○ 第三章 「韓浩 曹軍ヲ出奔シ自ラ旗揚ゲス」 ○ 

■199年1月 <太守は君だ!>

韓浩「曹操様、今日のお呼び出しは一体……?」
曹操「うん、韓浩ちゃんに是非お願いしたいことがあって」
韓浩「お願い、ですか?」
曹操「そうそう」
韓浩「……(それ、いい加減やめて……)」(;´Д`)
曹操「韓浩ちゃんに、濮陽の太守になって欲しいのよ」
韓浩「えっ……濮陽の太守に」
曹操「呂布ちゃんを倒してから日が浅くて、政情も余り安定してないのよね。
  それに袁紹の領地とも接してるでしょ?
  政治も出来て武もある韓浩ちゃんなら、よく守ってくれると思って」
韓浩「光栄です……しかし、辞退させてください」
曹操「辞退? どうして?」
韓浩「すいません。あまりに唐突ですので……とにかく、お断りさせてください」

荀ケ「どうしたんです、韓浩どの。濮陽の太守には、あなたしかいないと思っていたのに」
韓浩「荀ケどのですか……。曹操様に言った通りですよ。急すぎです」
荀ケ「むむ。しかし、曹操様はあなたを頼りにしておられます。それを忘れませんよう」
韓浩「そうですね。目をかけてくださってるのは有り難いと思いますよ。では、失礼します」

韓浩「いきなり太守になれ、か。ただ仕えているだけなら、喜んで応えただろうけど」
韓浩は大量の手紙を書きながら一人つぶやいた。
手紙は、袁紹の元にいる劉曄、張楊の元にいる李通、曹操の元にいる元呂布配下の
張バク・劉辟・呂威[王黄]、洛陽にいる在野の士の宋憲、といった面々に送るものである。
いずれも現在の君主に対して不満をもっていそうな者たちであった。

■新登録武将紹介
李通 リツウ 武:78 知:44 政:39 魅:65(実在)
鎮威中郎将。汝南を守っていたが、張繍・劉表と戦う曹操の元へ馳せ参じた。
※蒼天航路で出た『万億』とは彼のことです。


■199年2月 <再び請われて、太守となる>

曹操「今日の呼び出しなんだけど……」
韓浩「濮陽の太守の件ですか?」
曹操「うん。どうしても韓浩ちゃんにやってもらいたくて」
韓浩「そこまでおっしゃるなら……わかりました。引き受けます」
曹操「そう? よかったわぁ」
韓浩「ですけど、あまり期待はしないでください」
曹操「大丈夫、韓浩ちゃんなら立派に務められるわよー」
韓浩「(ずっと留まるつもりなら、そうだろうけど……)」

濮陽に到着。
韓浩「今日から濮陽の太守となります、韓浩です。よろしく」
荀ケ「私も先月に、許昌から移動してきました。
  袁紹の[業β]や北海と接する危うい都市ではありますが、力を合わせ頑張りましょう」
程c「太守就任おめでとうござる。よろしくお願いする」
荀攸「登用されて以来ですな。頑張りましょう」
朱霊「よろしく頼んまっス」
夏侯惇「まあ、せいぜい国を奪われないよう頑張れ」
程c「おやおや、自分が太守になれなかったのがそんなに不満ですか」ニヤ
夏侯惇「フン。ワシはそんなに心狭くはない」
韓浩「あれ……呂布将軍はどうしました? 濮陽にいたはずですが」
荀攸「ああ、奴なら徐州の劉備の元へ出奔しましたよ」
韓浩「ええっ!」
夏侯惇「なァに、奴などおらんでもこの都市くらいは守れるわい」
韓浩「(そんな、アテにしてたのに)」

荀ケ「現在、この都市の兵は7万余。袁紹の[業β]、北海ともに兵6万余。
  2つの都市より同時に攻められても、将軍方の武と我々の智があれば対処できましょう」
韓浩「そうですね。しばらくは内政に専念できるでしょう」
荀ケ「……どうされました? 表情が暗いですが?」
韓浩「いえ、何でもないですよ。それじゃ、私は街を巡察してきます」
荀ケ「はい、行ってらっしゃい」

韓浩「呂布どの……節操が無いと聞いていたけど、半年も経たずに主を替えるか」
それでも韓浩は、呂布に手紙を送る。それだけ、彼の武は魅力だった。
韓浩「おっ、呂布どのから返書がきた。なになに……。
  徐州の……女は……美人が……多い……?
  なんて汚い字なんだ。しかし美人が多いか……いいなぁ、やりまくりなのかなぁ」


■199年3月 <節操無し>

典韋「おう、元気でやっとるか」
韓浩「これは師匠」
典韋「ちと暇が出来たんでな、遊びにきた」
韓浩「そうですか。じゃ、お酒でも出しましょう」

典韋「……そういえば。呂威[王黄]どのは曹操様に不満があるらしいな」グビ
韓浩「えっ……」
典韋「なんじゃ、どうした」
韓浩「い、いえ、何でもないです。
  (まさか私が独立のために呂威[王黄]に手紙を送ってるとは知らないはず……)」
典韋「そういや、呂布がいなくなったな。
  奴とは一度武術大会で矛を交えてみたかったんだが、まあ戦場で果たせばよいか」
韓浩「そ、そうですね。ささ、もう一杯どうぞ」
典韋「おう、頂こう」

下男「包み終えましたよー。しかしどうするんですか、この金」
韓浩「えーとだね、張バクどの、呂威[王黄]どの、
  後は袁紹軍にいる劉曄どのに届けてきて欲しいんだ」
下男「あ、お中元なんですねー。わかりました」
韓浩「(彼らが今の君主に忠誠を誓う前に……早くことを起こさないとならないな)」
下男「あ、そういえばこんなのが届いてましたけど」
韓浩「え? 呂布どのから手紙? なんだろう。……住所変更のお知らせ?
  えーとこのたび、王朗どのの元に身を寄せることにした云々……。
  って早い、早いすぎる! 劉備の元には2ヶ月しかいないんじゃないかっ」


■199年4月 <準備は整う>

曹操「韓浩ちゃんもすっかり太守って感じになってきたわね」
韓浩「そうでもないですよ……何やっていいか、よくわかりませんし」
曹操「またまた、謙遜しちゃってー。
  今日はね、威東将軍になってもらおうと思って呼んだのよ」
韓浩「それは……ありがとうございます」
曹操「ん? あんまり嬉しそうじゃないようだけど」
韓浩「い、いえ、嬉しいですよ、ワーイ嬉しいなっ」
曹操「……」

程c「北平を調べろ、と?」
韓浩「ええ、北平には袁紹配下になった公孫[王贊]の旧部下が多数いると思います。
  その者たちを引き抜ければ、さらなる戦力アップに繋がると思いますので」
程c「なるほど。人材確保のための前調査ですな」
韓浩「(誰が確保するか、というのはまた別の話だけど)」

程cは薊・北平・南皮の情報を入手した。
その他、夏侯惇・荀攸に治安、朱霊に訓練をさせる。
そして韓浩本人は……。

下男「今月も贈り物ですか? お金無くなっちゃいますよ」
韓浩「いいんだよ、今使わないといけない時なんだ……。
  呂布どの、劉曄どのに届けてきてくれ」
下男「わかりました」
韓浩「……そろそろ、かな」

呂布・劉曄に贈答し、友好を深める韓浩であった。

■199年5月 <最高のチャンス>
夏侯惇「ていへんだ、ていへんだ!」
程c「なんですかな、その変な言葉は?」
夏侯惇「いや、この前曹仁の奴がこんな口調で俺のところに来たもんで、その真似さ。
  それより、大変だぞ。あの江東の小覇王が滅んだんだ」
韓浩「小覇王……柴桑の孫策がですか?
  先月終わりごろに会稽を攻め取ったばかりだと思ってたんですが」
夏侯惇「ああ。その会稽だが、今月王朗に取り返されたのさ。
  そして徐州のチャッカリ君劉備が、戦争後で手薄になっていた柴桑を攻め取った、というわけさ」
荀攸「孫策の生死は? また彼の弟、孫権は」
夏侯惇「さあ、そこまではわからんなぁ」
韓浩「……程cどの、柴桑周辺を調べてもらえませんか。
  孫策の配下だった者の行方も知りたいところです」
程c「了解した。さっそく密偵を放とう」

程c「密偵が帰って参った。調べによると、孫策は劉備に降伏し、配下になっとるそうな」
韓浩「孫権はどうですか? また、孫策配下だった将たちは」
程c「孫権は劉備には下らず、建業におるそうな。それに黄蓋が従っておる。
  他の旧臣たちは孫策と共に劉備配下になっとるが、とりあえずその場しのぎ、という感じであるな。
  引き抜きは容易であると見るぞ」
韓浩「そうですか……。ありがとうございました、下がって結構です」
程c「うむ」

韓浩「……これは千載一遇のチャンスだ。
  孫策の臣だった有能な将を確保できれば、独立国を維持することなど容易。
  よし……」サラサラ
典韋「おう韓浩! 邪魔するぞ!」
韓浩「あっ……師匠!?」
典韋「おや、手紙書きか?」
韓浩「えっ、ええ、まあ……どうぞ、そちらにお座りください」そそくさ
典韋「おう。しかし、おぬしも太守らしく立派になったな。
  ワシごときが師匠などと呼ばれるのもおこがましいほどだ」
韓浩「いえ、私がどう変わろうとも、師匠は師匠です」
典韋「嬉しいことを言ってくれるな。この典韋、おぬしに師匠と呼ばれることを誇りに思うぞ。
  これからも、曹操様のもとで共に戦おうぞ!」
韓浩「……師匠……」


■199年5月つづき <韓浩、曹操のもとを去る>

下男「典韋様、お帰りになられました」
韓浩「そうか。じゃ、この手紙と金200を、建業の孫権どの、柴桑の孫策どのに届けてきてくれないか。
  それから……家財をまとめておいてほしい。お前が戻り次第、ここから移動する」
下男「移動? 曹操様からのご命令ですか?」
韓浩「いや。私は曹操様のもとを去る」
下男「ええっ」
韓浩「時間がない、さっそく出立してくれ」
下男「わ、わかりましたっ」たったったっ……
韓浩「師匠……。曹操様のもとでは、私の志は叶わないのです。
  不義理な弟子であい済みません……」

孫権、孫策に手紙と金を贈る韓浩。
そして自らの志のため、いよいよ濮陽を去ろうとしていた。

韓浩「さぁ、行こう。馬車を出してくれ」
下男「はい。……おや、城から馬に乗って誰か来ますが?」
韓浩「……気付かれた? お前は先に行ってなさい。私はあとから行くから」
下男「わかりました」ガラガラガラ……

荀ケ「韓浩どの!」
韓浩「荀ケどのですか。どうしてここへ?」
荀ケ「どうしてもこうしても、屋敷に行ってみたら中が空でしたのでね。
  どういうことですか、これは? まさか曹操様のもとを去るおつもりですか?」
韓浩「申し訳ないです。私には、私の志がありますので……。
  曹操様にはよろしくお伝えください」
荀ケ「なんと……残念です。しかし、それがあなたの意思なら仕方ありません。
  止めは致しますまい。ですが、一体どこに向かわれるつもりですか?」
韓浩「零陵です。かの地しか、今の私に行き場はありません」
荀ケ「零陵……! 治める者のいないあの都市に行くということは、あなたは……」
韓浩「ええ。わが韓家の旗を、あの地に立てます。では、そろそろお別れです……さらば」

荀ケ「韓浩どの……見かけによらず大きな野望を持っているようだ。
  今度まみえる時は、敵と味方ですか?」

荀ケは、去っていく韓浩の背中を、ずっと見送り続けていた……。


■199年6月 <持つべきものは兄弟>

零陵の地にて。韓浩は、まだ旗揚げしてはいなかった。
韓浩「ふう、カッコつけて出てきたはいいが、前途は多難だなぁ」
下男「韓浩様、荷物の片付け完了です。しっかしボロい家ですねぇ」
韓浩「旗揚げするまでの仮住まいだからね。寝食ができればいいよ」
下男「いつ旗揚げするんですか? おらっちはてっきり、こっち着いたら
  すぐに『韓』の旗をババーン、と立てるものと思ってたんですが」
韓浩「いや、まずは住民の皆さんに認めてもらう必要がある。
  為政者というのは、民なくして成り立たないからね」
下男「へぇ、そんなもんですか」
韓浩「それじゃ、巡察に行ってくるよ」

韓浩は零陵の街にて、賊退治や講義、貧乏人に金を恵んだりと人心掌握に努めた。

韓浩「ただいまー」
韓玄「お帰りなさい、お食事にする?お風呂にする? それとも、ワ・シ?」
韓浩「兄上〜!? 裸エプロンなどして何をやってるんですかぁぁぁ!?」
下男「あー、先ほど訪ねて来られたんですが、酒をたらふく飲んで酔っ払われまして……。
  それで、エプロンしたいというのでお貸ししたんですがーあはははー(乾いた笑い)」
韓浩「酒って……あーっ! 濮陽から持ってきた銘酒がもうカラッ!?」
韓玄「うむ、美味しくいただいだぞよ。あー良い気分じゃのぅ、グエッヘッヘ」
韓浩「あーにーうーえー!」
韓玄「そう怖い顔するでない。下野したと聞き、情報を集めてきてやったのだからな」
韓浩「え? 情報?」
韓玄「何かと動きづらいと思ってな。上党の張揚が袁紹に降伏したらしい」
韓浩「張揚がですか? 確か、あそこには李通どのがいたはず……」
韓玄「それから、この零陵にもまだ逸材が埋もれておるそうだぞ」
韓浩「この零陵にも人材が埋もれ……」
韓玄「言っとくが、地中にはおらんぞ」
韓浩「……それは前にも聞きました。ともかく、貴重な情報をありがとうございます」
韓玄「うむ、感謝するならもっと酒を飲ませれ」
韓浩「(こ、この腐れちょうちんフグが……)」ピクピク


■199年7月 <噂は千里を駆ける>

下男「街で聞いたんですけど、劉備領の小沛を陳留の曹操軍が攻め取ったらしいですね」
韓浩「曹操様……いや、もう様はいらないか。曹操どのが。……流石というべきかな」
下男「韓浩様は、今月も巡察ですか?」
韓浩「うん。あ、そうだ、建業の黄蓋どの(在野)に手紙送っておいて」
下男「わかりました」

今月も賊退治、貧乏人に金を恵む、講義をする等、人心掌握に努める韓浩。

韓浩「……というわけで、ここはこうなるんですよ。何か質問は?」
少年「先生! 先生は童貞だと聞きましたが、本当ですか?」
中年「おや、ワシはホモだと聞いたぞ。曹操と出来ておったとか」
青年「陳留で、韓浩どのらしき方が若い娘を襲おうとした、と聞きましたが」
少年「先生、本当のところはどうなんですか……っって泣いてる?」
韓浩「今日の講義はここまで! 解散!ヽ(TДT)ノ」


■199年8月 <取れるところから取る>

下男「酒がなくなりましたんで、しばらく酒の代わりに水をどうぞー」
韓浩「兄上のバカ……」
下男「で、今月はどうするんです?」
韓浩「そうだね、黄蓋どのに手紙と金を持っていって」
下男「はい……でも最近贈答とか貧民に恵んだりとかで金がほとんどなくなってきてますよ」
韓浩「うん、それはわかってる。けど、今が大事な時なんだ」

韓浩「貴様が最近悪さをしている賊だな! そこになおれ!」
山賊「げっ、最近ウワサの風紀委員のお出ましかっ!?」
韓浩「誰が風紀委員だ、とあーっ!」

韓浩、必殺の馬上からのミサイルヘッドバット。
見事、山賊の頭にクリーンヒットした。

山賊「くうっ……兜をつけてヘッドバットとは……」
韓浩「さて、君を突き出す前にひとつ、お願いがあるんだが」
山賊「なんでい?」
韓浩「お酒持ってたら少し分けてほしいんだよね〜、でへへ」
山賊「うわっ、山賊にたかる気かよ」

韓浩、民心掌握と共に酒をゲット。


■199年9月 <韓浩の演説>

韓浩「……孫権どのと、黄蓋どのにこの手紙を至急届けてくれ。
  それと、私の鎧と旗を出しておいてくれないか」
下男「ということは、いよいよ!」
韓浩「うん、旗揚げだ」

韓浩「諸君、私は元曹操軍麾下であった韓浩です。
 この話の前に、もう一つ知っておいてもらいたいことがあります。
 私はかつて、漢の元勲として活躍した韓信の子孫であります。
 私はこの場を借りて、韓信の血を引きし者として語りたい。
 現在の中華、この漢帝国が乱れている事実は、
 韓信公の活躍した秦代の戦乱よりも酷いものであるといえる。
 なぜなら、秦は『皇帝』というものが受け入れられていない頃の世の乱れ。
 だが、今は皇帝というものが当たり前であるにも関わらず、
 諸侯はそれを無視し、ある者は玉璽を手に皇帝を名乗ろうとまでしている!
 人が皇帝を戴いたのは、皇帝を象徴として皆が団結し戦をなくすことが出来る、
 と気付いたからではないか!?
 しかし人は張角、董卓という戦乱を起こす者たちを生み出してしまった。
 これは不幸だ。もうその歴史を繰り返してはならない。

 人は長い間、漢という揺りかごの中で戯れてきた。
 しかし、時はすでに人類を漢から、巣立たせる時が来たのだ。
 この零陵でさえ戦乱に呑み込まれようとしている。
 それほどにこの中華は乱れきっている。
 今誰もが、この戦乱を終わらせたいと考えているはず。
 ならば、自分の欲求を果たすためだけに、
 漢に寄生虫のようにへばりついていて、良いわけがない。

 私はこの場を借りて宣言する!
 漢の高祖を戴いた韓信公のように、私は、世を導ける存在を奉り、
 その旗印のもとにこの戦乱を治めてみせる!
 今はまだこの零陵でほえるしか出来ないが、いずれ諸君に我が威光を示してみせよう!
 我々の戦いは、今ここから始まるのだ!」

ワァァァァァァ!


■199年9月つづき <韓浩軍、旗揚げ>

孫権「……お疲れ様です。見事な演説でした」
黄蓋「全く、大したもんじゃわい。『世を導ける存在を奉り』とは恐れ入った。
  普通ならば自分が世を導く、とか言いそうなもんじゃがな」
韓浩「私はもともと上に立つような人間じゃないですからね。
  私本人にカリスマを求めるよりも、漠然とした『王』のカリスマを
  見せた方が効果があると思いましたので」
孫権「ですが、私たちは韓浩様本人のためにここへ馳せ参じました。
  ご自分をあまり卑下されることはありませんよ」
黄蓋「おうおう。ワシらにとっちゃ、あんたこそ王じゃからな」
韓浩「ははは……まぁ、先のことは置いておきましょう。
  まずは現状をどうするかです」
孫権「これからの指針ですね……。まずは人材確保が先決でしょう。
  人材がいなくては何もできません」
黄蓋「あとは兵の確保じゃな。劉表の治めとる桂陽と武陵にはそれぞれ数万の兵がおる。
  こやつらに攻められる前に、ある程度の兵を用意しとかねばならん」
韓浩「さすがは孫策どののもとで働かれていたお2人です。
  今月は旗揚げのみでもう身動きできませんので、
  柴桑の孫策どのに手紙と金を贈ろうと思っていたのですが」
孫権「おお、兄上をお迎えになるのですね」
韓浩「来月には、孫権どのに迎えに行ってもらうことになるでしょう」
孫権「了解いたしました」

下男「韓浩様、いや、『殿』ですか?」
韓浩「いや、今まで通りでいいよ。それで、何?」
下男「あのですね、孫策様に金を贈ったら、ほとんどスッカラカンになったんですが」
韓浩「ありゃりゃ」


■199年10月 <人は石垣>

韓浩「では孫権どの、孫策どのの説得を頼みます。黄蓋どのは孫翊(※孫権の弟)どのを」
孫権「了解です。韓浩どのは?」
韓浩「現在袁紹のもとにいる、劉曄どのを説得してきます。彼とは曹操軍にいた時に多少親交がありましたので」
黄蓋「ほう。その者なら、智謀の士として名を聞いたことがありますぞ」
韓浩「では、お2人方ともよろしくお願いします」
2人「はっ」

劉曄「こりはこりは、韓浩どの。新勢力を旗揚げしちょったと聞きもしたが」
韓浩「はい、そこで是非とも劉曄どののお力をお借りしたく来た次第です」
劉曄「フフフ、あんさんも人が悪い。先に贈りつけちょった金も、この時のための布石じゃろ?」
韓浩「ええ。なんとしても、劉曄どののような智謀の士が必要ですからね」
劉曄「私などよりも、有能な者は掃いて捨てるほどおりますけんど。
  ま、袁紹のもとに居続ける気もなかれば、あんさんの誘いに乗るとしまっちょ」
韓浩「ありがとうございます!(しかしこの人の言葉もよくわからないなー)」

韓浩「よくいらっしゃいました、孫策どの、孫翊どの」
孫翊「それがし、難しいことが判らぬ故、ご指導をお願いたす。
  よろしくお願いする」
韓浩「はい、私も簡潔な命を下すことを心がけるとします」
孫策「……気にいらんな」
韓浩「……はい?」
孫策「その口調だ! あんたは一国の君主だろうに、家臣に『です』『ます』で話すとは何事か!」
韓浩「う、しかしこれは私のキャラというもので……」
孫策「キャラが何だ。俺は権があんたを王の器だというから、ここに来たんだ。
  その者がこんな軟弱な物腰なのか!?
  とても王の器であるようには見えんがな!」
孫権「兄上! 今日より韓浩様は兄上の主君なのですよ!」
孫策「それがどうした! 私は小覇王とまで呼ばれた孫策であるぞ!?
  それが、軟弱な君主の下についたとなれば恥ずかしくてかなわんわ!」
韓浩「……ならば、どうすればよろしいのです」
孫策「威厳のある、君主らしい口調に改めてほしい。
  さすれば、私も安心して一家臣として働けよう」
韓浩「わかり……いや、わかった。これより注意することにする。
  ……これで、よろしいな?」
孫策「ふむ。いや、私の言葉を真摯に受け止めてくださり、ありがたく思いますぞ」
孫権「(やれやれ、どうなるかと思った)」
黄蓋「(全く、若君は変わらんのぅ……あれでよく劉備に降伏したもんじゃ)」


■199年10月つづき <臨時軍師、誕生>

韓浩「では、劉曄どのを軍師といたす。では、印綬を渡そう」
劉曄「あいや、ちょっと待っちょ」
孫策「……マッチョ?」
劉曄「私は軍師という器じゃなか、しかし今んとこ人がおらんべさ。
  だから、『臨時軍師』ということで引き受けるとしまっちょ」
韓浩「臨時……?」
劉曄「ん。だから、私より智謀に優れた者がいらっしゃったれば、
  すぐそっちゃに軍師の座を譲りたまい」
韓浩「……ははは、劉曄どのらしい! わかりました、そのようにしてください」
劉曄「ん」
孫権「……劉曄どのに対する言葉は、注意されないのですか? 兄上」
孫策「流石に軍師に対しては敬語もしょうがなかろう」
孫権「なるほど」

韓玄「浩から手紙が来たと……どれ? ふむ……旗揚げは順調にいっとるか。
  しかし、劉表様の都市に囲まれておる地ゆえ、いずれは衝突が起きるだろう。
  さすれば、ワシの立場も微妙なものとなる。
  弟の栄達を嬉しく思うべきか、主の敵が現れたと憂うべきなのか。
  全く、難しいところじゃな。
  ……さて、返事でも書いてやろうかの。いつものように、ギャグを交えてな」


■199年11月 <武将確保>

劉曄「この零陵にゃ、まだ人材が埋もれてますっちゃ。
  孫策どんに人材探索をさせまっちょ」
韓浩「わかった。……孫策! 人材探索を頼んだぞ!」
孫策「はっ! 承知!」

孫策「楊任という者がおりました。武勇に若干優れた者ですな」
韓浩「ふっ、若干か。おぬしらしい言い方だ」
孫権「私が登用してまいりましょう」
韓浩「うむ。頼む」

楊任を登用した。

■新登録武将紹介
楊任 ヨウジン 武:63 知:47 政:44 魅:61(実在)
漢中の張魯配下の将。討って出ようとする楊昂を止めるが聞かず楊昂は討たれ、
汚名返上のため再度出撃するが夏侯淵に討たれた。

韓浩「さて、兵を増やさねばならないな。黄蓋どの! 徴兵を頼む」
黄蓋「はっ、了解しましたぞ」
韓浩「孫翊はその徴兵した兵を訓練するように。
  それから、劉曄どのに治安回復を頼みます」
劉曄「ん。了解しまっちゃ。して、韓浩様は何しまっちょ?」
韓浩「私は、旧張揚配下で今は袁紹配下になっている、上党の李通どのを登用して参ります」
劉曄「李通……アレはあかんにょ。登用には応じないでっちゃ」
韓浩「そうですか? しかし、手紙のやり取りや贈り物をしたりと交友があります。
  袁紹に忠誠を誓っているわけでもないようですし、登用できると踏んだのですが」
劉曄「んー。じゃっが、私にゃ無理と思いますっちょ」
韓浩「……まぁ、とりあえず行ってみますので」
劉曄「ん」

韓浩「劉曄どのは無理と言われていたが……私は、登用できると見ている。
  まぁ、実際に会うのは、これが初めてなのだが……。
  失礼します、零陵の韓浩が参りました! 李通どのにお会いしたい!」
女性「あら、こんな辺鄙なところへようこそ。どうぞ、こちらへ」
韓浩「は、はい(誰だろ、李通どのの奥さんかな?)」
女性「飲み物はお茶でよろしいですか? それともお酒?」
韓浩「あああ別にどちらでももも。(いかん、女性と話すと緊張する……)」
女性「ではお茶にしましょう。……はい、どうぞ」
韓浩「あああ、ありがとうございますすす」ズビズビ
女性「して、今日参られたのはいかなるご用件でしょう?」
韓浩「あ、いえその、ですから、李通どのとお会いしてお話ししたく……」
女性「ふふふ、おかしな方ですね。すでにお話ししているではないですか」
韓浩「ふぇ?」
女性「あなたの目の前にいる私が李通ですよ」


■199年11月つづき <女武将、李通>

韓浩「えぇぇぇぇぇ!? 李通どのが女!? うぞ!?」

※オリジナル設定として李通は女にしてあります

李通「私と話をするためだけにこちらに参られたのですか?」
韓浩「いえ、その、李通どのが女性の方とは思わず、そのですねー」
李通「私を登用に来たのでしょう?」
韓浩「いいえ、その、いや、そうですが、ああその、女性だとわかってれば、ええとー」
李通「……それならば、私が女であっても男であっても関係ないでしょう。
  私を一人の将としてみているのでしたら、そのように狼狽される必要はない
  と思うのですが?」
韓浩「はっ……そ、そうです。私は、武将であるあなたが欲しい!
  だからここまで来ました!」
李通「私が、欲しい……ですか」
韓浩「あっいやそのっ、ヨコシマな感情ではなくですねっ!
  あなたの武勇が我が軍にあったらいいなーとそういうことでしてぇぇぇ」
李通「あははは。そう慌てなくても結構です。言いたいことは伝わっておりますよ。
  袁紹のもとに長らくいるつもりは無かったですし、
  あなたに仕えることにいたしましょう」
韓浩「あっ……ありがとうございます!」

李通を登用しました。

劉曄「韓浩様、李通を登用できましっちゃ?」
韓浩「ええ。まあ、何とかね」
劉曄「そうでしたっちゃか。女の身で男勝りな性格であるっち聞きもして、
  韓浩様っじゃ説得は難しっちゃ思っちょったですけんど」
韓浩「男勝り? いや、ピンと芯は通ってますけど、実に女らしい方でしたが」
劉曄「はて、私が聞いっちゃ話とは違うようですがや……ところで李通どのは?」
韓浩「ああ、少し遅れて出仕するらしいとのことです。もう少しで来ますよ」
李通「失礼いたします、李通、参りました」
韓浩「……ほえ?」
劉曄「ほう……」

出仕してきた李通は、先に韓浩が会った時とはうってかわって、
兜と鎧を身に付けた武者姿であった。

李通「……何か?」
韓浩「あ、いや、鎧姿で来るとは思わなかったので」
李通「私は武官ですので、これが正装です。いけませんか?」
韓浩「いや、別にそういうわけじゃないです」
劉曄「いやあ、見事な将軍ぶりですにゃ。噂に聞いていた通りっちゃ」
李通「ありがとうございます、軍師。
  この李通、韓浩様のために百万の敵を討ち果たしましょう!
  さあ、ご命令を!」


■199年12月 <女王様もっとぶって>

韓浩「ふう……今月も、劉表は攻めて来ませんでしたね」
劉曄「劉表の消極的な性格が幸いしたにょ」
孫策「しかし、まだ兵も2万余しかいませんからな。戦々恐々といったところです」
劉曄「おや、あんさんも恐いという気になられるっちゃ?」
孫策「私とて勇のみで敵に勝てるとは思ってません。
  攻められれば、勝ったとしても多大な被害をこうむるでしょう」
韓浩「うん。兵をもっと増やさねばならない……孫策、徴兵をしてくれ」
孫策「承知であります」

徴兵を行い、全兵士数は3万にまでなった。

韓浩「劉備配下になっている元孫策どのの臣、程普どの、蒋欽どの、孫瑜どのは我が軍に
  来てくれるものと思う。黄蓋どの、孫権、孫翊の3人で説得に当たってくれ」
3人「承知いたした」
韓浩「あらかじめ、3人には私から手紙を送ってある。よい結果を待ってる」
3人「はっ」

程普、蒋欽、孫瑜を登用。また、劉曄に治安回復をさせる。
そして……。

韓浩「あー李通どの、兵の訓練を頼みますね。私も一緒にやりますから……」
李通「……韓浩様、なぜ敬語をお使いになるのです?
  私も臣ですから、他の将たちのようにお命じください」
韓浩「う、うん……いや、ああ、わかった。そのようにする。
  (女だからといって遠慮しちゃ、かえってマズイか)」
李通「はい。では、兵を訓練することにいたしましょう。韓浩様、鞭はありますか?」
韓浩「ムチ?」
李通「兵を鍛えるには必要不可欠ですわ。フフフ……」
韓浩「(ヒィィィ)」

兵の訓練度が上がった。(中にはマゾ度が上がった者も……)


■200年初頭の状況

●個人情報
韓浩 37歳 所在:零陵(君主)
名声:5231 官爵:なし

武力:97(+10)青コウの剣
知力:89(+8)六韜
政治:89(+5)中庸
魅力:76
特技:応射・反計・収拾・偵察・無双・一騎・(強行)・修復・乱射
 (神算)・鼓舞・罵声・穴攻・行動・鍛錬・(富豪)
所持アイテム:青コウの剣・六韜・中庸・絶影

勢力状況(領土数、軍師名、地域)
袁紹:10(軍師:田豊)……華北一帯
劉表:8(軍師:[萠リ]越)……荊州一帯
李[イ寉]:7(軍師:賈[言羽])……司隷・雍州一帯・涼州南部
劉璋:6(軍師:法正)……益州北部
曹操:5(軍師:荀ケ)……[亠兌]州・豫州・小沛
士燮:4(軍師:姜伯姫)……交州・益州南部
劉備:4(軍師:張紘)……徐州・寿春・廬江・下[丕β]
王朗:2(軍師:周瑜)……会稽・建安
劉ヨウ:2(軍師:管寧)……建業・呉
公孫度:1(軍師:なし)……楽浪
公孫[王贊]:1(軍師:なし)……襄平
張衛:1(軍師:閻圃)……漢中
馬騰:1(軍師:韓遂)……西平
袁術:1(軍師:魯粛)……汝南
韓浩:1(軍師:劉曄)……零陵
友好:曹操 敵対:劉備

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