『ロボット、いりませんか』
そんなCMが、街頭のTVから流れている。
そこの横を通り過ぎていく青年が1人。
「ふう…今日も疲れたな」
青年は誰に言うともなく呟き、すっかり暗くなった道を歩いていた。
彼は平凡な会社員である。
平凡な高校を出て平凡な大学に入り、平凡な成績で平凡な会社に入った。
背格好も目立つわけでもなく、顔もいいわけでも悪いわけでもなく。
彼を語るには、「平凡」の二文字だけで足りそうな、そんな男だった。
「明日は休みだ…。今週もまた、平凡な一週間だったな」
また彼は呟く。
どうも彼は疲れると、独り言が多くなるようだ。
「あの。申し訳ありませんが…」
その時、不意に、背後から声をかけられる。
「えっ…なんですか?」
平静を装って返事をしたものの、誰もいないと思っていたところに声をかけられたので、多少声が上ずってしまった。
くるりと後ろを向いたそこには、見慣れない少女の姿があった。
目鼻立ちが整っていて、すらっとしたスタイル。背の方まで伸びている美しい髪。
その容姿は、10人中10人が『綺麗だ』と答えるだろう。
「あの、その…な、なんでしょう」
普段女の子とあまり話したりしない彼は、胸の高鳴りを抑えるのに精一杯だった。
彼女は再び口を開く。
「あの…私のことを知りませんか?」
「え?」
彼は、一瞬ではその質問の意味がわからなかった。
私のことを知りませんか。確かにそう言った。
「えっと…前に会ったことあったっけ?」
彼は知っている女性達の面影と、彼女の姿を照らし合わせながら、そう質問した。
「わかりません」
彼女は小さく首を振る。
「わかりませんって…」
一瞬ふざけているのかと思ったが、彼女の瞳を見てすぐその考えを打ち消した。
彼女の瞳は、じっと真剣に彼を見つめている。
この瞳で嘘をついているとしたら、それはもう大女優も真っ青の演技だろう。
「思い出せないんです」
思い出せない。
彼は、口の中でその言葉を復唱する。
その言葉を噛み砕いて、彼はひとつの結論を導き出した。
「…もしかして、記憶喪失?」
その言葉に、彼女はゆっくりと頷いた。
☆☆☆
「どうぞ、汚い部屋だけど」
ドアを開け、彼女を部屋に入れる青年。
「お邪魔します」
ひとつ礼をして、彼女は部屋の中に入った。
『君のことは知らないけど、良かったら部屋に来るかい?』
『夜の女の子の一人歩きは物騒だし』
『迷惑じゃなかったらでいいんだけど』
彼は、彼女に言った言葉を思い出してみた。
…別に、変なことは言ってないよな。
ただ心配してるだけだ、と自分に言い聞かせる。
…しかし、同時に彼女に対して興味があるのもまた、事実である。
「…そ、そうだ、お腹空いてない? 何か作ろうか」
彼女を座布団に座らせて、彼は冷蔵庫を開けてみる。
「あれ?」
冷蔵庫の中は…何もなかった。
「そういえば、今日買い出しに行くつもりだったんだ…」
バタバタと戸棚の中も探してみるが、どこにも彼女に食べさせられるような物は何もなかった。
「はあ…ごめん、何もないや」
がっくりする青年。
「いえ、私、食べ物食べられませんから…」
「食べられない?」
彼女の方を振り向き、聞き返す。
「はい」
「ということは、その食べちゃいけないっていう記憶はあるんだ?」
少しの記憶でも、何かの糸口になるかもしれない。
そう思っての言葉であったが、彼女は首を横に振った。
「いえ、…理由は思い出せないんですけど、食べ物を食べてはいけない、ということは憶えてるんです」
「そうなんだ…」
何かキッカケにでもなれば、と思っていた彼は肩を落とした。
しかしすぐ気持ちを切り替え、彼女の言葉を考え直してみる。
食べ物が食べられない。
彼がそこから思い付いたのは、病気でそうなのではないか、ということだった。
「何か病気とかしてない? どこか身体の調子がおかしいとか」
何か手掛かりになるようなことを思い出すかもしれない。
そんな期待を込めて彼は彼女を見つめた。
しかし、彼女はまた首を横に振る。
「…わかりません。別段おかしい、というところはないですし…」
「そうか…」
すとん、と彼は彼女の向かいに座り、考え込んだ。
「うーん…名前は?」
「…わかりません」
「住所…は憶えてたらそこに行くよね」
「はい」
「何か手掛かりになりそうな物はない?」
「いえ、何も持ってないです。ポケットに入ってたのは小銭が3百円だけでした」
他にも何か憶えていることはないかと聞いてみた青年であったが…。
しかし、手掛かりになりそうなことは何もなかった。
「ダメか…。しょうがない、明日、近くにある病院を回ってみよう」
腕組みして、、彼は呟くように言った。
「病院、ですか?」
「うん。物を食べられない、というのは憶えているんだよね?」
「はい」
彼の言葉に頷く彼女。
「病気で食べてはいけないのなら、君が病院に入院または通ってたと思うのが妥当でしょ?」
「…そうですね」
もうひとつ彼女は頷く。
それを見て、青年も頷き、
「明日、一緒に探そう」
と彼女に言った。
その彼の言葉に、彼女は少しかしこまった。
「いいんですか? 何の関係もない私のために…」
「いいんだよ、君のために何かしてあげたいんだ」
彼は言ってから、少々大胆な発言だったかと思い、顔を赤くする。
「どうかしたんですか?」
首をかしげる彼女。
「いや、ちょっと…恥ずかしくて」
ちょっと目を逸らし、ボソリとそう洩らす。
「恥ずかしい…?」
彼女はきょとん、とした顔。
どうやら、彼女は彼の気持ちには気付かないようである。
彼にとって、それはそれで悲しかった。
「ええと…つまり今の言葉は、君が好きだって言ってるようなものだからさ」
説明しながら、なぜこんなことを言ってるのだろう、と彼は困惑する。
しかし、彼女に自分の気持ちを伝えたい。自分を知ってもらいたい。
そういう感情が、今の彼を動かしていた。
「好き…ですか?」
しかし、彼女の表情はわからない、といった表情のままだった。
「君は…異性を好きになったことがないのかい?」
青年の質問に、首を振る彼女。
「…わかりません」
「あ、憶えてないんだよね…。言い方を変えるよ。異性を好きになるという感情が、わかるかい?」
言葉を変えて、再び質問してみる。
しかし、彼女が少し考えてから口にした言葉は変わらなかった。
「いえ…私にはわかりません」
青年は、彼女が首を振るその仕草に、ふと微笑んでしまう。
「そうなんだ…。もしかして、今まで恋をしたことがないのかもしれないね」
普段なら絶対に言わないような恥ずかしい言葉も、彼女と話していると自然に出てきてしまう。
不思議な感じだった。
まるで何も知らない子供に、何かを教えてあげるような。
「恋をすると、どうなるんですか?」
「うーん、ええとね…」
言葉が見つからず、しばらく口篭もってしまう。
「そうだね、例えば…相手に、自分を好きになって欲しくなる」
「自分を…好きに?」
彼女は青年の言葉を、オウム返しに聞き返した。
「うん。好きな人に、自分をもっと知ってもらいたいと思うようになる」
青年の言葉を飲み込んで、彼女は少し考える。
そして、口を開いた。
「…するとあなたは、私に好きになって欲しいのですね?」
ハッキリと指摘され、青年は照れながらも頷かざるを得ない。
「う、うん。そうなるね」
顔を赤くし、彼はコリコリと鼻の頭を掻く。
彼女は、そんな彼を見て、こう言った。
「でしたら、私もあなたを好きになります」
…かくっとずっこけたように、肩を下げる青年。
そしてすぐに首を振った。
「ダメダメ、そうじゃないよ。人を好きになるっていうのは、人に頼まれたりしてできるものじゃないんだ」
青年にダメと言われ、今度は彼女の方が肩を落とした。
「…では、どうすればいいのですか?」
聞かれて、青年は少し考える。
そして、優しく言った。
「そういうのは…何かして生まれるものじゃないよ。自然に、自分の心の中で生まれるんだ」
そう彼は自分の胸を指差した。
…正確には、人間は頭で考える生き物であるから、頭を指差すべきなのだが。
しかし、『心』を現したい時、人間はなぜか胸を指差してしまう。
「自然に…心の中で…」
青年の言葉を、彼女は心に刻み込むように復唱する。
自分の胸を両手で押さえながら。
「そう。何か理屈では答えられない何か…それが生まれるんだ」
言いながら彼は、説明になってないな、と心の中で笑った。
…しかし、彼女はその言葉に頷いた。
「…そうすれば、あなたを好きになるのですね?」
彼女の言葉に、ふと微笑んでしまう。
「そうだね。そうなってくれると、僕も嬉しいよ」
「わかりました。いつか、あなたを好きになれるように頑張ります」
少女の表情は変わらない。
しかし、彼には何だか、この娘が微笑んでいるかのように感じられた。
「…あ、もうこんな時間だ」
照れながら時計を見た彼は、思っていた以上に時間が経っているのに多少驚いていた。
彼は風呂でも沸かそうと思い、立ち上がる。
ピンポーン。
その時、玄関のチャイムが鳴った。
「あれ? こんな時間に誰だろう…」
彼の友人には、こんな遅くに尋ねてくるような奴はいない。
「…ちょっと待ってて」
青年は彼女にそう言うと、玄関に出る。
「すいませーん」
ドア越しに声が聞こえる。男の声だ。
警戒しつつ、ドアを開ける青年。
「あ、どうも、夜分すいません」
ドアを開けた先には、コート姿の男が立っていた。
年齢は青年と同じか、少し上くらいか。
一見サラリーマン風に見えなくもないが、その顎の不精ヒゲが不釣合いな感じだった。
「…あの、何でしょう?」
胡散臭い感じを受けた青年は、ドアを少しずつ閉めながら聞いた。
「あ、待ってくださいっ。けして怪しい者じゃないですよっ」
青年の様子を見て、わたわたを慌ててコートの中をまさぐり、一片のカードを取り出す。
「こういう者なんです」
カードを差し出して男が言う。
それは、名刺だった。
「…研究所の方…ですか?」
名刺を見た彼は、その男の所属欄を確認した。
「ええ。ロボットの研究をしている、下っぱ研究員です」
ポリポリと頭を掻く男。
「それで用件なんですけど、ウチのロボット見かけませんでしたか?」
「ロボット…ですか? 別に…」
見てない、と言いかけて、彼女のことがふと思い浮かんだ。
「もしかして…」
ぼそっと言った言葉だったが、男には聞こえていた。
「え、何か知ってるんですか?」
男が聞いてくる。
「もしかして、そのロボットって…女の子の姿してますか?」
それを聞いた男は、何度も頷く。
「ええ、ええ、外見はすらっとしててですね、髪は長めです。…知ってるんですか?」
男の言葉に、どう返答しようか迷う青年。
少し迷ってから、口を開いた。
「あ、はあ。似た女の子なら、ここにいますが…彼女、記憶喪失みたいなんですけど」
「記憶喪失?」
ちょっと考え込む男。…しかしすぐ、青年に向き直った。
「ふむ…ちょっと会わせてもらえますか?」
だらしなさそうだった顔が、少しマトモになったような気がした。
「ええ、わかりました…。どうぞ」
青年は、男を部屋へとあげた。
「あ、いたいた。探したよ」
男は彼女を見付けると、開口一番、そう言った。
「あなたは…?」
しかし、彼女の方は思い出せないようだ。
男は、ぽりぽりと頭を掻く。
「あれ、僕まで忘れてるのか。メモリの異常かな」
「ということは、やはり彼女は…」
青年の言葉に、男が頷く。
「そう、ウチの試作型のロボットですよ。ちょっと用事で外に出したんですが、しばらくしても帰ってこないので探してたんで
す」
そのやりとりを聞いて、彼女が男に問う。
「私は…ロボットなんですか?」
彼女の言葉に、男が頷いた。
「そう。でもって、僕は君の研究をしてる者だ」
「私を知ってるんですね?」
彼女の問いに頷く。
「うん。君は研究所に帰らなくちゃならない」
そして諭すようにそう男は彼女に言った。
「…わかりました。この方にお礼を言ってから行きます」
「じゃ、外で待ってるから。…では、どうもありがとうございました」
男はそういうと、部屋を出ていった。
後には、彼女と青年が残される。
「…本当に君は、ロボットなのかい?」
ボソリと、呟くように言う青年。
その言葉に、彼女はゆっくりと首を振る。
「わかりません。ですが、そうなら全て説明がつきます」
彼女はまっすぐ彼の目を見つめる。
「親切にしていただいて、ありがとうございました」
そして、ぺこりとお辞儀をした。
非の打ち所のない完璧なお辞儀だった。
「また…会えるのかな?」
青年の言葉に、彼女は首を振る。
「…わかりません。でも私が製品化されれば、いつでも…」
「でも、それは本当の君じゃない。本当の君は、今こうして僕の目の前にいる、君しかいないんだ」
「本当の…私」
「そう、記憶をなくして僕を頼ってくれた君だ。僕の話を受け止めてくれた君だ。僕をいつか好きになってくれると言って
くれた君だ」
青年は、思わず彼女を抱きしめていた。
「…その君は、ここに1人しかいないんだよ」
青年の目から、つう…と涙の雫がこぼれる。
それは、長らく流すことのなかった涙だった。
「悲しまないでください」
彼女は、彼の頬に手のひらを当て、涙の流れを止めた。
「また会えます。いえ、会いに来ます。だって、もっとあなたに教えてもらいたいことがありますから」
無機質な表情。
思えばこの無表情なのは、彼女がロボットだからだったのだろう。
…しかし彼には、今、彼女が微笑んでいる。
そう思えた。
「約束だよ。絶対だ」
ムリヤリ笑顔を作る青年。
「…はい」
それに頷き、そして…。
「では、失礼します」
彼女はまた、深々とお辞儀をした。
「うん…名残惜しいけど」
手を振って、見送る青年。
彼女が、扉を開けて外に出る。
ぱたん。
ドアが、閉められた。
☆☆☆
「…というわけで、あの娘はずっとその彼のところにいたってわけですよ」
説明を終え、男は手に持っていたコーヒーをすすった。
傍らには、さえない中年の男が座っている。
「へえ…なるほどねえ」
タバコに火をつけ、ボソリとそう呟いた。
「心配だったんでしょ、主任」
すっかりぬるくなったコーヒーをテーブルに置き、男は近くにある椅子に腰掛ける。
主任と呼ばれた男は、頭を掻いて笑った。
「そりゃまあ、手塩にかけた娘だからね」
…彼らにとっての『娘』とは、彼女のようなロボットのことを指す隠語だ。
もっとも、実際の娘のように可愛がっているのは確かではあるのだが。
「だったら今度からは、外にタバコ買いになんか行かせないでくださいよ?」
ちょっと抗議するような口調で、男が釘を差す。
「ありゃ、そう来るかい。でもね、こいつはここの自販機にはない銘柄だからさぁ」
そう言って主任は、手元にあるタバコの箱を見せた。
…その箱には、すでにタバコは入っていない。
「ありゃ、また切れた。すまないけど…」
主任が最後まで言い終わる前に、男は首を振った。
「買いになんて行きませんよ。自分で買いに行くか、自販機にあるヤツで我慢してください」
きっぱりと拒否され、主任は肩をすくめる。
「はいはい、後で自分で買いに行くよ」
そして、机の上にある画面へと向き直った。
これから、彼女のデータの解析に入るのである。
「さて、あの娘のためにも頑張ろうか」
「はい」
…少しして。
「これですね、記憶喪失の原因は」
傍らで画面上を流れているデータを眺めていた男は、長めのエラーメッセージを指差した。
主任も、そこに注目する。
「メモリからのバイパス回路の異常か…。これじゃあ、記憶喪失みたいになるのもしょうがないな」
一般人にはちんぷんかんぷんのメッセージだったが、この仕事をしている彼らにとっては日本語なみに慣れたものだ。
男はうーんと唸って、考え込む仕草をする。
「ここらへんは改良しないといけませんね。経路を複数にするとか…」
記憶をつかさどるメモリの一部から、情報が届かなくなった。
それが、彼女の記憶喪失(のようなもの)の原因だったのだ。
「そうだね。でも、メモリ自体の異常じゃないから、以前の記憶は復帰させられるな」
構造の不良を見付けたことよりも、主任に取っては記憶が戻せることの方が嬉しいようである。
…そんな主任を見て、男は少し意地悪な口調で、
「復帰させない方がいいんじゃないですか?」
と訊く。
「どうして?」
その主任の言葉を待っていたかのように、男は顔をほころばせた。
「いやあ、主任に関する記憶は思い出さない方がいいんじゃないですかぁ?」
ニヤニヤと笑う男に、主任は多少呆れた顔。
「あのねぇ…」
「冗談ですよ」
何か言おうとしていた主任の先んじて、男はそう言った。
ぱくぱく、と言おうとしていた口を動かした後、
「…はいはい、わかってるよ」
少し拗ねたような口調でそう言い、主任は画面へと視線を移した。
またしばらくして。
「…おや?」
キーボードを叩いていた主任の手が止まる。
「これは…もしかして」
画面に顔を近づけて、そうつぶやく。
「どうかしました?」
傍らで作業をしていた男が、近付いてそう聞いてきた。
主任はその質問には答えず、少し考える仕草をしてから口を開いた。
「…思い付いたんだが、あの娘をさっきの彼のところに預けてみたいんだけど、どうかな?」
「は? どういうことです?」
いきなり何を言うのか、といった口調だ。
主任がぴっと人差し指を立てて、説明する。
「面白いデータが取れるってことさ。とりあえず上層部に打診してみよう」
言うが早いか、カタカタと提出する文書を打ち始める主任。
「…何が何だか、自分にはわからないんですが」
男の表情からも、さっぱり判ってない、というのが読み取れる。
主任は、打つ手を止めると、男に向き直る。
「そうだね…。言うなれば、『ロボットの心』の研究のためさ」
にやりと笑う主任。
いやらしい感じはなく、どちらかというとイタズラ小僧、といった感じの笑いである。
もっとも、年齢からすればすでに小僧などとは言えないが。
「はあ」
それに対して男は、生返事ひとつ。
まだ判りかねる、といった表情だ。
しかし、この主任が言い出したらきかない、ということは前から判っている。
「そうだ、その彼にも連絡を取らないといけないな。電話番号を聞いたかい?」
「いえ、でも一応調べてはおきました。…これです」
そう言って、彼はポケットからメモを取り出し、主任に差し出す。
「ふむ。ありがとう」
メモを受け取り、主任は置いてある電話を取った。
外線ボタンを押し、電話番号を入力。
ぴっぴっ…。
トゥルルルルル…ガチャ。
電話が繋がった。
そして受話器の向こうから、青年の応対の声が聞こえる。
「もしもし…。突然の電話申し訳ありません」
自分の名を名乗る主任。
そして、用件を切り出した。
「あなた、──ロボットいりませんか?」
あとがき
※反転日本語訳読可(反転すると日本語訳が読めます)
全然駄目死(全然ダメです)
尻明日苦手死(シリアスは苦手です)
歯科死勿体無 出汁真下(しかしもったいないので、出しました)
意見感想有方 送下(意見や感想がある方は送って下さい)
以上 嘘八中国語後書弟子太(以上、嘘っぱち中国語の後書きでした)