かとぱんです。
梓ハッピーエンドその後。
超駄作(核爆)。でも一応約束通り書いている、ということを見せたかったので(^^;。
ほんとは、X’masということで、すっごくお気楽極楽な話になるはずだったんですが、いざシチュエーションを決めてキャラを放り込んでみると、もうどうにも…。
俺の場合、ある程度決めたことが出来たら放り込んであとはキャラが勝手にしたいことをさせる、という感じで書いているのですが、するとかおりちゃんがなんだか紐無しバンジー(をひ)してしまいました。
X’masにはまったく似つかわないので、掲載は…李俊様にお任せしますが…はあう〜。
おや…なんだろう、↓の選択肢は?
一つ前の選択肢へ戻る ←Pi
「さようなら、先輩、どうか、お元気で…」
え?
腕を下ろすと、今度は冷たい風があたしの頬をなで始めた。見ると、ベランダの外にかおりが立っている。そして、今までにベランダに寄り添うように立っていたかおりは、突然そこによじ登ると。
あたしの視界から。
ふっ…と、消えた。
そのかわり「きゃあああああああああああああああああああああっ!!」
という声が、下から響いてきた。
その後に「いやあああああああああああああ、近づかないで! 変態!!」
という声が、また響いてきた。
ちら、と下を見ると…。
全裸の耕一と、眠っているようなかおりがいた。
「あ、梓ぁ〜! 何でもいいから、全身が隠れるような服を投げてくれぇ〜!!」
結局あたしのオーバーコートしかなくて、一枚だけで、かおりの部屋のストーブの前でがたがた震えている。
かおりは、とりあえず先生に言って、別室だ。
「びっくりしたぜえ〜、梓に早く会いたくて、ううっ、寒、病院行ったっていうから来たらさ、空から、かおりちゃんが落ちてくるじゃないか。なんにも考えないで時間ぎりぎりまでちからを覚醒しちゃって、とりあえず助けたはいいんだけど、俺の顔見てかおりちゃん気絶しちゃってさあ、まあ当然かもしれないけど、そしたら裸になることすっかり忘れて元に戻っちゃって、大変だったよ…」
「こ、耕一! 鬼のちから? ちから使えるの?」
「ん? ああ、この前電話でさ、千鶴さんに代わってもらったろ? そのとき、鬼のちからのことを詳しく聞いてさ、一度解放してみなくちゃ解らないっていうじゃないか。で、千鶴さんと楓ちゃんに協力して貰ってさ、やってみたら、これがまあ出来ちゃったわけ」
……後から聞いた話だけど、このとき、千鶴姉と楓は、暴走している耕一と死闘を演じ、そのとき千鶴姉が懐に忍ばせておいた4人で撮った写真をたまたま落とし、それをちら、と見たと思ったら制御してたらしい。
なんとも、あほらしい。というか、耕一らしい。
「どうしても24日までに制御したかったんだけど、無理かなあ、と思って、一応、用があるっていってさ、こっちこれない、なんて言っちゃったけど、電話したろ? 用事が終わった、って。あのとき、もう制御できてたんだよ」
ばっちぃ〜ん……
ひとのあたしが出来る全力のビンタを耕一にたたき込んだ。
「っ痛え〜、なにすんだよ、梓!」
「な、なんで、なんで、あたしになにもいわないで…」
「え? それは、千鶴さんが梓には言わない方がいいって…それに…」
「なに!?」
「……なんでもない」
「……まったく、あたしに秘密とは、10年早い!」
「でも、当初の予定は達成できそうだよ…、後は野となれ山となれ、だけど」
「???」
「12月24日、覚えられるようにわざわざこういう日を選んでしまったんだけどな…制御できたら言おうと思っていたんだよ…………なあ、梓」
「ん? なんだよ、目が真剣だぞ、耕一」
「そうか? 俺はいつでも真剣だ」
「ははははははっ!! 嘘つけよ、耕一くん!」
笑えた…、心の底から…、こんなの、いつくらいだろう…。
「そんなに馬鹿笑いするなよ…それに『くん』は寒気がするぞ」
「はははははははっ! すまない、耕一ちゃん!」
嬉しい、嬉しい、嬉しいっ! 笑えることが、すっごく嬉しい!!
「………ホントに寒いぞ…」
「悪い悪い、服一枚しかないんだったな、で、なんだい?」
「寒いのはそれだけじゃないんだが…まあ、いいか……………、梓」
「うん、言ってみー、ほれほれ」
「お前のことが好きだ」
「うんうん、それで?」
「俺の……『彼女』になってくれ」
「へー、なるほどねえ、あたしのことが好き………………………………」
「お前、ちゃんと聞いてたか?」
「ぜ〜んぜん、聞いて、なかったよ、耕一……だから、もういっかい、もう、いっかいだけ、言い直して…?」
ダメだ…まるっきりばれる顔をしているな…あたし……。
その証拠に耕一がニヤニヤといやらしい顔をしているしなあ…。
「じゃ、もう一回言ってやる」
「うん、うん…、こんどは、ちゃんと、聞くよ…」
「う〜ん、でも、やっぱり、や〜めた」
「ええええええええええええええっ!」
「そ、そんなに大声を出すなよ…病院だぞ…」
「あ、っと…」
ぐっと手で口をふさぐ。
「梓、お前のことが好きだ、俺と付き合ってくれ」
「……耕一…棒読みだぞ…感情が感じられないな…でも…」
ぎゅ…。
「うん…あたしも…こういちが…すき…」
………?
ん……?
ここは…天国かなあ…それとも、やっぱり地獄なのかなあ…、さっき鬼も見たし。
「かおりっ!?」
ん…? 梓先輩の声だ…。
「かおりっ!!」
あれ? 梓先輩とそっくり…ということは天使よね。やった、わたし、天国へこれたんだ…、嬉しいな…。イブに死んだだけのことはあるよね…。
「日吉さん!!」
あれ? 先生とそっくり…ということは、わたし、先生のことも好きだったのかなあ? 天使で出てくるなんて…。
「かおり! あたしがわかる?」
はい、わかります、先輩…の顔をした天使さん。
わたしはこくっと返事をした。
「良かったあ…」
「うん、外傷は全然ないんだから、これで大丈夫ね」
「本当にご心配かけました、先生!」
「いえいえ」
「かおり、あんた、2日寝っ放しだったんだよ、もう起きないかと思ったよ…」
この天使、何言ってんのかなあ?
「ホントに良かった…でも…」
梓先輩顔の天使は、いきなりくわっと怒った顔をすると、
ばっちいいいいいいいいいいいいんん!!!
「わ、いたそ…」
フルスイングで私の左頬をぶっ飛ばした…。
「???」
顔がじんじん痛い…。どんどん熱くなってくる。まるで生きているみたいに…。
「なんで自殺なんかしようとするんだ!! 自分勝手に死ぬってことが、周りにどんなに…どんなにつらい仕打ちだか解ってるの!? あんたの、お父さん、お母さん、兄弟、友達、あたし…、みんな、みんな、悲しくさせていいと思ってんの!? ええ!? 今回は助かったからいいけど…」
嘘、あの高さから落ちて無傷のわけないじゃない。なんでこんなにこの天使は熱くなってんのかしら?
あれ? 今度は涙を流してる…?
「もう、絶対! 二度と! こんな事はしないで!! 命は一個しかないんだからね!! 気軽に死んじゃダメだ!!」
「ねえ…、なんで? もう死んじゃったからそんなことどうでも良いじゃない」
「…! こおの…」
ばっちいいいいいいいいいいいいん!!!!
「わ、おたふくになっちゃうわよ…」
フルスイングで私の右頬をぶっ飛ばした…。
「あんたは生きてるんだよ! ほら! 自分の胸でも調べなさい!!」
「え…」
ぐっと腕を握られて、胸に自分の手を押しつけられた。
とくん、とくん、とくん…
あれ? …確かに、動いている。
わたし…生きてるの? じゃあこれは…梓先輩?
がばっ!
あ…。抱かれた…。いい…匂い…だ。
「かおりがいなくなっちゃったら、あたしどうなるかわからないよ。…だからいつもの、かおりでいてよ、な?」
「……はい、梓先輩。わたし…ずっと」
「うん?」
「先輩を愛し続けます!!!」
「……それだけは、勘弁して……」
「いやです! 先輩、ラヴラヴですぅ!!」
「え〜〜!?」
「あら? お熱いですねえ?」
「せ、せんせえ〜〜!?」
……あれから2年が過ぎた。
あたしも耕一と同じ大学に行くこととなり、まあ、その…、一緒に住んでる、わけで…。
そして、今宵はクリスマスイブ!
ということでケーキを焼いて、まあ、ビンボーだからそんなにいいのは買えないけど、シャンパンとか、いかにもクリスマスっぽいのを並べてみた。
ここまでは、いいんだけど…。
「遅い…」
もう時間は9時を回っている。
卒業研究が忙しいからって、今日ぐらいは早くあげて帰ってこいよ、耕一…。
――こんこん。
あ…。
「あ、耕一、お帰り〜!」
鍵を開けて、ドアを開ける。一瞬冷たい風が頬を触る。
「梓ぁ〜…」
「なんだ? 耕一、なんかあったか? 顔が青いぞ?」
「こおんばあんわああああああ!!」
「げっ! かおり!!」
「あ〜ん、先ぱぁい、クリスマスパーティーやるなら呼んでくれればいいのに〜」
…耕一…、恨むぞ…。
ぎっと耕一を睨むと、
…すまん、ごめん、もうしわけない、きづいたらうしろに…。
と口パクで伝えてきた。
…結局、あたしと耕一が大学内でまともにつきあえたのは1年だけで、次の年になぜかかおりまでが同じ大学に入ってきた(一年留年したけど、学校やめて、大検で入ってきてしまった…)。このおかげで大学内のつきあいが激減した。
それだけならまだいいけど、最初、あたしが住んでいるところに住み込もうとしていたようで、耕一と一緒に暮らしていることを知ると、この玄関先に布団を抱えて立たれたこともあった。
「ここから、あの男を追い出して、私たちの家にしましょう!」
…このアパートは耕一の部屋だっていうのに、めちゃくちゃなことを言ってくれる。
さらに、夜には夜でしょっちゅう勉強を教えてくれ、といってアパートまでやってくる。で、来る日ってのが、その…、あまりにも絶妙な間なんだよな…。その…安全日は必ずやってくる。…なんで知ってるんだろ…。まあ、そんなのは高校の陸上部の時にばれてるかなあ…、見抜かれる日は鬼のちから使って、ばれないようにしていたんだけど…。やっぱり、ちょっと違ったのかなあ…? そして、まあ、今日も来たし…、…この子は…、最近は耕一にも動じなくなってきたしなあ…。
まあ、でも、これはこれで…いいとしよう…。
そんなことは問題にならないくらい、さらに、すっごく、やばいことがある…。
それは…、
来年から2年間耕一がいなくなる!!!!!
ってことだよな…。
耕一は院へは行かずに、鶴来屋に入る話が決まっている。
となると、この部屋は自然とあたし一人になるわけで…。
となると…
「梓先輩? なに考えてるんですか?」
「うわっ!?」
「うわあ…、おいしそうなケーキ! 早く食べましょう!」
「あっ、こらっ、それは…あっ!?」
「うわあ、おいしー! その辺のケーキ屋さんより、断然おいしいです!」
「あー…」
「梓、俺も腹減っちゃったよ、早く食べよーぜぇ」
耕一も耕一で、毎度毎度のことなので、もうがっかりする気持ちもなくなってしまったらしい。
まあ、でも、二年、なんとかがんばってみるよ。この、耕一がくれた、安物の、リングに誓って…ね。
後書きの後書き(核爆)
方向がずれまくったのをなんとか元に戻そうとした結果、また、激駄作…(水爆)
一応お送りしますけど…。まあ、俺が、所詮このレベルってことで…(^▽^;
ホントすまないです…。
X’mas用に書いたのに、もう26日だったりして…(^▽^;
ホント、ダメなヤツだな、俺ってやつぁ(^▽^;
それでは!