※Leaf Fight 97 痕編の冒頭のアナザーストーリー…というかパロディです。本物と比べて読むと面白いかも知れません。


先日、梓から電話があった。
「最近、千鶴姉が変なんだ」
…変なのは前からだろ〜？
「変って、何が？」

中略(^^;

☆☆☆☆☆

「こ〜〜〜いちぃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
向こうのほうから、大きく手を振りながら梓が駆け寄ってきた。
「こら、遅いぞ」
「えへへ、ごめんごめん。ちょっと出遅れちゃってさ」
梓はケツを掻きながら言った。
「…誰がケツ掻いてるってぇのっ！？」
「あ、すまん。間違えた」
訂正。梓は頭を掻きながら言った。
「長旅ご苦労さん。荷物持ったげよーか？」
「いや、いいよ、軽いし。…それよりも、いま変なやつらに噛まれてさ」
そう言って頬の歯型を見せた。
「変なやつら？」
「うん。皮下脂肪の噛みがどうしたこうしたって、なんかちょっと危なそうな連中だった」
「なにそれ。酋長かなんかじゃないの？」
「…うーん、かもな」
「あんたってさ、なんか知んないけど、かぶりつきやすそうな雰囲気漂わせてるんだよね」
な、なにゆえ！？
「なんだよ、それ」
「へへ、おいしそうな顔してるってこと」
梓はくすくすと笑った。
…そうなのか…俺の顔はおいしそうなのか…。
「…それにしても、悪かったね、遠いのにいきなり呼び付けちゃってさ」
「そう思うんなら、夕食奮発してくれよな。こちとら相変わらずリンボーしてて、毎日ロクなモン食ってないんだからさ」
「はいはい、隠し芸のリンボーダンスの練習でしょ。わかったよ」

☆☆☆☆☆

柏木家までの通り道。
「それよりも、この前の電話の件だけど、千鶴さんがどうしたって？」
「あ、うん、それだけど。電話でも言ったとおり、千鶴姉のやつ、すっかり別人になっちまったんだ」
「いまいち容量がないんだよな」
「…は？」
「残りハードディスクが１００ＭＢしかないんだよ」
「…何言ってんの？話それてるわよ」
そうだな…話を戻そうか。
「いまいち要領を得ないんだよな。もっと解りやすく説明してくんないか？」
「…って言われても、とにかくあれはもう別人になっちまったとしか説明できないよ」
「具体的にはどうなったんだ？」
「話す言葉が変になった。日本語も話すんだけど、意味のわからない言葉をよく使うんだ…」
「…お前の脳ミソが腐ったんじゃないのか？」
「腐ってなんかない！…最初にへんだと思ったのは、今週の始めのことだった。思えばあのときから、飲んでる『コーラ』が違ってた」
「コーラぁ？」
「うん。そのときは、たんなる思い過ごしだと思って気にしなかったけど、横にいるだけで炭酸パチパチでさ。なんかこう、ペプシだなーって気がしてしょうがなかった。楓も初音もあたしと同じこと言ってたし」
へ、へえ…。そりゃよかったね…。
「まあ、柏木家は特殊だし、今さら何があっても驚かないけどさ」
「だけど気味が悪いだろ。姿形は確かに千鶴姉なんだけど、黒人なんだよ？」
『黒人』？本編では違ったような…ま、いいか。
「…おいおい、もうすっかり黒人だって決めつけてんのか？」
「決めつけるもなにも、判るんだ！何年姉妹やってると思ってんだ」
そういう問題だろうか。

またも中略(^^;

「あたし、あんな千鶴姉、やだよ…」

☆☆☆☆☆

「あら…耕一さん」
玄関に入った俺達を待っていたのは、当の千鶴さんだった。
「…ち…千鶴さん！？」
千鶴さんは…変わっていた。
キレイな黒髪は明るい茶パツになって、肌はこんがりと日焼けしている。
そして着ているのは…高校の制服にルーズソックス…。
「なっ！？耕一、黒人だろ！？」
泣きそうな顔で訴える梓…。
「バッカ、お前、これはコギャルって言うんだ。肌は黒いが黒人じゃない！」
「…え？じゃ、コギャル人？」
…ガク。
現役女子高生がコギャルも知らんのか！？
…しかし、一体これは…。
「耕一さぁん、来てくれて超マジ嬉しい状態みたいなぁ〜」
千鶴さんはコギャル独特のイントネーションで話す…。
…さっきの梓の言葉が思い出される。
『あたし、あんな千鶴姉、やだよ…』
………。
…俺もいやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ！ 大体、自分の歳を考えてくれよ〜っ！
「耕一さぁん、千鶴的にはぁ、そんなに見つめちゃいやって感じぃ〜チョベリバですぅ」


ちゃんちゃん♪