○ 第14回コラム「杏と花梨の楽進みりみり放送局」 ○ 
〜例によって某ラジオ局よりお送り致しております〜

   杏    花梨花梨

 杏 「杏です。前回の予告通り、
    一週間後にお届けの今回のコラムです」
花 梨「花梨です。驚きを隠せないっす。
    気合が入ってるからなんでしょーか」
 杏 「ま、ぶっちゃけてしまうとですね、
    前回が大きすぎたので途中ぶった切って
    今回に回した、とそれだけのことなんですが」
花 梨「……ぶっちゃけすぎです。
    嘘でも『皆さんのために頑張りました』
    くらい言っとけばいいのに」
 杏 「正直がモットーですから」
花 梨「さよですか」
 杏 「では、タイトルコール、スタート」

 杏 「杏と」
花 梨「花梨の」
二 人「楽進みりみり放送局〜」

花 梨「今回のタイトルの名前は、楽進さん。
    何かしら変な所を持ってる金旋軍の将の中で、
    少数派の『まともな武将』ですね」
 杏 「爵位はそれほどでもありませんが、
    軍の重鎮として無視できない存在になってます」
花 梨「現在は弘農城塞を牛金と共に守ってます。
    これからの出番にも注目ですね」

    ☆☆☆

花 梨「では、最初のコーナーから。
    『三国志英雄列伝』です」
 杏 「今回は、前回予告したように
   『燈艾』の列伝をお送りします」
花 梨「リプレイ中では、武官の席順では司馬懿の次。
    22歳という年齢を考えると大抜擢ですが……」
 杏 「そこは金旋の『人を見る目』のお陰です。
    この『人を見る目』は、主人公の特権ですね」
花 梨「……主人公だったんだ」
 杏 「それでは、正史における燈艾が
    辿った軌跡をお伝えします」

     トウ艾燈艾

燈艾、字は士載。出身は荊州、義陽郡。
幼くして父を亡くし、汝南を経て潁川に移り住む。
のち官吏となったが、彼は『どもり』のために
各部署の補佐官になることができず、低い官になった。

彼は目新しい土地を見ると、すぐに軍営地を置くには
どこが最適か測量したり図を描いていたりしたので、
周りからはいつも嘲笑されていた。
(自分の仕事には全く関係ないことであるから)

その後、彼は司馬懿と出会い、
その才を高く買われて抜擢される。

燈艾は豫州方面の運河の開通、灌漑の整備を提案。
またこの地での屯田を説いたところ、
司馬懿はこれを全て実行させ、成功を治めた。
水害もなくなり備蓄米も増え、東南に返事あれば
すぐに水運で大軍を動かせるようになったのである。

司馬懿の死後、司馬師の代になると、
燈艾は軍事面でも用いられるようになる。

郭淮と共に蜀の姜維の侵攻にあたり、
姜維の策を巧みに見抜き、その軍を退けた。
また、反乱を起こした母丘倹・文欽の軍を討ち、
再度侵攻してきた姜維の軍を散々に打ち破る。

彼の蜀に対しての武勲は枚挙に暇がなく、
彼の名は、姜維にとって郭淮と並び
最も聞きたくない名前ではなかっただろうか。

263年、燈艾67歳。
詔勅が下り、大将軍司馬昭の指揮で
蜀征伐の軍が遣わされ、燈艾もこれに加わる。

燈艾は姜維の軍と対峙して彼を釘付けにし、
その隙に鍾会が漢中に侵攻、これを落とす。

その後、鍾会が姜維の立て籠もる剣閣を攻めたが、
ここは天険の要害でもあり、なかなか落ちない。
燈艾は道の険しい陰平から進軍することを進言。
彼自らが別働隊を率いて進み、江由を落とし、
綿竹では諸葛瞻の部隊と戦いこれを破り、
劉禅の降伏を受け入れて成都まで進んだ。

成都に入っても彼は略奪を許さず、
蜀の太子や臣の罪を許したため、民は彼を称えた。
だが、蜀臣の任官を勝手に行うなどしたため、
後に鍾会らに糾弾の口実を与えることになる。

この頃の燈艾は、自分の功績に酔っていたのか
周りの者に自分の手柄を自慢して聞かせるなど、
かなり不遜なところが見受けられた。

また、彼は強情でせっかちな性格で、
同僚とあまり仲良くするタイプではなく
周りからは快く思われてなかったようである。

鍾会が蜀で独立する野心を抱き、
その最大の障害となるであろう燈艾を
『反逆の心を持っている』と讒言した。
燈艾は捕らえられ、都に帰る途中で殺された。

燈艾の一族は反逆者の汚名を着せられ流されたが、
司馬炎が帝位に着いた時に名誉が回復され
彼の嫡孫が登用された。

性格に多少問題があったとはいえ、才に優れ
忠義のために身命を賭し働いたのである。
『名将』と呼ぶに相応しい人物だろう。

なお、彼の性格や死に方は、蜀将の魏延と
よく似ていると思うが如何だろうか。
ちなみに、魏延もまた荊州義陽郡の出身である。

 杏 「リプレイ中では丁寧な感じの人ですが、
    それはまだ若いからで、歳とればやっぱり
    自慢話したがるヤな爺さんになるんでしょうね」
花 梨「今は猫被ってるんですね」
 杏 「文字通り猫の着ぐるみ被ってますし。
    なお、軍事面での活躍の時期は遅く、
    老将と言っても差し支えないかもしれません」
花 梨「ああ、だから老け顔なのか。
    老け顔の人は晩成型……と。メモメモ」
 杏 「同じ老け顔の費偉は若い頃から
    活躍してますけどね……」

 杏 「以上、今回の列伝はこの辺で。
    『三国志英雄列伝』で紹介の希望があれば、
    リクエストを送ってくださいませ」
花 梨「対象は『リプレイに登場する人物』です。
    出てない人はメッメッ」

    ☆☆☆

花 梨「次はこのコーナー!
    『ナットク・サンゴク・ウンチク』改め
    『三国志トリビア』をお送りします……
    ってコーナー名コロコロ変えるなー!」
 杏 「姓名判断でこちらの方がいいと出たので」
花 梨「姓名判断……?」
 杏 「このコーナーは、皆様から寄せられた
    『三国志のウンチク話』を紹介しまして、
    そのウンチク度を評価致します」
花 梨「めちゃくちゃパクリですね」
 杏 「でも、メロンパン入れはありませんし、
    パネラーがいるわけでもありません。
    では、今回は掴みということで、
    2つのトリビアをお送りします」
花 梨「では、ひとつ目のトリビアです。

    董卓と呂布の仲を裂いた連環の計。
    これを実行したのは演義では貂蝉であるが、
    正史では……


    貂蝉という人物は登場せず、
    王允家の踊り子が行った


 杏 「星、ひとつです」

    ☆★★ キラーン

花 梨「……評価はまた別な所からのパクリっすか。
    で、何ゆえ星ひとつですか?」
 杏 「結構有名な話だと思うので……。
    インパクトもそれほどでもないですしね」
花 梨「確かに、名前がないだけで存在自体は
    貂蝉とあまり変わりないですしね」
 杏 「『貂蝉はムキムキの筋肉男だった!』
    とかだと星3つだったんですが」
花 梨「……想像したくないなぁ〜。
    では、次のトリビアです。

    『赤壁』の地は……


    現在の中国に2ヶ所ある


 杏 「星、ふたつです」

    ☆☆★ キラーンッ

花 梨「結構辛口ですね……。では補足説明を。
    ひとつは実際に曹・孫の戦った、『武赤壁』
    もうひとつは詩人蘇軾(そしょく)の韻文
    『赤壁の賦』がある、『文赤壁』
    だ、そうです」
 杏 「どちらも、本物の『赤壁』ですね。
    旅行に行った際は間違わないようにしましょう」

花 梨「以上で今回の三国志トリビアは終わりでーす」
 杏 「何かトリビアネタがあれば、お送りください。
    金の脳も銀の脳もあげられませんけど」
花 梨「不調だと、次回またコーナー名変わったりして」
 杏 「十分に有り得る話ですね。
    また、今回のようなトリビア方式ではなく
    普通のウンチク話でも結構です。
    紹介形式を変えて発表させていただきます」

    ☆☆☆

 杏 「残りはいつものおたよりコーナー。
    前回出せなかった残りを行きますよ」
花 梨「うぃーっす」
 杏 「では、サクサク行きましょうか」

花 梨「では最初のおたよりです。
    『ものすごくHなものも書いてください』
    ……というのが来てますが」
 杏 「ダメです」
花 梨「そんな、あっさりと……」
 杏 「サーバー契約の約款に
    『えっちなのはいけないとおもいます』
    というのがあるんです。
    ですから、ドえっちな内容にはできません。
    外伝2のようなのが関の山です」
花 梨「ふむふむ、となると、
    寸止めお色気系にするしかないと」
 杏 「赤松健はあまり好きじゃないです」
花 梨「……誰もそんなこと聞いてないっす」

花 梨「次でーす。
    『番外で官渡の戦いなどを書いてみては?
    曹操陣営の将の活躍を見たいです』

 杏 「うーん……。
    そうなると人物設定はリプレイのままで、
    筋書きを演義や正史をなぞるという形でしょうか。
    正直、リプレイをやってる今、そういう番外を
    上手く作ることはできないと思います。
    長いものは時間がなくて無理ですし、
    短いものでも結局書き込みきれなくて
    小説や漫画の模造品にしかならないでしょう」
花 梨「じゃ、この話はナシですか」
 杏 「絶対にないとは言いませんが。
    期待はしないでください、ということで」
花 梨「そうですか〜」
 杏 「曹操陣営の活躍をみたいなら、蒼天航路を
    読んでもらうのが一番手っ取り早いです」
花 梨「あー、曹操陣営のキャラ設定はかなり
    影響を受けてますからね」
 杏 「補完する話を書いてみたい気はするのですが、
    時間がないというのが現状ですよね。
    そこはご理解をお願いします」

花 梨「どんどんいくよー。
    『十三章の歴代皇帝、順帝〜献帝の中に
    桓帝が抜けています』

 杏 「はい、スッポリ抜けてます。
    『6人の皇帝の時代を』と書いてますが、
    正しくは7人ですね。訂正しておきます」
花 梨「在位が20年と長い皇帝なんですけど。
    これを忘れちゃいますかね〜。
    あ、そういえば杏さんの生まれたのって……」
 杏 「桓帝の時代ですよ。それが何か」
花 梨「いーえ、何も〜。ウフフ」
 杏 「……ちょっと後に生まれたからって、
    あまり調子に乗らないでください。馬花梨さん」
花 梨「あーっ、酷い!
    バカリンって言わないでくださいよ!」

花 梨「次いきまーす。
    『現在の兵士数はいくらですか?』
 杏 「ひみつです」
花 梨「え? なんでまた。
    兵士数くらいいいじゃないですか」
 杏 「……実は孫権と戦端を開いてから、
    ちょっと徴兵しすぎまして……。
    大分差が開いてしまっているんです」
花 梨「はあ」
 杏 「人口でもかなり一人勝ち状態で、
    これではいかん!とダイエットするらしいです」
花 梨「ダイエット?」
 杏 「人口や兵数を削減しようと計画中だそうで。
    なので、今この時期の兵数は教えられません」
花 梨「ダイエット後には出してくれるですか?」
 杏 「そうですね。
    状況整理のために一度出す予定だそうです」
花 梨「それまで待てということですか」

花 梨「では最後ー!
    『おすすめの本など教えてください』
    だそうですよー」
 杏 「おすすめですか……弱りましたね。
    実は筆者、『しっかり読んだ』のは吉川英治三国志
    くらいで、他は立ち読みやら飛ばし読みやら、
    あげくは途中で読むのをやめちゃったり、
    あまり評価できるような読み方をしてないんです」
花 梨「趣向もどっかズレてるしね」
 杏 「なので基本を抑える程度に『吉川栄治三国志』、
    ちょっと高いですがちくま文庫の『正史三国志』
    あたりをお奨めします」
花 梨「漫画はー?」
 杏 「ネタ的には『横山光輝三国志』は是非。
    あとは曹操軍がかっこいい『蒼天航路』、
    ギャグ系だけどなかなか深い『SWEET三国志』。
    個人的には『江東の暁』も好きなんですが、
    少女漫画系なんでこれは好き好きかと」
花 梨「漫画・小説の他には?」
 杏 「それほど強く奨めるわけじゃないですが、
    コーエーの『爆笑三国志』シリーズ。
    ネタの補給にどうぞ。
    あと、『三国志人物事典』(講談社)は、
    人物の略歴を調べるのに重宝してます」
花 梨「後は……本じゃないけど、ゲームは?」
 杏 「そりゃもう、三国志9(withPK)を♪」
花 梨「おあとがよろしいようで〜テケテン♪」

花 梨「以上、おたよりコーナーでした」
 杏 「送ってくださった方、ありがとうございます」
    今後もご意見ご感想など御寄せくださいませ」

    ☆☆☆

 杏 「というわけで、コラム第14回は終わりです」
花 梨「次回は……また来週、
    なーんてことはないですよね」
 杏 「それはないと思いますが……。
    どうも、様子がおかしいんですよね」
花 梨「……様子がおかしい?」
 杏 「次回のことを聞くと、以前は『わからない』
    だったんですけど、今回は違うんです」
花 梨「どういうふうにですか?」
 杏 「『関係ない』って言ってるんです」
花 梨「関係ない……? どういうこと?」
???「ふぉふぉふぉ、言葉通りの意味じゃ!」
花 梨「誰!?」

    劉髭劉髭

劉 髭「ふぉふぉふぉ、わしじゃよ」
 杏 「……言葉通りとはどういう意味です?」
劉 髭「お主たちには関係なくなるということじゃ」
花 梨「えっ?」
劉 髭「ようするにお主らはクビなんじゃよ!
    新しいぱーそなりてぃを二人入れるそうじゃ!」
花 梨「ええーっ!!」
 杏 「……ま、飽きっぽい作者のことですから、
    いつまで続くかと思ってはいましたが……。
    首のすげ替えをされるとは」
劉 髭「ふぉっふぉっふぉっ。
    見たか! わしを仲間外れにしよるから
    バチが当たったのじゃ! ざまーみれ!」
 杏 「……降板ですか。ま、いいでしょう。
    でも、新人二人が後釜に座るということは、
    全然接点のない貴方の復帰は、ますます
    難しくなったということですけど……」
劉 髭「……はっ」
花 梨「あ、固まった」
劉 髭「はうあっ……」

 さらさらさら〜

花 梨「あ、灰になった」
 杏 「後先全く考えてなかったようですね。
    全くしょうがない……」
花 梨「交代ってのは本当みたいですね……。
    ま、私は元が代打だったんで構いませんけど」
 杏 「私も途中からでしたしね。
    そう考えればまた交代となるのも
    しょうがないのでしょうか」
花 梨「でも次回からは誰が……?」
 杏 「新しい二人、と言ってましたからね。
    ま、次回のお楽しみということで……。
    それでは、最後のごあいさつをしましょうか」
花 梨「はーい」

 杏 「皆様、これまでありがとうございました。
    また別の機会に違う形で出てくることも
    あるかもしれません。
    その時はよろしくお願いします」
花 梨「さようならー。また会う日まで〜」
 杏 「それでは、さようなら〜」

〜第14回放送、終了〜

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