雪降る夜に

written by 李俊

寒い冬の夜。
外はもう、凍るような寒さだ。
こういう寒い時ともなると、やはりコタツが一番。
俺の部屋には、由綺とはるかと彰が遊びに来ている。
4人が揃うなんて、ホント久しぶりのことだ。
で、今、俺たちは何やってるかというと…。

は「ロン。チートイタンヤオドラドラ、満貫」
由「えーっ、また当たり?」
彰「はるか、強いよ…」

なんで麻雀なんてやってるんだ?

冬「…せっかく4人揃ったってのに、何で麻雀なんだ?」
俺は疑問をそのまま口にした。
彰「4人揃ったからやってるんじゃない。2年ぶりくらいじゃないの、このメンツでやるの」
彰はのほほん、とした顔でそう言った。
冬「いや、もっと他のことをだな…」
は「外は寒いし、4人コタツに入ってやれることはコレでしょ」
はるかも至極当然、という顔だ。
コイツラは…。
冬「由綺はどうなんだ? もっと違うことしたいだろ?」
由「ううん。久しぶりに楽しく麻雀できて、嬉しい♪」
ホンットに嬉しそうな顔してそう答える由綺。
はいはい、そうですかい。
それじゃ遠慮なく…。
冬「ロン! メンタンピン三色イーペードラドラバンバン、親の倍マン!」
由「あーっ! ひどいーっ!」
冬「ひどくない。コレが勝負だよ…ってことで、由綺は箱下、と」
由「あう…今度は私が冬弥くんからあがるからね」
冬「やれるものならね」

そして局は進む。しかし由綺は全くあがれない。

南4局、オーラス。親は俺。
順位は1位はるか、2位僅差で俺、3位は少し離れて彰、4位はダントツで由綺だ。
由「あ、今回は行けそう」
配牌を見て喜ぶ由綺。
ヤバイな。由綺にあがらせては2位のままだ。
はるかは絶対振りこまないしな…。

…やがて7巡目くらいになった時だ。
由「えい、リーチっ」
彰「わっ、もう来るの」
由綺が気合のリーチ。捨て牌からは、何待ちか全く読めない。
由「さっ、冬弥くん振り込んじゃってよ。倍マン行くよー」
イカン…ここで振りこんだら2位どころか、彰にまで抜かれてしまう。

冬「これかっ!」
由「あったり〜♪ リーチ一発タンヤオ三色、ドラ3!」
ガガーン!
悩んだ末に俺の切った牌は、見事に由綺の高めにぶち当てられてしまった。
冬「ぐう…」
俺はショックを受けた心を落ち着かせるため、窓の外を見た。
あ…。
冬「雪、振ってる…」
窓の外は、雪が舞っていた。

由「あ! 本当、フリテンだっ」
…はい?
いきなり声をあげた由綺の方へ視線を移す。
由綺は、自分の牌と捨て牌とを見比べていた。
冬「フリテン?」
由「…え? だって今、冬弥くんがフリテンだ、って…」
冬「は?」
ピッピッピッ…。
頭の中のコンピュータが推理を始める。

『雪、振ってる』→『ゆき、ふってん』→『由綺、フリテン』

チーン。計算終了。
それと同時に…。
冬「あはははははははははははははははははっ!」
大笑いの俺。
彰「ぷっ…はははははははははははははははっ!」
彰も何のことかわかったようで、同じように笑い出す。
は「……」
はるかは声を出さないものの、妙にニコニコしているその表情から、どういうことかは判っているようだ。
由「えっ、えっ? なに? どうしたの?」
判ってないのは由綺1人。
冬「…ははは、さんきゅー由綺、教えてくれて」
由「え?え?」

というわけで由綺の罰符で俺が逆転トップ。
由綺は結局1度もあがれなかったのである。

ちゃんちゃん。


あとがき

今回の話は息抜きにぱぱっと書いたヤツです。
麻雀のルール知らないと笑えませんが、ご容赦を。
知ってても笑えないかも。(^^;

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