○ 第九十五章 「振り返りし我が道」 ○ 
218年3月

3月半ば、荊州は漢津港。

ここは孫権軍10万のいる陸口港に備えるべく、
金旋自らが赴き、また甘寧以下9万の兵が
守りを固めていた。

なお、同じように烏林港にも兵9万が駐屯し、
徐庶、金玉昼、金満あたりが派遣されていた。

  金旋金旋   下町娘下町娘

下町娘「各方面から報告書が届いてますよ」
金 旋「ん。それじゃまず桂陽の霍峻から聞こうか。
    山越の方も片付いたんか?」
下町娘「じゃ、概要を口述しますね。
    『我が軍は孫権軍に対し数で劣りながらも、
    髭髯龍隊の活躍などで孫権軍を撃破。
    その後、部隊を南に転進させ、
    向かってきた山越軍4万を迎撃せり。
    髭髯豹が蛮将二人を倒すなど終始圧倒、
    2月末にこれを駆逐しむる』」
金 旋「ほう。なかなかやるな」
下町娘「今回の戦いにて勝利した要因としては、
    孫権軍の部隊構成が片寄りしこと、
    山越軍に仕掛けし偽報が何度も成功し
    到着の時間を稼げたことが主である」
金 旋「ふむ、霍峻らしい冷静な分析だな」
下町娘「また、我が軍の将の結束が強く、
    各隊の連携が上手くいったことも一因である。
    しかしながら、い……、これは……」
金 旋「ん、どうした?」
下町娘「いえ、ここんとこから数行、
    明らかに別な人の字が続いてるんですが。
    後から書き足したみたいになってます」
金 旋「……とりあえず読んでみ」
下町娘「えーと……一番の勝利の要因は、
    髭の神のご加護があればこそである。
    髭の神を信じれば負けることはない。
    さあ、皆も髭の神を信じたまえ。
    今なら入信キットが半額の……」
金 旋「もういい。後でこう霍峻に伝えるように。
    『黄祖のヒゲ教布教を控えさせろ』てな」
下町娘「はーい」
金 旋「結束が固いのは結構なんだが、
    妖しい宗教を広められては困るな」
下町娘「新興宗教は怖いですからねぇ。
    えーと、桂陽からはこんなとこです」
金 旋「うむ。じゃ、江夏の燈艾からは?」
下町娘「『孫尚香率いる9万の軍を殲滅。
    攻撃を受けし江夏城を修復後、夏口に兵を集め、
    隙あらば廬江を窺うつもりである』
    だそうです」
金 旋「簡潔だな。しかも敵地を窺う気概が良し。
    んじゃ、洛陽の司馬懿からは?」
下町娘「一時孟津を奪われたようですけど、
    敵軍を駆逐して取り返した、とありますね。
    資料たくさん送られてきましたけど、見ます?」
金 旋「これか。相変わらず仕事が細かいな。
    各戦闘での各部隊の様子が逐一記録されてる。
    ……全部は見んでいいわ。日が暮れる」
下町娘「はーい」
金 旋「一応、各方面とも一段落、てとこか。
    ……それにしても、我が軍も大きくなったな。
    最初の頃なんて1万も兵がいなかったのに」
下町娘「そうですねえ……。
    最初は武陵一国から始まったんですからね」
金 旋「ああ。……いい機会だ。
    ここまでのことを振り返ってみるか」
下町娘「これまでのおさらいですね」

    ☆☆☆

207年初頭

金 旋「全ては建安十二年(207年)、
    あの時から動き出したと言っていい。
    あの出会いが、運命を変えたんだ」
下町娘「や、やだ、もう。何言ってるんですか〜」
金 旋「そう、劉髭……軍師と出会ったことで、
    俺の何かが目覚めたんだ」
下町娘「……なんだ。そっちですか」
金 旋「さて、まず期間を区切ってみるか。
    あの時から荊南四郡を制するまでが
    ひとつの区切りになるな。
    名付けるなら、『黎明編』か」
下町娘「金旋軍の夜明けぜよ〜」
金 旋「……誰の物真似だ。
    黎明は夜明けっていう意味だから、
    それで合ってはいるが」
下町娘「最初はお金なくて苦労しましたね〜」
金 旋「やり方が良くわかってなかったからな。
    オマケに人材も集まらないし、苦労したな」
下町娘「実際に苦労してたのは劉髭さんや鞏志さん、
    潘濬・劉巴といった文官の人だと思いますけど」
金 旋「……自分は入れないのか?」
下町娘「いえその……私は足引っ張ってましたし」
金 旋「あ、自覚あるのね。
    しかし潘濬と劉巴はいてくれてよかった。
    開発がよく進んだし、登用でも大分助けられた」
下町娘「序盤は政治力ある人は重宝しますよね」
金 旋「で、韓玄軍の遠征の隙を突いて
    長沙を落としたわけだが。
    ……あの戦いは一番の大苦戦だったな。
    せっかく城塞作ったのに、趙範に奪われるし」
下町娘「でも長沙取れて良かったですね」
金 旋「うむ。一国と二国では遥かに違うし、魏延や
    韓浩などの優秀な人材を取れたからな」
下町娘「魏延さんの加入は大きかったですよね。
    当時ではあの人に敵う敵将はいませんでした」
金 旋「ずっと軍の中核で頑張ってくれたからな。
    韓浩も鞏志や潘濬・劉巴と並び、内政担当として
    十二分な働きをしてくれた。えーと、あとは……」
下町娘「魏光くんとか」
金 旋「あー、そうか。魏延と一緒に入ったんだもんな。
    ……でもあいつ、そんな活躍してないだろ。
    能力も平凡だし」
下町娘「……うわぁ。本人聞いたらヘコみますよ」
金 旋「いや、頑張ってるのは認めるが……。
    鞏恋関係でしか出番がなかろ?」
下町娘「確かにそうですけど」
金 旋「さて、その後は零陵も落としてウハウハ……
    のはずだったんだが」
下町娘「零陵戦後、劉髭さんが倒れて、
    そのまま帰らぬ人になりましたからね……。
    結局、すぐ後で桂陽も落としましたけど」
金 旋「あの時、好機を逃がさなかったのは、
    軍師がそれまでいてくれたお陰さ。
    今思えば、俺は軍師に育てられていたんだろう。
    軍師がいてくれたこの時期があるからこそ、
    今の俺があるような気がしてならないんだ」
下町娘「黎明編のこの期間は、
    金旋さまの成長期だったわけですね」

 黎明編

    ☆☆☆

210年初頭

金 旋「さて。その後は軍師の後釜に玉を据えて望んだ
    『荊州統一の戦い』が始まるわけだが。
    時期は建安十五年(210年)頃だな。
    この頃は、言うなれば『雄飛編』だな」
下町娘「地方の小君主が一躍、なみいる群雄の中でも
    トップクラスに成長するところですね」
金 旋「うむ。まず劉表に喧嘩売る所から始まるわけだ。
    と、その前にこの頃の家臣団をまとめとくか」
下町娘「あ、その時の資料ならここに」
金 旋「おー。用意がいいな」
譜 代 金旋、鞏志、金目鯛、下町娘、鞏恋、金玉昼
在野登用 潘濬、劉巴
元韓玄軍 魏延、魏光、韓浩、鄒興
元劉度軍 刑道栄、魏劭、劉鏡、碗朗
元趙範軍 陳応、陳慶、趙樊
元蛮望軍 張常、胡渉
(210年1月時点)

金 旋「流石に今見ると見劣りはするが、
    それでも劉表に対抗できる程には揃ってたな。
    そんで、劉表をぶっ叩くべく宣戦布告して、
    公安・江津の港を奪取。
    その後、劉表がのこのこ攻めに来た所を叩く。
    ……あ、やなこと思い出した」
下町娘「やなこと?」
金 旋「諸葛亮に初めて会ったのがこの時だ。
    玉が『天下が取れる人材』って言ってたのに、
    会ってみればただの変態ホモだったからな」
下町娘「え、そうなんですか?
    でも、たしか奥さんいるんですよね?」
金 旋「どうせ偽装結婚だろ。
    んで、まあそんなこんなで江陵を攻め落とし、
    烏林港も落として甘寧ゲット!」
下町娘「甘寧さんって元は普通の顔だったのに、
    金旋さまの変な歌のせいで変なヒゲを
    生やすようになったんでしたっけ」
金 旋「そーいう言い方されると、まるで俺が
    某剛田商店のご子息みたいじゃないか。
    あれはしょうがなかったの。事故扱いだ」
下町娘「てことは労働災害ですね」
金 旋「……そんで次は襄陽を狙うわけだが」
下町娘「(……ごまかした)」
金 旋「曹操軍が先に襄陽を攻撃してたから、
    まずこれを追っ払い、次に城を落とした。
    長期に渡って両軍が戦い続けていたから、
    こちらとしては楽な戦いだったな」
下町娘「その時ですね、強力な新戦力が入ったのは」
金 旋「強力……? ああ、蛮望と霍峻のことか。
    インパクトは確かに最強だったな……。
    蛮望は入れない方が良かったんじゃないかと
    思うときもあるが……」
下町娘「象兵使えるのは、あの人のお陰ですよ」
金 旋「それは確かにそうなんだけどな。
    ここでしばらく国力増強に力を入れている。
    探索を活発にやってたのもこの頃だな」
下町娘「アイテム見つけたり虎退治やったりして。
    鞏恋ちゃん、アイテムと虎退治の繰り返しで
    随分強くなりましたよね」
金 旋「今や魏延・甘寧とタメを張れる武勇だもんな。
    何匹の虎を倒したんだか。
    ……んで、湖陽港、曹彰の守る新野を落とし、
    江夏の劉埼を降伏させた。劉埼の降伏は
    費偉の功績だったな」
下町娘「ふふーん」
金 旋「なんで君が威張るかね」
下町娘「費偉さんを登用したのは私!」
金 旋「はいはい。そして、関羽との連戦。
    安陽港、西城、上庸、宛と続くわけだ」
下町娘「けっこう後半はあっさりと行きましたよね」
金 旋「曹操は孫権、馬騰らにも攻撃されてたからな。
    1対1だったらああ上手くはいかんさ。
    で、めでたく荊州統一と相成るわけだ」
下町娘「荊州牧にもすぐ任命されましたしね」
金 旋「だが、荊州統一で全部終わるわけじゃない。
    今度は洛陽を目指す戦いとなるわけだ」

 雄飛編

    ☆☆☆

215年初頭

金 旋「上洛を目指す戦いが始まる。
    許昌・洛陽を巡る、『激闘編』だな」
下町娘「じゃ、その前にこの頃の家臣団を〜」
金 旋「うむ。さっきと比較してみるか」

譜 代 金旋、鞏志、金目鯛、下町娘、鞏恋、金玉昼
元韓玄軍 魏延、魏光、韓浩、鄒興
元劉度軍 刑道栄、魏劭、劉鏡
元趙範軍 陳応、陳慶、趙樊
元蛮望軍 張常、胡渉
元孫権軍 高定
元劉表軍 甘寧、李厳、霍峻、黄祖、伊籍、
劉埼、劉綜、蔡瑁、張允、萌越、王粲、
向朗、蔡和、秦泌、趙囲

元曹操軍 韓遂、朱桓、馬良、楽進、楽淋、
牛金、何晏、馮習、田疇、申儀、呂曠、
王修、蔡中、樊郭、孔休、何簿

在野登用 潘濬、劉巴、費偉、蛮望、董蘭、
卞柔、卞質、卞志、張南、趙累、高翔

抜擢武将 謝旋、孔翊、秦綜
(213年4月時点)

下町娘「赤字が雄飛編の期間に入ってきた方たちです。
    かなり増えましたね」
金 旋「劉表劉埼軍の将をかなり吸収したし、
    曹操軍から捕らえた者も登用したからなぁ。
    あ、上記は登用時点での所属勢力だからな。
    ちょっと違和感あるやつもいるかもしれん」
下町娘「……誰に言ってるんですか?」
金 旋「さあ」
下町娘「さあって……」
金 旋「荊州統一で意気上がる我が軍だったが、
    ここでいきなりピンチに追い込まれる。
    許昌の李通の隊が新野に侵攻してきたからだ」
下町娘「この時はあせりましたよね〜。
    最初は兵力が足りないと思いましたからね」
金 旋「しかし黙ってやられる俺たちじゃあない。
    謎の軍師マスクドスヒヤのお陰もあり、
    戦力を結集し、これを見事撃退してみせた」
下町娘「いや、スフィアですって。マスクドスフィア」
金 旋「ん? マスクドスヒヤって言ってるだろう」
下町娘「……言えないならいいです。先いきましょう」
金 旋「ふむ。その後、我が軍は反攻作戦
    『完璧奇襲謀略大作戦』を実行に移す。
    これは洛陽を奇襲し、かつそれを陽動に使い、
    許昌の部隊をおびき寄せて叩く、理論上は
    そりゃもう完璧な作戦だった」
下町娘「もう、全然完璧じゃないですよ〜。
    金旋さまが途中で勝手に変えちゃうし。
    お陰で私は大慌てだったんですから」
金 旋「劉璋と馬騰が同時に攻めてくるなんて、
    誰も気付くことはできないって。
    俺も危ういところだったしな〜」
下町娘「あんなのはもうゴメンですよ〜」
金 旋「まあなんとか撃退したんだしいいじゃないか。
    んで、外交の大切さを痛感し、各勢力と仲良くし、
    相手にする敵を曹操一本に絞るようにした。
    そして戦力を蓄え、許昌・洛陽を落とすための
    本格的な戦いが始まるわけだ」
下町娘「どの戦いもなかなか激しかったですね。
    まさに激闘編に相応しい戦いでした」
金 旋「潁川城塞や許昌を巡る戦いでは
    夏侯淵の部隊に苦戦させられたな。
    後から曹操は来るし、司馬懿は暗躍するし。
    しかし攻め続けた我が軍はついに許昌を落とす」
下町娘「でもって、司馬懿さんや郭淮さんなどを登用し、
    陣容もますます増強されました」
金 旋「全く曹操さまさまだな。
    次々に優秀な人材を分けてくれるんだから」
下町娘「向こうは分ける気なんてさらっさらないと
    思いますけど……」
金 旋「そしていよいよ洛陽を攻めることになる。
    一気呵成に攻めるのではなく、曹操軍の
    体力を削るように、じわじわと攻めるやり方だ」
下町娘「けっこう時間かけましたもんね。
    そう言えば、鞏恋ちゃんが一騎討ちで
    三人抜きをしたのはこの時ですね」
金 旋「おー、そうだったな。
    曹操軍の名だたる将たちをばったばったと
    倒しおったからな〜。見事だった。
    そして我々は諸葛亮の策などものともせず、
    我らは洛陽を巡る戦いにケリを付けた。
    上洛を果たしたわけだ」
下町娘「皇帝陛下を戴き、人材もまた増えて万々歳。
    ……だったんですけどねぇ」
金 旋「そこからはまた別シリーズだな。
    とりあえずここまでが『激闘編』つーことで」

 激闘編

    ☆☆☆

215年初頭

金 旋「さて。曹操軍を駆逐し洛陽へ入ったはいいが、
    ここからは領土の拡大はほとんどなく、
    いろいろなトラブルに見舞われてしまう。
    名付けて『奔走編』だな」
下町娘「かなりバタバタしてましたからね。
    では、この時点での家臣団まとめです」」
譜 代 金旋、鞏志、金目鯛、下町娘、鞏恋、金玉昼
金閣寺
元韓玄軍 魏延、魏光、韓浩、鄒興
元劉度軍 刑道栄、魏劭、劉鏡
元趙範軍 陳応、陳慶、趙樊
元蛮望軍 張常、胡渉
元孫権軍 高定
元劉表軍 甘寧、李厳、霍峻、黄祖、伊籍、
劉埼、劉綜、蔡瑁、張允、萌越、王粲、
向朗、蔡和、秦泌、趙囲
元曹操軍 韓遂、朱桓、馬良、楽進、楽淋、
牛金、何晏、馮習、田疇、申儀、呂曠
王修、蔡中、樊郭、孔休、何簿
司馬懿・郭淮・于禁・李典・劉曄・郭奕
凌統・蒋欽・留賛・文聘・公孫朱・厳峻
満寵・張既・蒋済・崔炎・陳矯・秦朗
夏侯徳・申耽・髭髯龍・髭髯豹・髭髯鳳
徐庶・簡雍・糜竺・陳震・陶応・程近

在野登用 潘濬、劉巴、費偉、蛮望、董蘭、
卞柔、卞質、卞志、張南、趙累、高翔
燈艾、何曾、朱異
抜擢武将 謝旋、孔翊、秦綜、魏緒
(216年6月時点)

下町娘「曹操軍が多いですね」
金 旋「それは戦ってる相手が曹操軍だけなんだから、
    しょうがないんだって。
    ……さて、この奔走編だが。
    俺のケツが血(けつ)で染まることから
    全てが始まったのだ」
下町娘「ダジャレ言ってる場合ですか。
    あの時はもう血の気が引きましたよ」
金 旋「死ぬことはなかったが、延命治療のため
    頓丘を訪れる必要が出てきた。
    しかーし、頓丘は曹操軍領内の真っ只中。
    そこで部隊を率いて黄河を降り、頓丘まで
    強行突破をするハメになった」
下町娘「頓丘についたら人探ししましたよね。
    かん……かん……関羽さん?」
金 旋「そりゃ間違えた方。正しくは管輅だ。
    彼に会い、延命の方法を聞いたわけだが」
下町娘「その方法って?」
金 旋「秘密」
下町娘「ケチですね」
金 旋「命掛かってりゃケチにもなるわい。
    その後、金満が成人。彼を夷陵に派遣し、
    劉璋領の永安を切り取らせる一方、俺は
    桂陽でごにょごにょ」
下町娘「なんですか、ごにょごにょって」
金 旋「イイコト♪」
下町娘「はあ。黄祖さんとイイコトしてたんですか」
金 旋「ぶっ……なんで黄祖と一緒だと!?」
下町娘「後で話聞いたんで知ってますよ。
    黄祖さんと二人で登山したんですって?」
金 旋「あ、ああ、確かにそれは事実だが……。
    ま、まあ、山のいい空気を吸って具合もよくなり、
    俺の病は完治したってえわけなのだ!」
下町娘「……いい空気でなぜ痔が治るのかな?」
金 旋「細かいことは気にすんな!
    さて、洛陽に戻った俺を待っていたのは、
    孫権が荊州を狙うという不穏な噂。
    そこで真偽を確かめるため、演習の名目で
    荊州に兵力を移動させてみることにした」
下町娘「結局、噂は本当だったということですか?」
金 旋「部隊を出してきたんだから、そうだろう……。
    と言うところだが、なんか変な感じはするわな」
下町娘「変?」
金 旋「孫権はこの頃、徐州方面にも侵攻していた。
    二正面作戦を最初からやる気だったとは、
    どうも思えんのだがなぁ……。
    ……しかしまあ、攻めてきたのには変わりない。
    江夏方面は燈艾、桂陽方面は霍峻に任せ、
    兵力では劣りながらも侵攻部隊を撃破。
    また、手薄になった洛陽方面を曹操軍が侵攻、
    一時孟津を取られるが司馬懿らの活躍で奪還。
    敵部隊を殲滅している」
下町娘「しかし本当、負けないですよね」
金 旋「人材は十分すぎるほどに揃ってるし、
    どちらかてえと敵さんの作戦が無謀っつーか。
    孫子の『まず勝ちて戦を求む』じゃないが、
    戦略から勝つように心掛けてるからな。
    ……そんなこんなで、今日に至るってわけだ」
下町娘「ちなみに、これが現在の家臣団です」
譜 代 金旋、鞏志、金目鯛、下町娘、鞏恋、金玉昼
金閣寺、金満
元韓玄軍 魏延、魏光、韓浩、鄒興
元劉度軍 刑道栄、魏劭、劉鏡
元趙範軍 陳応、陳慶、趙樊
元蛮望軍 張常、胡渉
元孫権軍 高定、董允
元劉表軍 甘寧、李厳、霍峻、黄祖、伊籍、
劉埼、劉綜、蔡瑁、張允、萌越、王粲、
向朗、蔡和、秦泌、趙囲
元曹操軍 韓遂、朱桓、馬良、楽進、楽淋、
牛金、何晏、馮習、田疇、申儀、王修、
蔡中、樊郭、孔休、何簿
司馬懿・郭淮・于禁・李典・劉曄・郭奕
凌統・蒋欽・留賛・文聘・公孫朱・厳峻
満寵・張既・蒋済・崔炎・陳矯・秦朗
夏侯徳・申耽・髭髯龍・髭髯豹・髭髯鳳
徐庶・簡雍・糜竺・陳震・陶応・程近
司馬孚・董昭・閻柔・張苞・周倉・蘇由・陶商
在野登用 潘濬、劉巴、費偉、蛮望、董蘭、
卞柔、卞質、卞志、張南、趙累、高翔
燈艾、何曾、朱異
厳顔・呉懿・呉蘭・高沛・孟達・楊儀
抜擢武将 謝旋、孔翊、秦綜、魏緒
(218年3月時点)

金 旋「我が軍の誇る優秀な家臣団だ。
    ま、寄り合い所帯なのは変わりないけどな」
下町娘「というわけで、駆け足ながら
    これまでの経緯を振り返ってみました。
    どうだったでしょうか?」
金 旋「……誰に言ってる?」
下町娘「さあ」
金 旋「さあって」

218年3月

    ☆☆☆

下町娘「さて……これからどうなるんでしょうか」
金 旋「そうだな。孫権の部隊を叩きはしたが、
    まだまだ戦力は残っているようだし。
    曹操もただでは終わるはずがないだろう。
    信頼関係にある馬騰・饗援も孫権のように
    いつ敵になるかわからん。気が抜けないな」
下町娘「……金旋さまの覇道も、まだまだ途中ですね」
金 旋「そうだな。ようやく半分程度ってとこだろう。
    だが、俺にももう少し時間は残ってる。
    焦らずいくさ。死ぬ前になんとか終わればいい」
下町娘「はい、私も応援してます」
金 旋「応援ばかりでなく、仕事もしろよ〜」
下町娘「はいはい」

金 旋「……そうだ。まだまだ途中なんだ。
    だからみんな、オラに元気を分けてくれ!」
下町娘「締めの言葉にはあまり相応しくないですね」
金 旋「そか? じゃあこっちで。
    ……まだまだ道は半ばだぜ!
    黙って俺についてこい!
下町娘「ウワア男ラシイ御言葉デスネ」
金 旋「台詞が棒読みだぞ。
    ……とにかく、まだまだ終わらん!
    終わるわけにはいかんのだ!



 金旋伝 〜中華英雄伝説〜  

      −完−     


金 旋終わってるーっ!?
下町娘「ええーっ!?」
金 旋「え? まさか……冗談だろ?」


1年半以上連載して参りました金旋伝ですが、
惜しまれながらも幕を閉じることとなりました。
ご愛読いただき誠にありがとうございました。



金 旋「終わる気満々だーっ!?」
下町娘「ちょっとー! 聞いてないよー!」


これからも鋭意頑張って参ります!
次回より始まる新連載にご期待ください!



金 旋「頑張らんでいいから続けんかいワレ〜」
下町娘「やだ〜! 終わりたくないよ〜!」


『続・金旋伝』、2005年1月スタート!
モードを上級に移し、金旋の新たな戦いが始まる!



金 旋「へ? どういうことだ?」
下町娘「続くの?」


しっかり続きます。
曹操・孫権とは対立し矛を交え、
馬騰・饗援とは微妙な関係を続ける金旋。
彼の未来はどういう結末を迎えるのか?
乞うご期待!



金 旋紛らわしいんじゃボケェ〜ッ!


〜金旋伝は一応終わりです〜


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