英インダストリーズ、李典工房、
    涼州馬牧場、他の提供でお送りします』

    ☆☆☆

    金旋金旋

金 旋「どっかで見たような司会だな……」

テレビから月英インダストリーズの新製品
『シークレットブーツ』のCMが流れる中、
金旋の宿舎の広間には、烏林にいる将たちが
数多く集まっていた。

 『曹操閣下も納得のこのブーツ!
   これで小柄なあなたも背高気分に!』

金 旋「……ところでひとつ伺いたいのだが。
    なんで君たちは大挙して来てるのかな?」

   鞏志鞏志   甘寧甘寧

鞏 志「申し訳ありません。
    この港には、テレビがここしかないので……」
甘 寧「別に減るものではないのだし。
    ケチケチしないで見せていただきたいな」
金 旋「……場所は減るんだがなあ。
    皆が体育座りしていると怖いんだが」

   下町娘下町娘  金玉昼金玉昼

下町娘「場所以上に減るものがあるんですけど……」
金玉昼「年越しそばはどうすんのにゃ」
金 旋「こいつらに食わせる義理はない。
    当初の予定通り、作るのは4人前でいいぞ」

   鞏恋鞏恋   金満金満

鞏 恋「私の分はないと?」
金 満「別に、ケチることもないと思いますけど」
金 旋「いや、その……」

   魯圓圓魯圓圓  雷圓圓雷圓圓

魯圓圓「一応、私も台所仕事をお手伝いしてますけど」
雷圓圓「私も手伝ってるんですけど〜?」
金 旋「あーわかったわかった!
    もういいや、全員食わせてやる!」

結局、全員分のそばを用意することなった。

   朱桓朱桓   李厳李厳

朱 桓「ご馳走様です」
李 厳「御好意、ありがたく頂戴します」
金 旋「タダじゃないぞ。後で料金徴収するからな」
朱 桓「え?」
李 厳「ええっ、経費で落ちないのですか!?」
金 旋「セコイぞ李厳、1食分くらい自分で払え」
朱 桓「朱異、お前は帰ってなさい。2食分も払えぬ」
朱 異「ええ!? 父上、それはないですよ」
金 旋「騒ぐんなら二人とも出ていってもらうぞ」

一方、初めて見るテレビに興味津々の方々も。

   蒋欽蒋欽   凌統凌統

蒋 欽「こ、これがてれびというものか……。
    どうやったら、この程度の大きさの箱に
    こんなに人が入っていられるのか!?」
凌 統「あー蒋欽どの?
    これは別に人が入ってるわけじゃないが」
陳 応「そうです。これは中に精霊が住んでいる箱。
    精霊が我々を楽しませてくれているのです」
金 旋「あーもう、ちょっとお前ら黙ってろ」

テレビの中ではCMが明け、番組が進行されていく。

 杏 『まずはこの年末の勢力順位を見てみましょう』
花 梨『順位逆転はあるのか!? カウントォ、ダウン!』

順位君主名官 職信 望兵 力領 地武 将
金旋楚 王72065万13101
曹操魏 公71021万1294
孫権呉 公66020万985
馬騰涼 公69024万665
饗援蜀炎公64022万660

 杏 『昨年とトップは変わらず、楚が1位です。
    2位の魏、3位の呉ともに順位は変わらず。
    4位の涼と5位の蜀炎が入れ替わっていますが、
    これも差はあまりありません』
花 梨『一年ではそう変わらないということでしょうか』
 杏 『楚は兵力で圧倒的な差を見せつけていますが、
    もはや死角はないと見てよいのでしょうか?』
劉 髭『いやいや、兵力だけでどうにかなるものでもない。
    やはり人じゃ。人材が肝心じゃよ』

金 旋「そうだよな、やっぱ人材だよ人材。
    有能な人材をどれだけ活かしきることができるか。
    乱世を制するにはそれが最重要だ」
鞏 志「活かすのも必要ですが、集めることも必要です。
    これからも積極的に登用を……」
金 旋「うむ、そうだな」

花 梨『それでは、次は各勢力の人材をクローズアップ!
    勢力対抗ランキング合戦です!』
 杏 『なお、能力値は全て爵位ボーナス、
    所持アイテムの修正が込みになっております』

今度は個人武将のランキングになる。
統率・武力・知力・政治の順でベスト10が表示された。

統率 武力 知力 政治
1 曹 操 107 関 羽 103 曹 操 104 曹 操 106
2 陸 遜 100 張 飛 103 庖 統 102 張 昭 102
3 饗 援 98 饗 援 101 櫂 貌 101 費 偉 100
4 周 瑜 98 髭髯虎 99 金玉昼 100 陳 羣 99
5 諸葛亮 98 髭髯豹 98 諸葛亮 100 諸葛亮 98
6 司馬懿 97 馬 超 98 司馬懿 98 鍾搖 98
7 張 遼 97 髭髯蛟 98 周 瑜 97 顧 雍 98
8 関 羽 96 黄 忠 97 賈 駆 97 蒋王宛 96
9 呂 蒙 93 趙 雲 96 黄月英 96 諸葛瑾 95
10 馬 超 92 許 猪 96 徐 庶 96 曹 丕 94
10 髭髯鳳 96 陸 遜 96 金玉昼 94
10 髭髯龍 96 司馬懿 94
10 馬 良 94
10 張 既 94
 楚:12   魏:17   呉:11   涼: 2   蜀炎:5 

金 旋「うむ。昔のランキングでは散々だったが、
    今回は我が楚からも続々とランクインが……」
甘 寧「続々、というほどでもありませんなー」
下町娘「所属人数が多い割には、あんまり……」
金 旋「いいんだよ! 前と比べりゃ遥かな進歩だー!」

花 梨『魏国勢が1/3を占めています!
    人材の質ではやはり魏が一番なのでしょうか。
    中でも君主曹操が3部門でトップに!』
劉 髭『アイテムのドーピングのお陰じゃがのう。
    とはいえ、補正なしの順位であっても上位に
    ランクインしてくるはずの男だからのう。
    能力の高さは疑うべくもないわい』
 杏 『関羽と張飛も同数で武力1位に入り、これで魏は
    各部門のトップを独占してしまいましたね』
花 梨『関羽と諸葛亮も2部門でランクインしてますし、
    各部門でのランクイン数も偏りがありません!
    魏国の人材の質の高さが伺えますね!』
 杏 『一方、3部門で2位に甘んじた形の呉ですが、
    5位以内には魏に次いで5つのランクイン。
    また、そのランクイン全てが違う方たちです』
劉 髭『【スペシャリスト】が多いということかのう。
    君主を抜いた順位なら堂々の三部門1位じゃ、
    見事という他ないのう』
花 梨『一方で、蜀炎勢も光っています。
    ランクイン数は5と少ないながら、3部門で3位。
    君主の饗援が2つ、軍師の櫂貌が1つ入ったから
    なのですが、十分目立っていますねっ』

金 旋「うちの奴らの話はまだなのか!」
鞏 志「うーん、このパターンだと……」

劉 髭『さて、勢力では堂々の1位だった楚じゃが、
    こちらのランキングではお粗末じゃのう』
 杏 『ランクイン数は12、全体の2位ですが、
    ギリギリ9、10位にひっかかったのが7。
    所属人数が100人以上の最大勢力がこれでは、
    あまり褒められたものではありませんね』
花 梨『もう少し上位に食い込んでほしいですねぇー』

金 旋「むきー!」
鞏 志「やっぱり」
甘 寧「予想通りのコメントですな」

今度は、ワースト10の人物が表示される。

統率 武力 知力 政治
1 楊 松 2 楊 松 1 蔡 和 3 奚 泥 1
2 劉 璋 3 金 満 1 蔡 中 3 韓 玄 4
3 卞 弐 5 劉 璋 3 劉 璋 5 金 満 5
4 王 粲 7 張 松 3 夏侯楙 6 蛮 望 6
5 張 紹 7 王 粲 3 土 安 7 土 安 8
6 蒋 幹 8 丁 儀 4 韓 玄 8 卞 参 9
7 陳 琳 9 厳 峻 4 呂 翔 9 甘 寧 13
8 下町娘 10 張 昭 4 奚 泥 10 孟 優 15
9 何 晏 10 下町娘 5 卞 志 12 刑道栄 15
10 何 祗 10 曹 熊 6 楊 柏 13 黄 祖 16
10 張 裕 10 秦フク 6 孟 優 13
10 姜 合 10 陸 績 6
 楚:16   魏: 8   呉: 3   涼: 4   蜀炎:14 

金 旋「……やっぱり多いよなあ」
鞏 志「でも、全体の人数が多いのですから」
金 旋「そりゃそうかもしれないがなあ」

 杏 『はい、人材の人数が一位なだけあって、
    楚からのランクインが多数を占めていますね』
劉 髭『ベスト10ではふるわなかったが、ワーストでは
    大躍進じゃのう、ふぉっふぉっふぉ』
 杏 『では、各勢力のランキングに移りたいと思います。
    まずは楚の人材群からです』

金 旋「お、来たぞー。しっかり見とけよ」
鞏 志「メモしときましょう」
金 満「まずはベスト10ですね」

統  率武 力知 力政 治
1 司馬懿 97 髭髯豹 98 金玉昼 100 費 偉 100
2 燈 艾 91 髭髯龍 96 司馬懿 98 金玉昼 94
3 金 満 90 髭髯鳳 96 徐 庶 96 司馬懿 94
4 徐 庶 88 魏 延 95 燈 艾 92 馬 良 94
5 朱 桓 88 鞏 恋 95 劉 曄 92 張 既 94
6 甘 寧 87 甘 寧 94 馬 良 91 董 允 93
7 郭 淮 87 金目鯛 94 費 偉 89 韓 浩 92
8 髭髯龍 86 張 苞 92 卞 質 87 卞 志 92
9 魏 延 84 公孫朱 91 楊 儀 85 司馬孚 90
10 魯圓圓 84 燈 艾 88 蒋 済 84 崔王炎 90

金 旋「流石は司馬懿、だな」
鞏 志「この順位は爵位・アイテムの補正有りなので
    知力・政治の首位は明け渡してますが、
    補正なしなら三部門でトップになりますよ」
金 満「姉上も十分すごいです」
金 旋「うむ、そういうお前も統率第3位だ。
    これからの活躍を期待しているぞ」
金 満「はいっ」
甘 寧「ところで、髭軍団が武力トップ3だが……。
    彼らを重用していかないのか?」
金 旋「ああ、あいつらか?
    いや、あいつら使い始めると割を食う者も出る
    だろうし。最後の切り札という扱いにしようかと」
李 厳「なるほど。妥当な判断ですな」
甘 寧「よかったな李厳、出番を奪われなくて」
李 厳「な、何を申されるのか」

花 梨『流石に、90代の能力値が多いですね』
劉 髭『人数が多い分、これ位はいなくては困るがのう』
 杏 『全体のランキングでもありましたが、
    実は個々の能力値では魏には負けています』
劉 髭『逆説的じゃが、楚がここまで大きくなったのは
    戦略性と運、これが大きいのじゃよ。
    戦力の集中運用がきっちりしていたんじゃ』
花 梨『人材の質については、これからが真価を
    問われるということですね』

金 旋「批判的なコメントだなあ……。
    まあ外れてはいないんだが」
鞏 志「これだけ大きくなるとそういうものです。
    さて、次がワースト10ですね」

統  率武 力知 力政 治
1 王 粲 7 金 満 1 蔡 和 3 金 満 5
2 何 晏 10 王 粲 3 蔡 中 3 蛮 望 6
3 下町娘 10 厳 峻 4 卞 志 12 甘 寧 13
4 秦フク 15 下町娘 5 蛮 望 14 刑道栄 15
5 厳 峻 19 秦フク 6 金目鯛 21 黄 祖 16
6 劉 巴 19 潘 濬 16 髭髯豹 21 秦 朗 18
7 簡 雍 22 趙 樊 17 陶 応 22 髭髯豹 20
8 劉 綜 22 向 朗 18 下町娘 26 陶 応 20
9 崔王炎 23 劉 巴 20 金 旋 27 蔡 中 24
10 郭 奕 23 劉 綜 22 高 定 33 髭髯龍 28

鞏 志「金満どのが二冠王ですね……」
金 旋「だ、誰しも欠点はあるものだ!
    個性だ個性! そう気にするなっ!」
金 満「わ、わかってます」
下町娘「ということは、私も個性ということで」
金 旋「いや、そうは言うけどな。
    3つもランクインというのはどうだろう」
下町娘「あ、そーいうこというんですか!?
    知力が私より低い人に言われ……あれ?」
金 旋「ふはははは、残念だったな!
    今『詩経』を持ってる俺の知力は27だが?」
下町娘「くっ……ずるい!」

 杏 『ワーストで自らがランクインしてる君主は、
    他の勢力にはいないわけですが……』
劉 髭『名前が載るだけでも恥ずかしいのう』
花 梨『そーですね、配下の人に示しがつきませんね』

下町娘「あ、あははははー、言われてますよー」
金 旋「ぬ、ぬううううう」

 杏 『楚のトップ10ワースト10を見てきましたが、
    ここまでで何か印象に残ったのはありますか?』
劉 髭『そうじゃの、これまでいろいろな勢力の人材を
    吸収してきただけあって、人材に統一性がない。
    いわゆる寄合い所帯になっておるな』
花 梨『それが今後悪い影響を与えると?』
劉 髭『いや、良くも悪くもそれが楚軍の特徴じゃ。
    むしろ、こういう特徴があるからこそ、
    伸びているという見方もできるからのう』
 杏 『なるほど。他にはないやり方ができる、
    ということでしょうか』

金 旋「うちの場合は、特にしっかりした基盤が
    あったわけじゃないからな。
    寄合い所帯になるのは仕方がない」
鞏 志「だから……というわけではありませんが、
    我が国には自由な空気があります。
    それが上手く作用してるのではありませんか」
金 旋「うむ、それはあるかもしれないな。
    言いたいことも言えないこんな国の中じゃ、
    みたいなところにはしたくない。
    そこは今後も気をつけていきたいところだ」
金 満「なるほど……自由な空気ですか」
鞏 志「金満どのも、よく覚えておかれますよう。
    こう見えて閣下も色々と気を配っているのです」
金 旋「こう見えて、は余計だ」

 杏 『さて、次は魏について見ていきましょう』
花 梨『質ではナンバー1というその人材群、
    さてどんな感じになってるのでしょうか?』

金 旋「俺らは終わったか。
    おーい、そばはまだかー。腹減ったぞ」
下町娘「はいはい、今出来ますよー」

    ☆☆☆

その頃の魏、濮陽。
曹操は同じように軍師である賈駆と共に
同番組を見ていた。

統  率武 力知 力政 治
1曹 操 107関 羽 103曹 操 104曹 操 106
2諸葛亮 98張 飛 103諸葛亮 100陳 羣 99
3張 遼 97髭髯蛟 98賈 駆 97諸葛亮 98
4関 羽 96許 猪 96黄月英 96鍾搖 98
5夏侯淵 91夏侯淵 93程 立 95曹 丕 94
6夏侯惇 90夏侯惇 93曹 沖 95黄月英 90
7曹 彰 90徐 晃 93曹 丕 91董 昭 90
8張 哈 89曹 彰 92華欽 91曹 叡 89
9張 飛 88張 遼 91曹 植 88劉 劭 89
10曹 仁 86張 哈 91賈 逵 86梁 習 89
(他勢力はベスト10のみ出します)

   曹操曹操   賈駆賈駆

曹 操「まだまだ儂らも捨てたものではないな」
賈 駆「これまで楚に流出してはいますが、
    人材の質ではまだまだ負けていません」
曹 操「そうだな、何しろ儂の関羽
    いるわけだからな!」
賈 駆「……そうですな。中でも統率力では、
    楚よりもまだまだ我が方が勝っています」
曹 操「そうだな、何しろ儂の関羽……」
賈 駆「しかし。その高い統率力を持っていても、
    肝心の兵がいなくては宝の持ち腐れです」
曹 操「う、うむ……そうだな」
賈 駆「ああ、それなのに。
    なぜに閣下は楚軍に喧嘩を売られますか!
    なぜ無駄に兵力を損なわれますか!」
曹 操「す、すまん。しかしなぁ、楚に取られた人材を
    どうしても取り返したくて……」
賈 駆「そういうのは、取り返せるだけの余裕が
    できてからにしてくだされ!
    今は呉から徐州を奪い返せるかどうかの
    瀬戸際なのですぞ!」
曹 操「そ、そう怒るな賈駆。
    もういい歳なんだから、身体に悪いぞ」
賈 駆「いい歳は閣下も同様です!」
曹 操「全国高齢No.2(※)には言われたくないな」

(※ ちなみにナンバー1は程立)

賈 駆「とにかく自重をお願い致しますぞ!
    徐州を奪還し兵力を育成しさえすれば、
    楚にもまだまだ勝てるのですからな!」
曹 操「うむ、それはわかっている」

彼が本当にわかったのかどうかは不明だが、
人材の質だけならばまだまだ魏は楚以上である。
今後の課題は、戦略をいかに徹底させるか。
そして、将たちの高齢化問題というところか。

    ☆☆☆

同刻、呉国小沛。

統  率武 力知 力政 治
1陸 遜 100髭髯虎 99庖 統 102張 昭 102
2周 瑜 98周 泰 93周 瑜 97顧 雍 98
3呂 蒙 93太史慈 93陸 遜 96蒋王宛 96
4魯 粛 90徐 盛 89魯 粛 93諸葛瑾 95
5徐 盛 88程 普 89諸葛恪 93魯 粛 93
6孫 桓 85孫尚香 87カン沢 91カン沢 93
7孫 権 83韓 当 86呂 蒙 90歩 隲 92
8程 普 83関 興 86馬 謖 89周 瑜 91
9朱 然 82黄 蓋 85張 昭 89孫 権 91
10孫尚香 82陳 武 83是 儀 87陸 遜 90

   孫権孫権   陸遜陸遜

孫 権「楚・魏に比べると、やはり劣るな……」
陸 遜「何をおっしゃられますか。
    呉の特徴は、飛び抜けた者は少ないですが、
    そこそこの者は揃っている点にあります。
    上位の者だけで戦っている訳ではありません」
孫 権「そうか、そうだな。
    しかし、楚や魏との戦線は停滞しておるし、
    あまりいい知らせがないのも現状だ」
陸 遜「弱気になってはいけませんぞ。
    こんな時だからこそ、なおさら呉公には
    堂々としてもらわねばならないのです」
孫 権「うむ……わかっているのだが」

呉は楚・魏という2大国と正面きって戦っており、
今一番苦しい状態であるといえる。
ここで一方と和睦でも出来るのならば、この局面も
打開できそうなものなのだが、これまでの経緯を
考えると、呉側からそれをすることは難しかった。

孫 権「楚と魏がもっと派手にやりあってくれるかと、
    そう思っていたのだがな……」

    ☆☆☆

またまた同刻。
先頃、涼軍に落されたばかりの河内港。

統  率武 力知 力政 治
1馬 超 92馬 超 98法 正 95楊 阜 89
2馬 騰 89庖 徳 94楊 阜 91許 靖 85
3張 任 85馬雲緑 93閻 圃 87王 累 83
4法 正 81張 任 89成公英 86王 甫 83
5馬雲緑 80馬 騰 87費 班 85張 魯 83
6李 恢 78馬 秋 86黄 権 82閻 圃 82
7呉 輿 78甘 粲 85王 累 81黄 権 81
8馬 忠 77馬 岱 84王 甫 80成公英 76
9馬 岱 76冷 苞 83李 恢 77李 恢 76
10成公英 76橋 翊 83張 任 76馬 忠 76

   馬騰馬騰   法正法正

馬 騰「ええい! せっかく涼の特集だというのに、
    また映像が乱れおって、これでは見れぬぞ!
    もっとマシなものはないのか!」
法 正「この港にあるテレビはこれだけです。
    長安ならもっといい環境で見れますが」
馬 騰「……長安にはまだ戻らんぞ。
    まだまだ、魏を掻きまわしてやらんと」
法 正「益州では馬超どのが剣閣を落とし、本格的な
    侵攻の足がかりができたそうではありませんか。
    私も益州攻略の方が、策を立てやすいのですが」
馬 騰「そんなものはしらん。今言えるのは、
    まだまだ儂の気が済まんということだ」
法 正「か、閣下〜」

軍師法正の不幸は続く。
困った君主の下に仕えるのが彼の運命なのか。

    ☆☆☆

さて、最後は蜀炎。梓潼。

統  率武 力知 力政 治
1饗 援 98饗 援 101櫂 貌 101卞 鉢 89
2鴻 冥 90黄 忠 97卞 参 95張 松 85
3卞 壱 89趙 雲 96張 松 90宗 預 85
4饗 嶺 88慧 雲 95饗 援 86董 和 84
5趙 雲 88卞 弐 94卞 禄 82呂 凱 84
6櫂 詮 86饗 嶺 88王 平 81楊 洪 82
7劉倩容 85祝 融 86朱 紅 80琥 昆 82
8黄 忠 84琥胡選 86費 詩 79卞 呉 82
9卞 呉 83琥胡尚 85趙 雲 78孟 光 80
10慧 雲 81孟 獲 84楊 洪 77尹 黙 80

   饗援饗援   櫂貌櫂貌

饗 援「このような順であったのか。
    我が軍もなかなか人材が揃っているな」
櫂 貌「御意」
饗 援「しかし、涼軍よりも上の者が多いのに、
    なぜ剣閣が落とされた?」
櫂 貌「それくらいはご承知のはずでしょう。
    涼は戦力をほぼ集中させていましたが、
    我々は出し惜しみをしました。その差です」
饗 援「饗嶺に任せておけばよいかと思ったのだが、
    涼もそれなりに実力があるということか」
櫂 貌「あちらは馬超を先頭に、庖徳や馬雲緑
   といった豪傑を出してきております。
   こちらも趙雲・黄忠といった豪傑を使って
   いかねば、勝てません」
饗 援「ふむ……。剣閣が落とされたのは、
   実力を過信するなという神の御告げか。
   しかし、こんな所で足踏みなどしてはおれぬ。
   年が明けたら、すぐに奪還するぞ」
櫂 貌「はい」

涼に北上を抑えつけられた格好の蜀炎。
これまで温存していた格好の趙雲・黄忠など
高い能力の将を駆使し、剣閣を奪い返せるのか。

    ☆☆☆

再び、楚。烏林。

劉 髭『さて、これでお終いじゃな』
 杏 『それでは、良いお年を』
花 梨『また来年お会いしましょう〜』

金 旋「終わった終わった。
    さて、そばも食ったし寝るかな」
鞏 恋「年寄りは寝るのが早い」
金 旋「あんだとう!?
    お前らは何かすることがあんのか!?」
下町娘「私たちは徐庶さんの年越ライブに行ってきます」
金 旋「年越らいぶ〜?」
金玉昼「前からやりたがってたらしくて、
    だいぶ気合が入っていたみたいだにゃ」
金 旋「ふ〜ん。観客いんのか?」
金玉昼「ここの兵士、何人いると思ってるのにゃ」
金 旋「ああ……なるほど。10万以上もいれば、
    中にはお祭り好きもいるだろうからな」
雷圓圓「お祭り大好きですよ〜。騒ぐぞ〜」
魯圓圓「……ほどほどにしてね」
金 満「私も行ってきます」
金 旋「まあ、若いもんで楽しんでくればいい」
下町娘「じゃ、行ってきます」

若い者たちはその場を後にして、
ぞろぞろとライブ会場へ出かけていった。

金玉昼「楽しみだにゃ〜」
鞏 恋「ステージに乱入でもする?」
金 満「だ、ダメですよそんなこと。
    ところで、最近全然魏光さんを見かけませんけど、
    どうしたんでしょうね?」
鞏 恋「さあ」
金 満「さあって……」
雷圓圓「あ、私知ってますよ〜! 魏光さんでしたら、
    最近孔奉さんの所に通ってるみたいです」
魯圓圓「……通ってる? なんで?」
雷圓圓「そこまでは知りませんけどぉ、この前見たら
    二人で上半身裸になって汗だくになりながら
    何かをやってましたよ」
下町娘「は、裸!? 汗だく!? くんずほぐれつ!?」
金玉昼「あ、なんかスイッチ入ったみたいだにゃ」
魯圓圓「くんずほぐれつまでは言ってないですよ?」
雷圓圓「あ、でもぉ、なんか手を取り合って手取り足取り、
    ああでもないこうでもないってやってましたー」
下町娘「き、キター! コーフンするぅー!!
    やおいすぱぁぁぁぁくっ!!
鞏 恋「……ホモのどこがいいの?」
下町娘「チッチッチ、ホモじゃないわ。
    やおいよ、や・お・い!!
    乙女のドルィィィィムワールドなのよッ!!」
鞏 恋「よくわからない……」
魯圓圓「そ、そうですよね、私もそういうのは……」
下町娘「あれ、魯ちゃん。
    この前ハードやおい本貸してあげたじゃない」
魯圓圓「あ、あれは単にどういうものなのかなって
    そういう知的好奇心だけのものであって……」
雷圓圓「そんなはずないですよ〜。
    嬉々として見てたじゃないですか〜」
魯圓圓「み、みんな聞いてるじゃない!
    そういうこと言わないで〜!!」
金 満「……何も聞こえない。私は何も聞いてません」
下町娘「大丈夫よ金満君。女子はみんなこうなの。
    全然、怖くなんてないのよ〜」
金 満「アー! 聞こえません何も聞こえません」
金玉昼「……で、結局魏光さんは本当は何を?」
雷圓圓「わかりませーん♪
    ハァハァ言いながら身体動かしたようですけど〜」
下町娘「ハァハァ言ってたのならもう決まりね!
    私や魯ちゃんが大好きなアレよっ!」
魯圓圓「い、言わないでください〜!!」
鞏 恋「ホモネタはもういいから」
金 満アーアー聞こえないワーワー!

さて、魏光が実際に何をやっていたのか……。
それは次回明らかになるであろう。

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