運命
written by 李俊


ここはどこなんだ…。
気が付いた時、そこはすでに私の知らない世界であった。
空から白い光が照り、目の前には見たこともない巨大な円盤が、いくつも並んでいる。
そして後ろには、多くの巨大な岩のようなものや、これまた大きな緑色の植物が茂っていた。

…私は、この得体の知れない世界を調べる必要性を感じた。
ん…?
身体が…?
…身体が動かない!?
なぜだ? この言葉が何度も私の頭の中にこだました。
これは夢なのか? しかしそれを確かめる術は、私にはなかった。

不意に身体が浮き上がった。
いや、違う!
何者かが、私を持ち上げたのだ!!
巨大な『手』が私に迫り、私の皮を引き剥がそうとする!
「やっ、やめろっ!」
そう叫んだ。いや、叫んだつもりだった。
しかし声は出ず、私はただなす術もなくやられるだけだった。

私の皮を剥がし終えた『手』は、私の頭と足を持ち、力をかけてきた。
…私を、私を折ろうというのか!?
『手』の力は凄まじいものであった。
私の身体がいとまもなく2つに折られた。
そして折られた私を再び折る。
…こうして私はバラバラにされてしまった。

バラバラになった私を、『手』が集める。
そして私を持ち上げ、移動した。
…ふと見ると、まるで血の池地獄のようにグツグツと煮立った池があった。
どうやら私は、この池に捨てられるらしい。
…もしかすると、私は生まれた時からこうなる運命にあったのかもしれない…。

そして『手』は、私を池の中に放り込んだ。

「ママー、カレー粉入れたよぉー」
「あら、ありがと〜」


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