215年2月
金旋は、城塞建設のために司馬懿隊を河南に派遣。
また、護衛に魏延隊をつけた。
そして許昌を費偉などに任せ、
自らも兵を率いて穎川城塞に移った。
金旋
下町娘
金 旋「司馬懿が河南に城塞を作ったら、また移動だ。
すぐに行けるように用意しとけー」
下町娘「はぁーいぃー」
金 旋「……なんか不満顔だな、町娘君」
下町娘「後方にいるよりも前線の方に居たいってのは、
まあ、わかるんですけどね」
金 旋「うむ?」
下町娘「でも、別に河南城塞ができるまでは、
許昌でゆっくりしてたっていいじゃないですかー。
こう慌しく出て来なくても……」
金 旋「確かに、許昌は活気もあっていい都市だ。
一時期は都として動いていただけのことはある」
下町娘「ですよねー。美味しいものもけっこうあったのにぃー」
金 旋「しかし、あの都は曹操が作り上げた都だ。
その色に自らをあまり染めたくない」
下町娘「はあ。それよりもまず、
白髪染めた方がいいと思いますけど」
金 旋「な、なぬっ? 白髪出てるか?」
下町娘「目立ちませんけど、それなりに出てきてますね」
金 旋「歳には勝てんなぁ……ふう。
あ、別に、嫌ならこっちに来てることはないぞ?
しばらく許昌にいても……」
下町娘「い、いえいえっ!
別に文句があるわけじゃないんですっ!
だから降格だけはぁぁぁぁ!」
金 旋「いや、そんな泣き叫ばんでも。降格でもないし。
別に少しの間、許昌で内政でもやってもらうだけだぞ」
下町娘「いえっ! 私は常に金旋様と共にあり!
過去フェードアウトした方々のようにはなりたくないので!」
金 旋「さよか。じゃあ茶でも淹れてもらおうかな」
下町娘「はぁーい、ただいまー」
金 旋「さて、河南の情勢は大丈夫かな……?」
☆☆☆
時間は少し遡り、金旋が許昌を出たあたりの頃。
河南の地で、城塞建設の司馬懿隊を護衛する魏延隊3万5千、
それを目標に出撃してきた曹操軍張遼隊2万5千が激突。
双方ともに鋒矢陣(騎馬陣形、攻撃重視型)を採り、
前衛には魏延隊が鞏恋・金目鯛・魏延、張遼隊が
許猪・李典・張遼と甲乙つけ難い陣容同士であった。
1万の兵の差も、これだけの将が揃っていれば、
少々有利になる程度である。
この戦いの流れを決めたのは、将の武勇であった。
許猪
許 猪「おおう、誰か俺の槍を受けられる者はおらんかあ!」
許猪が槍を振り回し、しきりに挑発する。
兵が数名打ちかかるが、全て一合のもとに斬って捨てられた。
許 猪「どうしたあ、勢力は大きくなったのに、
将は怖がりになっちまったかあ?」
魏延
金目鯛
魏 延「ぬうっ、言わせておけば!」
金目鯛「待ちな、魏延どの。
大将は軽率には動かねえもんだ」
魏 延「む……しかし」
金目鯛「親父にそこらへん欠けてるって言われたんだろ。
まずは俺が行ってくる。
それで負けたら、その時に出てきてく……」
しかし金目鯛が出ていくよりも早く、
一筋の疾風が許猪の前に現れた。
鞏恋
鞏 恋「お久しぶり」
許 猪「むむう……あんたかあ」
鞏 恋「一騎討ちしたいのなら、受けて立つよ」
許 猪「女とはやりたくはねえけど、
そうも言ってられねえみてえだなあ……」
鞏 恋「いざ……勝負!」
金目鯛「ありゃ。先越された」
魏 延「鞏恋……大丈夫なのだろうか?
前に、夏侯淵に負けて捕まっただろう」
金目鯛「さあ……気合は入ってるようだが。
しかし、あの向こうっ気の強さはすげえな。
親とはえらい違いだ」
魏 延「うむ。あまり嫁にはしたくないタイプだ」
金目鯛「魏光も大変だよな」
そんなやり取りをよそに、二人の将の一騎討ちが始まる。
鞏恋:武力94 VS 許猪:武力96
(※武器補正込)
どうもやりにくそうな許猪に、渾身の槍を叩きつける鞏恋。
彼女は、馬超・夏侯淵と、二度連続で一騎討ちに負けている。
汚名返上の機会とばかりに、次々に攻撃を繰り出していく。
許 猪「くっ……は、速い」
見た目ほど鈍くはない許猪ではあったが、
気合の乗ったその槍に、防戦一方となった。
これではいかんと、許猪はなんとか反撃しようと試みる。
しかし、そこに一瞬の隙が生まれた。
鞏 恋「ハァァァァッ!」
鞏恋の渾身の一撃。
その一撃は、許猪の胴を横薙ぎに切り裂いた。
……と、思われたが。
あまりにも踏み込みすぎたため、
柄の部分で許猪の腹を叩いただけであった。
しかしながら、フルスイングで腹を叩かれた許猪は、
悶絶して落馬してしまう。
許 猪「うう……朝飯を戻しちまうよお……」
鞏 恋「エチケット袋は忘れずにね」
曹操軍トップクラスの武勇を誇る許猪を倒した鞏恋。
その彼女の武に、魏延隊は沸いた。
特に約一名、尋常じゃない喜び方をした男がいた。
魏光
金玉昼
魏 光「うおおおおおっ!
いやあっ……
……(かなりの間)……
……ったぁあぁぁあああっ!
……ゲホッ! ゴホゲホガフッ!」
金玉昼「そんなむせるほどやらなくても……」
鞏恋は額の汗を拭うと、幾分表情を崩し、
歓声に沸く兵たちに手を振る。
だが、新たな将が彼女の前に現れた。
張遼
張 遼「我が名は張遼!
許猪の次は、この私が相手する!」
鞏 恋「……ん。受けて立つよ」
張 遼「許猪との一戦で体力を失っているようだが、
遠慮はしないぞ。……覚悟!」
魏 延「張遼!? 敵の大将ではないか!」
金目鯛「ふーむ、こういうこともあるんだな。
前にも大将の張哈が出てきたりしたし」
魏 延「ええい、ならば私が出る!」
金目鯛「ダメだって、鞏恋がまだ頑張っている」
魏 延「むむむ……」
張 遼「いくぞ! 我が偃月刀を受けるがよい!」
鞏 恋「私は……負けない!」
鞏恋:武力94 VS 張遼:武力92
(※武器補正込)
許猪との戦いで体力を使い、息がまだ整わない鞏恋。
対して、万全の状態で望んでいる張遼……。
この勝負は、張遼の方に分があると思われた。
だが……。
鞏 恋「ヤアッ!」
張 遼「ぐっ……油断したかっ!」
鞏恋が神速の突きを放ち先制する。
その一撃は張遼の脇腹を掠め、鮮血を散らした。
金目鯛「おおっ! 一撃を与えたぞ!」
魏 延「最初の一撃に賭けていたか。
これで張遼も本領は発揮できまい。
互角以上の戦いができるな」
魏延の言葉通り、その後は終始鞏恋のペースで進む。
張遼も反撃するが、動きに本来の鋭さがなく、
鞏恋に有効な攻撃を与えることができない。
張 遼「ぬうっ、これでは……」
鞏 恋「たあああっ!」
鞏恋の槍が張遼の偃月刀を飛ばし、
馬から叩き落としたところで勝負はついた。
鞏恋は弾む息の中、張遼に槍の先を突き付けて言った。
鞏 恋「これで、勝負、あったね」
張 遼「くっ……最初さえかわしておれば……」
金目鯛「曹軍の勇将相手に連勝か。なかなかやるな」
魏 延「これで隊の士気は最高潮だが……むっ」
魏延の注視した先には、新たに鞏恋に挑む将の姿が。
李典
李 典「我は李典! いざ勝負!」
鞏 恋「くっ……」
魏 光「ちょ、ちょっと! あれは卑怯では!?
いくらなんでも3戦は辛いだろうに!」
金玉昼「一応システム的には有りだからにゃぁ……。
私たちは頑張って応援するしかないにゃ」
魏 光「そ、そんな……。くっ……。
きょ、鞏恋さあああん! がんばれぇぇぇ!
える! おー! ぶい! いー!
らぶりー鞏恋!」
金玉昼「やっかましいにゃ!」
魏 光「そ、そんなぁ〜」
などとやっているうちに、李典が鞏恋に斬りかかった。
鞏恋:武力94 VS 李典:武力80
(※武器補正込)
武力では鞏恋の方が断然有利である。
しかし、二戦も一騎討ちを行った彼女の体力は、
すでに尽きかけていた。
李典としては消耗戦にもっていきたいところである。
李 典「まずはこれを受けよ! 李典戟!」
鞏 恋「はっ……」
戟の切っ先が、鞏恋の顔を目掛け突き出された。
鞏恋は、体力の消耗を避けようと、
最小限の動きでそれをかわす。
李典のその攻撃は、許猪や張遼と比べれば、
まだまだ甘かった。
しかし鞏恋がそれをかわした瞬間、戟の柄からジャキン、
と小さな刃が現れ、彼女の頬を掠めた。
鞏 恋「……仕込み刃」
李 典「その通り! しかし少し刃が小さ過ぎたな。
これは改良の余地があるか」
鞏 恋「くっ、怪しい武器を使う……?」
李 典「では次の武器を試してみようか!
李典鞭を食らえ!」
ひゅっ……と鞭が放たれ、鞏恋に打ちかかる。
それを鞏恋は槍で叩き落とそうとする。
……だが、鞭はそのまま槍に絡まり、
巻きついてしまった。
李 典「それ!」
鞏 恋「あっ……」
李典はそのまま引っ張り、鞏恋の槍を取り上げる。
李 典「どうだ、形状記憶型の素材を利用し、
なおかつ先端に強力接着剤を使用したこの鞭!
体に巻き付けて自由を奪うつもりであったが、
これはこれでよしとせねばな」
魏 光「あの李典とかいう将、何気に強い!?」
金玉昼「蒼天航路準拠タイプのようにゃ。
学問と称して怪しい武器の研究をしてる人だにゃ。
まだまだ、新しい武器が出てくるはずだにゃ」
魏 光「鞏恋さん……。
槍を取られて、どうやって戦うんだ!?」
鞏 恋「槍がダメなら、剣で……」
李 典「剣を取り出すか……ならば次はこれだ!
李典酸!」
李典は袋から黒い液体を撒き散らす。
その液体は鞏恋の頭上に振り掛かり、剣や鎧に付着した。
その途端、シュウシュウと音を立て、
付着した部分が消失してしまった。
鞏 恋「……剣が」
李 典「どうだ、金属だけを溶かし出す李典酸!
服は溶かさぬからヌードショーにはならぬが、
これで剣は使えなくなったであろう!
さあ、観念しろ!」
鞏 恋「まだ……まだ終わらない!」
魏 延「もう無理だ、助太刀する!」
金目鯛「ダメだ大将!」
魏 延「何ゆえだ!?」
金目鯛「負けてからじゃないと参戦できねえんだよ!
そういうシステムなんだ!」
魏 延「……な、なんとっ」
衝撃の事実に魏延が驚いている時、
李典の新たな攻撃が繰り出された。
李 典「さあ、次はしびれ薬付きの李典針を食らえ!」
鞏 恋「はあっ! やあっ!」
李 典「むむっ……これは上手く避けたな。
ならば、李典鎚!」
鞏 恋「たあっ!」
李 典「うむむ、ちょこまかと……。
李典レーザー! 李典ビーム!」
鞏 恋「はあっ! てやあっ!」
魏 光「上手く避けてはいるけど……。
そろそろ鞏恋さんの体力も尽きてくるはず……。
鞏恋さんはどうする気なのだろう?」
金玉昼「……それより、ビームとかレーザーとかには
突っ込まないのかにゃー」
魏 光「頑張れ鞏恋さん! 爆裂LOVE!」
金玉昼「爆裂ってなんにゃ……」
李 典「はぁはぁ、なかなかすばしこいが……。
しかしこの李典炮ならば、かわすことは無理!
何故なら、この弾が着弾すれば爆発を起こし、
周りにいるだけで巻きこまれるからだ!」
鞏 恋「……っ!」
李 典「はーっはっは! 体力もほとんどあるまい!
もはや、これで年貢の納め時だな!
くーらーえ……って何で弓構えてますか?」
鞏 恋「隙あり」
養由基の弓から放たれた矢は、
寸分違わず李典の持った玉を貫いた。
カッ……
チュドーン
李 典「み、見事なり……。
よくも我が李典炮の弱点を見抜いた……」
鞏 恋「普通気付くって」
鞏恋は黒焦げになった李典を掴むと、
ようやく自陣へと引き揚げた。
鞏恋が曹操軍の将3人を倒したことで、
魏延隊の将兵は最高潮に沸き返った。
魏 延「よし、この勢いを持って張遼隊を殲滅せよ!」
金目鯛「よおし、俺も負けてられん!」
鞏恋の活躍に触発されたのか、
金目鯛が奮闘して張遼隊を圧倒する。
だが張遼隊もさるもの、夏侯徳が魏延隊に斬りこみ、
捕まっていた李典を助け出した。
さらに張緝の仕掛けた穴罠にて危機に陥りそうになるが、
これは金玉昼が被害を最小限に抑えた。
☆☆☆
魏延隊と張遼隊が入り乱れ戦っているうちに、
司馬懿隊は河南城塞を完成させた。
司馬懿らはそのまま城塞に入り、設備を稼動させる。
司馬懿
金閣寺
司馬懿「魏延隊のお陰で邪魔の入ることなく、
城塞を完成させることができましたね」
金閣寺「魏延将軍は忠義に篤く武勇も素晴らしい名将です。
敵部隊を抑えるくらい訳ないでしょう」
司馬懿「忠義に篤い? ふふ、ああいう者ほど、
えてしてすっぱり裏切るものですよ」
金閣寺「……将軍!」
司馬懿「……ああ、ごめんなさい。
しかし、彼の将としての力量は確かなのは、
この戦いでよくわかりました。
さて、ではこの城塞からも援護しましょうか。
落石用意!」
司馬懿の号令で、城塞の落石装置が稼動を始めた。
その照準は張遼隊に向けられ、無数の岩石が発射される。
張 遼「落石だと……!
くそっ、城塞は完成したということか」
作戦を達成できないと知るや、すぐに張遼隊は退却。
魏延隊も深追いはせず、河南城塞へと入った。
司馬懿「お疲れ様です。お陰で城塞も無事完成しました」
魏 延「ふん、これくらいは当然だ」
司馬懿「軍師どのも、計略の被害を抑える働き、見事でした」
金玉昼「そんな大したことじゃないにゃ」
司馬懿「ふふふ、ご謙遜を」
魏 延「しかし司馬懿どのも見事な建設の腕だな。
軍をやめて大工の棟梁にでもなったらどうだ?」
司馬懿「ふふふ、それは良いですね。
統一が成ったら考えるとしましょう」
魏 光「……なんか怖いですよ、あの3人」
鞏 恋「気にしない気にしない……。
私らには関係ない」
魏 光「関係ないって言っても……あれ?
鞏恋さん、頬に怪我してますよ」
鞏 恋「心配ない。ちょっとかすっただけ」
魏 光「ダメですって、放っておいては。
ちょっと待ってくださいね、
いい薬があるので……」(ごそごそ)
鞏 恋「いい薬?」
魏 光「これです!
魏家秘伝、ガマのあぶらエクセレント!」
鞏 恋「……いい。要らない」
魏 光「そう言わないで、
ひと塗りですぐ傷が消えますから!」
鞏 恋「い、要らないって」
魏 光「ダメですってー、女の子なんですから傷残しちゃー」
鞏 恋「い、要らないったら要らない!」
こうして金旋軍は河南に城塞を完成させ、
いつでも洛陽を窺える地の利を得たのである。
この後、多数の将兵を河南城塞に送りこみ、
また金旋自らも河南に赴いた。
こうして彼は、本格的に曹操のいる洛陽と対峙。
対決姿勢を鮮明にするのであった。
なお、許猪・張遼・李典を破ったことで、
鞏恋はその武名を上げたわけであるが、
この噂を聞いた父、鞏志は嘆息して言ったという。
鞏志
鞏 志「……婿探しがますます辛くなるなあ。
全く誰に似たんだか……」
☆☆☆
その頃、揚州は秣陵。
呉の孫権は、金旋軍進撃の報を受けていた。
孫権
庖統
孫 権「流石だな、金旋……。
洛陽もそのうち落としてしまうかもな」
庖 統「さて、それはどうでしょう。
曹操軍の底力は、殿も身を以って知っているはず」
孫 権「確かに曹操軍は侮りがたいが……。
だが、我が軍も共に攻めこめば、戦力は分散される」
庖 統「なるほど……。
傍観するのではなく、積極的に介入するおつもりですか」
孫 権「今、曹操軍の兵はかなり減ってきている。
脅かすならこの機を逃す手はない」
庖 統「左様でござるか。
しかし、上手く金旋軍と歩調を合わせねば、
以前のように叩かれますぞ。
金旋軍が我らの考え通りに攻めるとも限りませぬ」
孫 権「むう……しかし、攻めに転じる好機だ。
何か上手い方策はないものか?」
庖 統「ふむ。そう言われても、これといって……」
???「ははははははは!
そういうことならば、我に会心の策あーり!」
孫 権「むっ……誰だ!?」
現れたのは、曹操に新野を追われ軍を失った後、
孫権に身を寄せ配下となっていた劉備であった。
劉備
劉 備「この劉備に、会心の策あり!」
孫 権「……」
庖 統「……」
劉 備「会心の策あり!」
孫 権「……何かないものか?」
庖 統「これといってありませんなあ」
劉 備「き、聞いてくだされぇぇぇぇ」
孫 権「はいはい、何かね劉備どの?」
劉 備「は。この呉に来て六年余……。
この劉玄徳、孫権様に受けし恩をなんとか返さんと、
考えに考え、夜も寝ずに昼寝して考え……」
孫 権「ごたくはよい。会心の策とは?」
劉 備「は。私も元君主。
外交に関してはいろいろ知識があります。
こたびは、反曹操連合を呼び掛けるべきかと」
孫 権「反曹操連合……?
しかしそれでは、金旋が盟主になってしまうぞ。
現在の信望は、残念だが奴の方が上だ」
劉 備「それでよいのです。
盟主に祭り上げられ、金旋は積極的に侵攻を繰り返し、
また曹操の矛先も主に金旋に向けられましょう」
庖 統「ふむ……それに、連合に馬騰も抱きこめれば、
曹操の防衛線をさらに広げさせることになる……。
策としてみれば、これは確かに会心の策」
劉 備「まあ、一時は信望一位だった殿にしてみれば、
金旋を盟主と仰ぐのは複雑なものがありましょうが」
孫 権「いや……よい。
名を捨て実を取る策ということだろう。
軍師、そして劉備どの。策を実行に移してくれ。
金旋を盟主に反曹操連合を作り上げ、
そして曹操軍を打ち破るのだ!」
庖 統「はっ」
劉 備「承知いたしました」
劉備の提案から、孫権軍内部で密かに
反曹操連合結成の工作が行われ始めた。
孫権軍の思惑通り、事が運ぶのであろうか?
そして金旋の選択は……。
次回に続く。
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