○ 第七十九章 「金旋を救え、北斗ら…」 ○ 
217年1月

洛陽

金旋は、視察の名目で桂陽へ向かう予定であった。
すでに準備も終え、出立する日を迎える。

  金旋金旋   金玉昼金玉昼

金 旋「じゃ、後はよろしく頼むな」
金玉昼「はいにゃー」

  下町娘下町娘  徐庶徐庶

下町娘「他に誰か連れていかなくていいんですか?
    いきなり山越が攻めてきたりしたら……」
金 旋「大丈夫だ。桂陽には黄祖もいるし、
    攻めてきたのを確認してからでも
    誰かを派遣してくれれば十分間に合う」
徐 庶「じゃ、土産をよろしく、ボス」
金 旋「……観光に行くんじゃないんだがな〜」

   司馬懿司馬懿

司馬懿「閣下」
金 旋「お、司馬懿も見送りに来てくれたのか」
司馬懿「いえ、夷陵の鞏志どのから書状が参ってます。
    行かれる前に一読されますよう」
金 旋「鞏志から? なんだろうな」

司馬懿の差し出した手紙を受け取り、
金旋はそれにさっと目を通す。

金 旋「……ふうむ。
    劉璋領の永安が、度重なる饗援軍との交戦で
    かなり疲弊しているらしいな」
司馬懿「そのような情報を送ってくるということは、
    我が軍も兵を出し、攻めよということなのでしょう」
金 旋「うむ。動員するのは江陵に駐屯している兵で
    事足り、将も数人送ればよいことなど、
    細かに記載してある」
徐 庶「そうだな。盟友饗援のために劉璋を潰す、
    という名目もできるしな。
    ここは攻めてもいいんじゃないか」
金 旋「で、そのまま永安を落として、
    我が物にしてしまおうというわけだな?
    フフフ、全く悪知恵の働く奴よのう」
徐 庶「へっへっへ、さすが親分。
    あっしの思うことなど一目瞭然ですな」
金 旋「あたぼうよ、この金さんを舐めるんじゃねぇや。
    てやんでいべらぼうめい」
金玉昼「……悪代官ごっこなのか金さんごっこなのか、
    よくわからんにゃー」
下町娘「で、派遣する方は誰を?」
金玉昼「霍峻さん、陳応さんなどが江陵にいるから、
    こっちからは一人二人出せば間に合うにゃ」
金 旋「そうだな……。
    それほど激しい戦闘にはならないだろうし。
    誰か経験を積ませたい奴を……」

   金満金満

金 満「あ、父上。もう出立される時間ですか」
金 旋「あ、満。よし、お前に決めた」
金 満「はい?」
金 旋「夷陵に行け。
    んで、鞏志や霍峻にいろいろ教えてもらえ」
金 満「は、はあ……」
金 旋「じゃ、俺はもう行くぞ。後はよろしくなー」

金満はよく分かってない様子だったが、
金旋は構わず出立した。目指すは桂陽。
南山にいるはずの北斗、南斗に会いに……。

    ☆☆☆

金旋が出発してすぐのこと。

  魏延魏延   下町娘下町娘

魏 延「おや? 殿はどちらに?」
下町娘「あら、魏延さん。
    金旋さまなら、もう桂陽に発ちましたよ」
魏 延「なにっ? しまった、今日だったか……」
下町娘「何か用でもあったんですか?」
魏 延「いや、ちょっとな。
    ある兵を将に抜擢することになっていたのだが、
    肝心の教育者を誰にするか、決めてなくてな。
    殿に確認しようと思ったのだが……」
下町娘「へえ……。それじゃ、私がやりますよ」
魏 延「は? やるとは?」
下町娘「だからー、教育者ですよ。
    一度やってみたかったんですよねー」
魏 延「い、いや、やってみたかったと言われても、
    一応兵法とか教えなくちゃならんし」
下町娘「なんですか? 私では無理とでも?
    兵法を教える? いいじゃないですか。
    私は治療を使えるんですよ?」
魏 延「(逆に言えばそれくらいしかないのに……)」
下町娘「何か言いましたか」
魏 延「い、いや……では下町娘どのに頼もう。
    (まあ殿も全然気にかけてなかったし、
     別によかろう……)」
下町娘「はぁーい! 頑張りますよお!」

こうして、魏延の抜擢した文治(ぶんち)は、
下町娘の教育を受けることになった。

下町娘「えー、それでは今日は弩のお勉強です!」
文 治「……わかりません。先生、教えてください」
下町娘「ダメです。私もわかりません」
文 治「……先生?」
下町娘「はい、弩は失敗! 次行きましょう!」
文 治「誰なんだ、この先生に決めたの……」

こんな調子で教育は続いていった。

一応、治療などは覚えることができたが、
能力値や他の兵法は惨憺たるものになっていく。
文治は、こんな適当な扱いに、
内心、かなりの憤りを憶えるのだった。

    ☆☆☆

ミニマップ

桂陽に位置する霊峰、南山。
その麓に、金旋と黄祖の姿があった。

  金旋金旋   黄祖黄祖

金 旋「ここが、南山か……」
黄 祖「ここらの山の中では一番高い山じゃな。
    地元の民の話では、仙人が住んどるとか」
金 旋「仙人か……この幻想的な雰囲気、
    民がそう思いたくなるのも分かるな。
    ……で、なんでお前がついてくるんだ?」
黄 祖「なーに言っとるんじゃい。
    もういい年した君主に、こんな大きな荷を
    背負わせられぬわい」

黄祖の背には、酒瓶と肉の積まれた荷が乗っていた。

金 旋「持ってくれるのはありがたいがな……。
    自分の歳を分かってるか? 俺より上だろ」
黄 祖「グッフッフ、わしゃ鍛えてるからのう。
    この程度、わけはない」
金 旋「……言ってろ。それにしてもこの荷、
    ちょっと多すぎのような気が……」
黄 祖「あ、半分はわしのじゃから」
金 旋「わかった。もうしゃべるな」

金旋と黄祖は、山を登り始める。

どれくらい登っただろうか。
だんだんと景色が変わり、清らかな空気が漂い始め、
それらしいところに近付いてきた雰囲気を感じた。

金 旋「……そろそろ、かな」
黄 祖「そろそろ? 何がじゃ?」
金 旋「いや、なんでもない。
    それより、ここから先は俺だけで行く。
    お前はここで待ってろ」
黄 祖「はあ。そう言うんなら、待ってるとするかの。
    実は大分くたびれてきてたんじゃ」
金 旋「……たく、無理すんなよ。長生きできんぞ。
    じゃ、酒と肉を持っていける量、出してくれ」
黄 祖「あいよ。じゃ、これとこれ……と」
金 旋「ん……?
    この酒、なんか色が変じゃないか?」
黄 祖「そりゃ、養命酒じゃからな」
金 旋「なんで養命酒なんだ!?
    普通のはないのか、普通のは!?」
黄 祖「普通のはちょうど切らしておってのー。
    ほれ、出掛けに酒を用意しろと言った時、
    『酒なら何でもいい』って言っておったじゃろ」
金 旋「だからって養命酒はないだろ……」
黄 祖「そうじゃな、他に甘酒を持ってきておるが?」
金 旋「甘酒ねえ……まあ養命酒よりはまだマシか」
黄 祖「へいへい。全く贅沢な話じゃ。
    王になったら酒にもうるさくなったわい」
金 旋「こ、このジジイめ……」

金旋は怒りを抑えつつ、肉と甘酒を受け取り、
先を目指して歩いていった。
黄祖はそれを見届けると、すぐに表情を崩し、
隠してあったひょうたんを取り出した。

黄 祖「……実はちょっとだけあったんじゃがの。
    まあ、自分の飲む分だし、いいじゃろ」

そう呟くと、黄祖はひょうたんのふたを開け、
グビリと中の酒をあおった。

黄 祖「んー、染み入るのう……。
    おや? 何か聞こえてくるな……」

微かに聞こえてくる、パチン、パチンという音。
興味を持った黄祖は、その音のする方へと歩いていく。

黄 祖「お……?
    こんなところで碁を打っているのか。
    風流というか、物好きというか……」

そこでは、黒い衣を来た老人と、白い衣を来た青年が、
向かいあって碁を打っていたのであった。

黄 祖「……近付いてるわしに気付かんとは、
    よっぽど夢中でやってるようだのう。
    どれ、ちょっと脇で見物させてもらうか」

黄祖は碁盤の横に陣取り、二人の対局を観戦する。
ただ見ているだけなのも何なので、
酒と肉を取り出してそれを飲み食いし、
また、二人のところにも分けてやった。
二人は夢中になって打ちながら、黄祖の出した酒
(こちらは甘酒だが)と肉と頬張り、局を進めていく。

やがて打つところもなくなり、盤の目を数え、
勝負がついた。青年の方が勝ったようである。

老 人「ううむ、今回はワシの負けか」
青 年「今日は少し、打ち方を変えてみたんだ。
    最近同じような負け方をしていたからな」
老 人「ふむう……ん? お主は誰じゃ?」
黄 祖「いやあ、見物させてもらってたぞい。
    なかなか見事な戦いじゃったな」
青 年「はっはっは、それはありがとう」
老 人「途中、甘酒や肉を出してくれたのはお主か」
黄 祖「うむ、自分だけ飲み食いしとるのも何かと
    思ったからのう」
青 年「ふむ……碁に夢中で、
    思わず出されたまま飲み食いしてしまったな」
黄 祖「まあ、そんな気にせんでええわい。
    碁の見物料だと思ってくれい」
老 人「……ん? お主……」
黄 祖「なんじゃ?」
老 人「南斗。こやつの寿命……」
青 年「うん? ……おや、これは……」
黄 祖「なんじゃ、人の顔見てブツブツと?」
老 人「すまんが、お主の名前を教えてくれんか?」
黄 祖「名前? 姓は黄、名は祖。
    例え戦で負けてもただでは転ばん、
    人呼んで七転び八起きの黄祖!」
老 人「ふむ、黄祖か」
黄 祖「……もう少し反応してくれい。寂しいぞ」
青 年「どれどれ……『こ』の欄は……と」

青年は、懐から取り出した帳簿のようなものを開き、
なにやら調べ始めた。

青 年「あった。やはりな……今年の4月だ」
老 人「ふむう、やはりのう」
黄 祖「やはりって、何がじゃい」
老 人「……単刀直入に言おう。
    お主は、4月になれば死ぬ」
黄 祖「はあ? 何言っとる。
    ワシはまだまだ健康じゃ。
    そう簡単にはくたばらぬわい」
青 年「北斗、説明してもわからんだろう。
    我らのことも知らぬようだし」
老 人「ふむ、それもそうじゃな」
青 年「どうだろう、酒と肉の礼として、
    少しばかり寿命を延ばしてやっては?」
老 人「ふむう。しかし延ばす分をどこから削る?
    以前、寿命を削った女が死んだ時は、
    大目玉を食らったではないか」
青 年「ああ、あの時か。
    適当に減らして失敗したんだったな」
老 人「あの女は20代で死なせてしまったからな。
    あの二の舞は御免じゃぞ」
青 年「なに、黄祖のこの歳ならばそんなことはない。
    10年程度いじれば十分だろう。
    それくらいなら、バレはしないはずだ」
老 人「ふむう、そう言われるとそうかものう。
    ならば適当に選んで……。
    ちょいちょい、と。これでよし」
黄 祖「……さっきから何やっとるんじゃ。
    さっぱり訳が分からん」
青 年「お主が長生きできるようにしただけだ。
    なに、酒と肉の礼だと思えばよい」
黄 祖「はあ……?」
青 年「では行くか、北斗」
老 人「うむ。黄祖、我らのことは他言無用だぞ。
    話せばお主に天罰が下るだろう」
黄 祖「へ? 天罰って……」

二人はそのまま歩いていくと、
姿をいきなり二羽の鶴に変え、空へ飛んでいった。

黄 祖「……な、なんじゃ、なんなんじゃあー!?」

目の前の出来事を理解できず、黄祖は混乱する。
しかし、老人の『話せば天罰が下る』という言葉だけは
しっかりと胸に刻み、死ぬまで人に話すことはなかった。

この老人と青年。この二人こそ、
金旋が会いに来たはずの北斗と南斗であったのだ。

    ☆☆☆

さて。黄祖が北斗・南斗と遭遇していたその時。
金旋はまだ一人で彷徨っていた。

金 旋「ううむ。風景を見るに、
   ここらへんにいてもよさそうなのだが……。
   まだ先なのだろうか」

それらしい人影を探して歩いていくが、
北斗と南斗は見つからない。
とうとう歩き疲れた金旋は、足を止め
腰を下ろして一休みするのだった。

金 旋「……うぬぬ、このまま見つけないまま
   帰るわけにはいかんし……。
   いそうな雰囲気はあるのだが」

確かにいる。ただし、黄祖のところに。

一休みして、また歩き出そうとした時。
金旋の頭上に、いきなり黒い『円』が現れた。

金 旋「え?」

金旋がそれを見上げる前に、その円から何か現れた。
その物体は金旋の頭上に降ってきて……。

金 旋「ぐわっ」

押し倒されるような形で倒れる金旋。
頭をしたたかに打って、気が遠くなる。

 『ひ、人だ! 潰しちゃったよ!』
 『何やってるんだい、ちゃんと注意して降りてよ』

気を失う直前、そのような会話が聞こえていたが、
金旋の意識はそこで途絶えた。

    ☆☆☆

金 旋「う、うーん」

どれくらい経ったのか判らなかったが、
金旋は頭を振って起き上がった。

 『あ、目が覚めたみたいだ』
 『良かったー。
  僕のせいで人が死んじゃうのかと思った』

すぐそばで、そんな会話がされている。
ぼやける目をしばしばさせ、金旋は
声のする方を向いた。

  北斗   南斗

金 旋「……誰? というか、何?」
青 狸「何って失礼な人だなあ。
    えーと、ぼくド……」
少 年「わー! 待って待って!」

青いタヌキのような方が自己紹介しようとしたのを、
眼鏡をかけた少年が慌てて制した。

少 年「(歴史に影響与えるかもしれないから、
    昔の人に名前を教えちゃダメって言ったの、
    ドラ●もんだろ?)」
青 狸「(あーゴメンゴメン。忘れてた)」

金 旋「ぼくど……? もしや、貴方が北斗か!?」
青 狸「ほくと……う、うん!
    僕の名前は北斗って言うんだ」
金 旋「で、では、貴方が南斗ですな!」
少 年「え、ええっ!?」
青 狸「(うんと言うんだ、ここは何とか誤魔化そう)」
少 年「……う、うん、僕が南斗だよ」
金 旋「そ、そうか。ようやく会えたぞ。
    ……しかし、碁は打ってないんだな」
青 狸「碁!? い、いや、今日は止めとこうかなと」
金 旋「そうか……。段取りと全然違うが……。
    ええい、こうなったら拝み倒すのみ!
    頼みます! 寿命を延ばしてくだされ!」
青 狸「じゅ、寿命?」
少 年「(どうするんだよドラ●もん。
    なんかものすごいこと頼まれてるよ?)」
青 狸「うーん……何か深刻な病気でも?」
金 旋「それが……。
    とても特殊な痔で、治せないと言われた」
青 狸「ぢ? お尻から血の出るアレだね。
    じゃ、ちょっと待ってて……(ごそごそ)
    『全自動お医者さんロボ』!!

 パカパカパーン!!

金 旋「い、今の音は何だ!?」
青 狸「それは言わない約束なんだよ。
    では、これを動かして……と」

  全自動お医者さんロボ
  ウィーン

金 旋「な、なんだこの鉄の人形は……?
    何か、生きてるような動きを……」
鉄人形「カンブヲダシテクダサイ」
金 旋「しゃ、喋った!?
     しかも、本当に動いている!?」
鉄人形「ダサナイナラ強制執行シマス」
金 旋「な、なにが起こって……うわあっ!?」

混乱していた金旋は、その鉄の人形に抑えこまれ、
しばらく、冷たい鉄の指で患部の触診をされた。
それはもう、丁寧にじっくりたっぷり。

金 旋「…………」(脱力&放心)
少 年「痔を診てもらうってあんな風にやるんだあ」
青 狸「さてさて、診断結果は……と。
    ふむふむ、確かに特殊だけど治せなくはないね。
    それじゃ、ごそごそ……。
    『スーパーボラギノールダッシュターボ
    typeRスペシャルエディション』!!

 パカパカパーン!!

少 年「長い名前……それが薬なの?」
青 狸「そう。これを使えばどんな痔も一発さ!
    さあ、これを使って治療して」
鉄人形「ワカリマシタ。デハ、ヌリマス」
金 旋「えっ!? ま、まだやるの!?」
鉄人形「ジットシテテクダサイ……イキマスヨ」
金 旋「や、やめ、やめてく……あふん」

患部に薬を丹念に塗りこまれていく。
その不快とも快感ともつかぬ感触に、
金旋の意識は飛んだ。

鉄人形「オワリマシタ。チリョウ、カンリョウ」
青 狸「じゃ、しまって、と。(しゅううん)
    はい、終わったよー。起きていいよー」
金 旋「ううっ……もうお婿に行けない」
少 年「……なんか、精神的大ダメージを受けてるよ」
青 狸「今だけでしょ。とにかくこれで、痔は治った。
    他は健康体で悪いところはないみたいだし、
    これならかなり長生きできるはずだよ」
金 旋「なんか複雑な気持ちだが……。
    とにかく、ありがとうございます」
青 狸「別に気にしないで。
    いきなり頭の上に落ちちゃったのび……
    ……南斗の罪ほろぼしだと思ってよ」
少 年「うん、ごめんなさい」
金 旋「いえ、こちらこそ恐縮です」

そんなあいさつを済ますと、北斗と南斗は、
頭に風車のようなものをつけ、空に飛び上がった。

青 狸「じゃ、さよならー。
    僕らのことは秘密にしてねー」
少 年「お元気でー」

金 旋「……おお、すごい。空を飛ぶとは。
    仙術のようなものなのか……」

そのまま二人は、飛び去っていった。
『さあ、三国志の世界を探検だー』などと聞こえたが、
金旋にはその意味は判らなかった。

こうして、金旋の寿命は延びた(?)のだった。

金 旋「おう、黄祖。どうした?
    鳩が豆鉄砲食らったような顔してるぞ」
黄 祖「い、いや、なんでもないぞい。
    ワシャ何も見とらん聞いとらん」
金 旋「変な奴だな……。まあいい。
    とりあえず用も済んだし、山を降りるぞ」

金旋は、黄祖と合流し、山を降りる。
彼らが山に入ってから降りるまで、
半日も経ってないはずだった。
しかし下山して桂陽に戻ってみると、
実は2ヶ月近くも日が過ぎていたのであった。

金 旋「不思議なこともあるもんだ……」

南山が特殊な場所なのか。はたまた誰かの都合か。
それは金旋には判らなかった。

何はともあれ、目的を達した金旋。
これで心置きなく、戦いに身を投じることができる。

決意を新たに、彼は洛陽へと戻っていった。

次回に続く。

[第七十八章へ戻る<]  [三国志TOP]  [>第八十〇章へ進む]