○ 第六十〇章 「新たなる面々、類は友を呼ぶ」 ○ 
214年12月

許昌陥落後。
金旋は許昌に入り、城内の復興に力を注いだ。
またその間、捕虜にした将の登用を試みる。

   金旋金旋   李通李通

金 旋「おう、李通。元気だったか」
李 通「おかげ様でな。矢を受けはしたが、
    あんたを倒すことだけを考えてたお陰で、
    病気には全然ならなかったぞ」
金 旋「ほう、言ってくれる……。
    その分だと、俺に降る気はなさそうだな」
李 通「無論だ。我死すとも、李通の名は死なない。
    必ず第二、第三の李通が現れ、
    お前を苦しめるであろう!」
金 旋「今、いやな想像しちまった……。
    101匹李通大行進……
李 通「匹言うな!」
金 旋「はいはい……。じゃ、お前帰れ」
李 通「は?」
金 旋「とっとと帰れってんだよ。
    脈ナシの奴を養ってなどいられないからな」
李 通「……いや、普通は斬るんじゃないのか?」
金 旋「ん? 斬って欲しいのか?
    お前、もしかして究極マゾ?」
李 通「い、いや……。
    解放してくれるのなら、それに越したことはないが」
金 旋「じゃ、早く帰れ。
    お前に構ってられるほど俺も暇じゃない」
李 通「な、何か納得いかんが……。
    お、覚えてやがれえ!

   下町娘下町娘

下町娘「……見事な捨て台詞でしたね」
金 旋「この先もああ言う役回りになりそうだな」

李通は解放され、汝南へと落ち延びていった。

    ☆☆☆

金旋は続いて、郭淮と会う。

   郭淮郭淮

金 旋「お前が郭淮か」
郭 淮「……は」
金 旋「お前は覚えているか? 湖陽での戦い……。
    俺はお前のお陰で死にかけたのだが」
郭 淮「忘れもしません。
    あの時に仕留めてさえおれば、
    私がここでひざまずくこともなかった」
金 旋「ふむ。しかし物は考えようだぞ。
    あの時に仕留めずにいたお陰で、
    俺に仕えることができるのだからな」
郭 淮「……本気で言っておられるのですか?」
金 旋「けっこう本気で言ってるのだが。
    お前は我が軍に来た方がいいぞ」
郭 淮「……そう思う理由をお聞かせください」
金 旋「今、曹操軍の中枢を占めるのは、
    曹氏・夏侯氏の親族将軍、張遼や徐晃などの重鎮、
    そして関羽など天下に名が轟く将たちだ。
    この間に入り込むのは、なかなか難しいだろうな」
郭 淮「……よく見ておられる。
    しかしそれは金旋軍も同じこと。
    甘寧、魏延、韓遂、楽進など、
    名だたる将が名を連ねております」
金 旋「確かに優秀な奴らではあるがな。
    お前が我が軍に来るなら、魏延や甘寧と同列にする」
郭 淮「え……?」
金 旋「働き次第では、その上も十分ありうる。
    ……俺は、それだけお前の実力を買っている。
    冷静で戦局をよく見渡せる戦略眼……。
    我が軍に足りないものを、お前は持っているからだ」
郭 淮「そのような……。そのような、
    甘い言葉には、私は惑わされません」
金 旋「すぐに結論を出す必要はない。
    俺の言葉が偽りかどうか、考えてみるのだな」
郭 淮「……は」

郭淮はまた獄に戻された。
そこで郭淮は一人、自問自答する。

郭 淮「……金旋どののあの言葉は本当だ。
    私の能力を十分過ぎるほど買ってくれている。
    曹操様では、ここまでの言葉は掛けてくれなかった。
    だが、今更曹操軍を裏切るわけには……。
    ああ、私は一体どうすればいいのだ」
???ふふふ……随分とお悩みのようね
郭 淮「……だ、誰だ?」

   Masked Sphere
    ババーン

???「私は、仮面軍師マスクドスフィア……」
郭 淮「マスクドスフィア!?」
スフィ「あなたの気持ちは大体分かったわ。
    曹操軍よりも金旋軍の方に魅力を感じてきている。
    しかし、裏切り行為だと後ろ指を指されたくはない。
    ……こんなところでしょう」
郭 淮「そ、その通りだ……。金旋軍に入りたい。
    しかし私は、裏切るという行為を
    どうしても受け入れられない……」
スフィ「ふっ、それならば話は早い。
    裏切ることなく、金旋軍に入る方法がある」
郭 淮「な、何だって……そんなことが可能なのか?」
スフィ「そう、その方法は……郭淮という将が死ぬこと」
郭 淮「し、死ぬ?」
スフィ「その上で郭淮ではない将が金旋軍に入る。
    そうなれば、それは全く裏切りではなくなる……」
郭 淮「そうか……その手があったか!」
スフィ「入り用の物があれば、軍師金玉昼に相談せよ。
    彼女ならば何でも用意してくれよう」
郭 淮「感謝する、マスクドスフィア殿……。
    しかし貴女は一体、何者なのだ?」
スフィ「フ……私は仮面軍師マスクドスフィア。
    救いを求める者に知恵を授ける存在……。
    とおっ!
郭 淮「おおっ!? と、飛んだ!?」

マスクドスフィアがジャンプしたかと思うと、
その姿は階段の上へと消えていった。

その姿が一瞬で空中に消えていったことを考えれば、
彼女の胴に紐が巻かれていたことなど些細なことでしかない。
例え、その後で『いったぁ〜、頭打ったにゃ〜』
という声が聞こえてきたとしても、だ。

郭 淮「仮面軍師マスクドスフィア……。一体何者なのだ?」

翌日。
政務を執っていた金旋の元に、金玉昼が訪れた。

   金玉昼金玉昼

金玉昼「ちちうえ、お知らせが二つありまひる。
    いいニュースと悪いニュースにゃ」
金 旋「じゃ、悪いニュースから聞こうか」
金玉昼「獄にいた郭淮が自ら命を絶ったにゃ」
金 旋「なにっ!? バカな、牢番は何をやっていた!」
金玉昼「落ち着くにゃ、ちちうえ……。
    郭淮は死ぬ前に、こう言っていたにゃ。
    『金旋軍に入りたい……。
    しかし、曹操軍を裏切るわけにはいかない』と」
金 旋「死んでしまったら、どう思っていても意味がない!
    あの男はどうしても我が軍に欲しかったのに……」
金玉昼「ま、その言葉を踏まえたうえで、
    ちちうえに会って欲しい人がいるにゃ」
金 旋「ん? 会って欲しい人?」
金玉昼「その人が、我が軍に入りたいと言ってまひる。
    それが、さっき言った『いいニュース』にゃ。
    じゃ、入ってくださいにゃー!」

   郭淮
    ババーン

金 旋「……」
???「お初にお目にかかるっ!
    私は武将刑事カクワイダー!
    この中華を守るために遣わされた男です!」
金 旋「おい……何の冗談だ、郭淮」
???「か、郭淮? だ、誰ですかそれは!?
    私の名は武将刑事カクワイダー!
    そんな郭淮などという男は知りませぬ!」
金 旋「はあ? ……おい、玉。どういうことだ」
金玉昼「郭淮という男が自ら命を絶ち、
    カクワイダーという将が金旋軍に入ろうとしていまひる。
    それだけのことにゃ」
金 旋「ああ……そうか。
    忠義の士、郭淮は曹操軍を裏切れなかった、
    とそういうことか。なるほどなるほど……。
    でも、なんで仮面なんだ?」
金玉昼「素性を隠すなら仮面が一番手っ取り早いし。
    あと、恩人が仮面をしてたからというのもあるって」
金 旋「恩人? 誰だ?」
金玉昼「さ、さあ……誰かにゃー」
カクワ「迷える私に救いの策を与えてくれた恩人です。
    私もあの方のように颯爽と生きてみたい……。
    そのような理由から、この仮面を被っているのです」
金 旋「確かに、素顔の郭淮では少々地味だからな……」
カクワ「か、かかか郭淮などではありませぬ!
    私の名は武将刑事カクワイダー!」
金 旋「あー、わかったわかった、カクワイダー……」
金玉昼「とにかく、カクワイダーさんを軍に入れるかどうか、
    決めてほしいのにゃ」
金 旋「……ここまでしてるのに、断るわけないだろう。
    カクワイダー! しっかり励め!」
カクワ「はっ!」
金 旋「……とはいえ、名前が紛らわしいな……。
    そうだ、こうしよう。
    カクワイダー、お前はこれから郭淮な」
カクワ「か、郭淮ではありません!
    私の名はカクワイダー、中華の……」
金 旋「はいはい、それは分かってるから。
    カクワイダーを省略して、郭淮。ただそれだけだ。
    便宜上、呼称をそうするってだけだから。
    お前の本質が変わるわけではない」
郭 淮「は、はあ……。
    そうおっしゃられるのでしたら……」
金 旋「しっかし、また奇抜なのが増えたなあ……。
    まあ見た目はアレだが、中身は郭淮だし……」
郭 淮私は武将刑事カクワイダーです!
金 旋「はいはい、わかってますよ。
    なんでウチの将はこう、おかしな感じになるのかね」
金玉昼「類友……」
金 旋「……なんか言ったか?」
金玉昼「うんうー。何でもないにゃー」

武将刑事カクワイダーが配下に加わった。
決して郭淮などではない。呼称は郭淮だが。

    ☆☆☆

さて、郭淮を登用していたその一方……。
同じく捕らえられている髭髯龍のところに、
金旋の命を受けた韓遂が訪れていた。

   韓遂韓遂   髭髯龍髭髯龍

韓 遂「貴殿のその力、我が殿のために貸してほしい」
髭髯龍「……断る」
韓 遂「別に、曹操に忠義を感じているわけではなかろう?
    貴殿らの元々の主君は髭親父どのだ。
    それを滅ぼした曹操に何の義理がある」
髭髯龍「確かに、曹操に仕えるのはかなりの苦痛であった。
    それに引き換え、金旋様は素晴らしい君主らしいな」
韓 遂「それなのに、何故に断るのだ?」
髭髯龍「……いるのだ」
韓 遂「……いる? 何が?」
髭髯龍「曹操軍には、髭の神がいらっしゃるのだ。
    いや、神の御遣いと言うべきか……。
    そのお方が曹操軍にい続ける限りは、
    私は、裏切ることはできぬのだ」
韓 遂「その者の名は?」
髭髯龍「関羽、字を雲長という方だ。
    あの見事な髭、髭の神の祝福なくしてああはならぬ」
韓 遂「……あー」
髭髯龍「我は髭の神にこの身を捧げし者……。
    どんなに辛くとも、髭の神を裏切るわけにはいかぬ」
韓 遂「……そうか、よくわかった。
    だが、貴殿はまだ知らないようだな……」
髭髯龍「知らない? 何をか?」
韓 遂「いや……知らぬ方がまだ幸せか。
    すまんな、今言ったことは忘れてくれい」
髭髯龍「そ、そのようなことを言われては、忘れられぬ!
    なんなのだ、教えてくだされい!」
韓 遂「そうか、どうしてもというならば仕方がない。
    実はな……関羽のことなのだが」
髭髯龍「関羽どのがどうされたのだ!?」

韓 遂「関羽の髭な……。
    付け髭なのだよ

髭髯龍「なっ……なんと!?」
韓 遂「驚くのも無理はない……。
    美髯公と呼ばれる男の髭が付け髭だ、
    などと誰も信じぬからな。だが、これは事実だ」
髭髯龍「し、信じられぬ!
    あの立派な髭が、付け髭などと!」
韓 遂「だが、付け髭である証拠に……。
    奴の髭には、クセがひとつもない」
髭髯龍「……!」
韓 遂「ふむ、関羽と同じような髭を持つ御身だ……。
    よくわかっているようだな。
    そう、髭というものは髪の毛とは違い、
    どうしてもクセ、つまりウェーブが出てくるものだ。
    だが奴の髭はそれがない!
    そう、完全にストレートなのだ!」
髭髯龍「た、確かにそうだ……。
    まるで髪の毛のように真っ直ぐな髭だ。
    だからこそ他にはいない、
    実に素晴らしい髭だと思っていたのだが」
韓 遂「あれは自分の髪の毛を付け髭にしているのだ。
    この行為、髭の神がいるならば何と思うだろうな?」
髭髯龍「ゆ、許せん……!
    変な形の髭よりも許せん!
    髭の神を否定、いや冒涜する行為だ!
    いやそればかりではない! あまつさえ、
    我ら義兄弟をその付け髭で篭絡しおって!」
韓 遂「(篭絡なんぞ、いつしたのだろうか……?)
    そ、そういうわけだ。
    ここは金旋軍に入り、関羽と戦うべきではないか?」
髭髯龍「承知致した! 待っておれ関羽め!
    奴の付け髭、いつか我がひん剥いてくれよう!」

韓 遂「……というわけで、髭髯龍を登用しました」
金 旋「ん、ご苦労さん。
    同様のやり方で髭髯鳳、髭髯豹も頼む」
韓 遂「はっ……しかし殿も人が悪いですな。
    あのようなデマを吹き込んで、寝返らせようとは」
金 旋「なに、バレはしないさ。
    実際に関羽を捕まえ、その髭をひん剥かない限り、
    彼らは我が軍にい続けるだろうよ」
韓 遂「……はあ、しかし万が一、
    関羽が我が軍に来ることがあったりしたら……」
金 旋「その時はまた関羽に髭の神になってもらえばいい。
    臨機応変にやらねばな」

髭髯龍、髭髯豹、髭髯鳳が配下に加わった。

    ☆☆☆

曹操軍五大将筆頭の于禁。
その彼も、捕らえられ許昌の獄に繋がれていた。
そこへ、旧知の楽進が会いに来る。

   楽進楽進    于禁于禁

楽 進「おう、于禁」
于 禁「楽進か。獄に繋がれた男を笑いに来たのか?」
楽 進「いや、そうではない。お主を諭すために来た」
于 禁「諭す? これは可笑しい。
    金旋軍に勧誘することが諭すことになるのか」
楽 進「内容まで判っているならば、話は早い。
    于禁、お主も金旋軍に加われ。
    時節を診るに敏なお主であれば、
    金旋軍の日の出の勢いは充分判るであろう」
于 禁「ふん……。可笑しなものだな。
    忠節一直線のお前から聞く言葉ではない。
    いや、それ以前に、お前が裏切ったことから
    すでに判らないのだ」
楽 進「私も武人だ。私は私を知る者のために死にたい。
    寝返ったのではなく、その対象が、
    曹操どのから金旋さまになっただけだ。
    金旋さまは将たる者の将として長けておられる。
    つまり私という将を的確に使い分ける将なのだ」
于 禁「……お前は何が言いたい?」
楽 進「お前も齢50を過ぎただろう。
    もう一花咲かせてみようとは思わぬか?
    曹操軍でのお前はすでに難しい立場であろう」
于 禁「確かにな……。
    五大将筆頭などと持ち上げられてはいたが、
    夏侯氏や張遼、徐晃などに上に行かれ、
    関羽や張飛などにも働き場を奪われる始末。
    ……もう一花、か」
楽 進「なにより、私はお前を敵にしたくはない……」
于 禁「ふ、士は己を知る者のために死す、か。
    予譲の言葉であったか……」
楽 進「于禁?」
于 禁「私も己を知る者のために死ぬとしよう。
    楽進、お前のためにな」
楽 進「于禁!? お、お主……」
于 禁「そういうことだ」
楽 進お主、ホモだったのか!?

于 禁違うわあっ!

于禁が配下に加わった。

    ☆☆☆

下町娘「ご報告ですー。夏侯淵が脱走しました」
金 旋「そうか……。まあ逃げたいなら逃がしとけ」
下町娘「そんなあっさりと……いいんですか?
     曹洪、張哈も逃げちゃったじゃないですか」
金 旋「構わないって。いずれも曹操軍の宿将だ。
     こっちに寝返るなんて思ってもいないよ」
下町娘「あっさりしてますねえ」
金 旋「プラス思考さ。そいつらを登用できなくとも、
    郭淮や于禁などの有能な将を獲得できたからな」

こうして、金旋は12月中は捕虜の登用を進め、
于禁・郭淮・髭髯豹・髭髯鳳・髭髯龍・
秦朗・簡雍・糜竺・郭奕など、
そうそうたる者たちを配下に加えたのであった。

なお荀域は、曹操が返還要求をしてきたため、
倚天の剣と交換で返した。
その後、同じく毛介も返還している。
下町娘「でも私だったら、倚天の剣なんかより
    荀域さんを選びますけどねえ」
金 旋「応じてくれるんならそれでもよかったが……。
    彼は曹操の股肱の臣だからな。
    それなら何か貰った方がいい」
下町娘「そんなものですか」
金 旋「それに、荀域以上の人材を取れたら、
    別に問題はないだろう?」
下町娘「荀域さん以上の人材……?
    いるんですか、そんな人?」
金 旋「まあな……司馬仲達。
    司馬の八達と呼ばれる司馬氏兄弟の中でも
    一番のキレ者だ」
下町娘「ああ、いましたね。登用できたんですか?
    取らぬ狸の……とか言うじゃないですか」
金 旋「それは抜かりはない。
    今旬の劉曄の説得で快く返事を貰ったぞ。
    今日、挨拶に来ることになってるはずだ」
下町娘「そうですか〜。どんな人でしたっけ?」
金 旋「そうだな、捕虜になったときチラッとしか見てないが、
    けっこうコワモテの顔だったような。
    表情があんまり分からないタイプだな」

司馬懿「失礼致します。司馬懿、参りました」

金 旋「おう、噂をすれば。
    この度はよく登用に応じて……えっ?」
下町娘「……ええっ!?」


   司馬懿司馬懿
    バーン

司馬懿「……何か、私の顔についてますでしょうか」
金 旋「お主、あのときの巫女ではないか?」
下町娘「そうですよ! 金旋さまを騙して出撃させた……」
司馬懿「はい、あの時の巫女は私です。
    ……苦心した私の占卜誘連の策。
    それを転じて自らの策となされた閣下の手際、
    見事でございました」
金 旋「あ、ああ……お主、本当に司馬懿か?」
司馬懿「お疑いでしょうか? ならば……」

 ごそごそ

  司馬懿司馬懿
    べーン

金 旋「おおっ……マスクをつけたら男の司馬懿に!?」
司馬懿「女の身では何かと不便でしたゆえ、
    こうして男の姿をしておりました」

 ごそごそ(←マスクを脱いだ)

金 旋「……ふむ、確かに中身は女だな。
    なるほど、司馬懿という人物は女であったのか。
    しかしそれならば、ここで女であることを明かすのも、
    お主のためにならんのではないか?」
司馬懿「いえ……金旋軍ならば、男女の区別なく
    才により働く場を得られる……。
    そう思いました故、あえて正体を明かしました」
金 旋「ふむ、なるほど……。
    確かに、我が軍には女の将も多いからな」
司馬懿「それに正直、このマスクは蒸れます故……」
下町娘「あー。夏は注意してないとかぶれそうですねえ」
司馬懿「閣下ならば、私を色眼鏡なく活かして下さると
    信じております。どうか私の才、存分にお使いください」
金 旋「そこまで言われては、俺としてもそれに応えねばな。
    いずれお主に相応しいポストを用意しよう。
    楽しみにしておれ」
司馬懿「ははっ……」

司馬懿が配下に加わった。

なお、孫権軍より曹操軍に捕らえられた留賛・厳峻を、
金玉昼・費偉の両名で登用。
こうして新たな将たちを迎えた金旋軍は、新たな年を迎える。

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