ザ・Leaf・オブ・ファイターズ2001・主役争奪戦
第一話「新たなる女神」
written by 空飛ぶイノブタクッキー
西暦2001年7月某所
「これから、アミューズメントCD第4段製作会議を行います」
この時、リーフは最大の危機に直面していた。
リーフの要である「高橋龍也」「水無月徹」の両名が退職し。それに続くように、退職者が増え続けた。
その為、ファンクラブ辞退者が全体の50%までに到ったのである。
その危機から脱出する為「さおりんといっしょ」「初音のないしょ」そして「猪名川でいこう」続く第4段目のアミューズメントCDを製作する事になったのである。
「さて、誰を主役にするか・・・・ですね」
プログラマーの相沢が独り言のように呟く。
相沢こと、相沢祐一はリーフ本社のスタッフであり。若手のホープでもある。
代表作はこみっくパーティ、誰彼などであり。高橋、水無月両氏がてしおにかけて育て上げたリーフの救世主である。
沈黙が会議室を包み、このまま主役が決まらないと思われかけたその時。一人の男が排気口から舞い降りる。
「我輩に任せてもらおうか、マイブラザー祐一」
「まったく、遅いご登場だな。大志」
祐一が、流し目で大志と言う男に顔を向けた瞬間、『カチャリ』と音を立て、出入り口が開く。すると一人の女性が姿をあらわした。
「私も居るよ、祐一君」
「げ!
なんでゆかりが・・・。大志、お前・・・・・」
「まあ、そんなに怒るでない。彼女の願いを我輩は聞いただけだ。それに今の貴君には、彼女が必要であろう?」
「あ、あのなぁ・・・・。俺がいつも言ってるだろーが。ゆかりに本業のこと聞かれても答えるなって。その上、会社に連れてくるなんてなぁ」
「祐一君。大志さんを責めないであげて、私が無理に頼んだの。それに、祐一君の本業のこと、別に気にしてないからね」
「はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
祐一は諦めの表情でため息をつく。
「相沢君。その方々は一体?」
「あ・・・、社長。こいつらは」
「我々は、リーフを救う為にやって来た。救世主とでも言っておこう」
「た、大志」
「ハハハハハッ、面白い助っ人だな。相沢君、すべて君に任せるとしよう。やりたいようにやって見たまえ」
社長はそれだけを言って、会議室を出て行った。
その頃、大志の送った手紙は速達により全国各地へと飛んでいた。ある人物だけは、電波飛ばすだけで用を足していたようだが。
東京某所 来栖川エレクトロニクス HMX開発班
「長瀬さん、お手紙が来てますよ」
「ん・・・・。ああ、其処に置いといて」
「はい。それじゃあ私はこれで失礼します」
「ああ、お疲れさん。奥さんによろしく」
「はい」
HMX−12、13の生みの親である長瀬は、徐に封筒を開け内容に目を通していく。その表情は、ただのおっさんの表情から科学者の表情へと変っていく。
「まさか、お遊びで作った某ハンマーが日の目を見ることになるとは。運命とは皮肉なものですねぇ〜。そう思いませんか、綾香お嬢様」
長瀬がそう言いながら後ろを向くと其処には、スーツに身を包んだ一人の女性が姿を現す。歳は20歳ぐらいで、顔は美人系であった。
「さすがぁ長瀬さん、気配を消していたのに見破っちゃうなんて。まだまだ、勘は衰えて無いようね」
「いえいえ、そんなこと有りませんよ。それで今日は何の用で?」
「長瀬さんの所にも来てるんでしょ、あの手紙」
「ああ、来てますよ。リーフ主催の武闘会の通知ですね」
そう言いながら、長瀬は先ほどの封筒を綾香の前に持ち上げて見せている。その封筒にはリーフのロゴがプリントされている。
「まったく、虫の良い話ですよ。雫、痕とつづいているのなら、次は我々が主役になるはずなのに。それをこみっくパーティが奪っていきましたからね。
そのおかげで、マルチの為に作って置いたMパーツ、Gパーツ、LパーツそしてGGGパーツが無駄になっちゃいましたよ」
「でも、この武闘会で使う事ができるんだから良いじゃない」
「そうなんですけどね、浩之くんが駄目って言いそうですからねぇ」
「ああ、それはあちらさんも分かって居るみたいよ」
「は?。それはどう言う意味で・・・・」
長瀬と綾香が会話しているこの時。
リーフが発売したビジュアルノベル&アドベチャーの主人公達はリーフ社員によりある場所へと監禁されていた。
ある者は朝ご飯の最中に。またある者は同人誌を買うと見せかけて。
そしてこの男も例外ではなかった。
「ねえ、冬弥君。今日はどっちとデートするの?」
「う・・・・、そ、それは・・・・・」
そう、ホワイトアルバム主人公「藤井冬弥」である。
「さあ、早くしないと。日が暮れちゃうわ」
彼は今、とある喫茶店で二人のアイドルに、決断を迫られていた。
言わずと知れた「森川由綺」と「緒方理奈」である。
今日は二人共が、久しぶりの休日である為、冬弥を誘いに来たのだが。アパートの前で、偶然鉢合わせしたものだからさあ大変。
どちらが、冬弥とデートをするかで口論を始めたので、仕方なく喫茶店へ場所を移したのだ。
「(はあ〜、どうすれば良いんだよ〜。どちらに決めても、どちらかは怒るし。とにかく今はトイレに逃げよう)」
「ご、ごめんちょっとトイレ」
冬弥は席を立ち、トイレの前に立った瞬間。後頭部に衝撃が走り気を失しなった。
10分後、二人の前に一つの封筒が渡された。
その内容は、二人を戦いの渦へと誘っていったのだ。
ここでこの戦いのルールを説明しよう。
3ラウンド制でどちらかが2ラウンドを取った所で勝負を終了。
各作品3人までエントリができ、1ランドごとにファイターを変えて戦いを行う。(ホワイトアルバムのみ,3ラウンドまでもつれこんだ場合.どちらが出てもOK)
だだし、生身での戦いではなく、リーフが開発したバトロイド(以後BR)を使う事とする。
このBRはそのファイターの癖と戦闘能力を即時に解析し。そのファイターにあった、形へと変形する。
例を挙げて言えば、雫の月島瑠璃子嬢のBRは毒電波の電気を武器に変化できるBRになるのである。
ファイターステータス
雫
|
月島瑠璃子 |
藍原瑞穂 |
大田香奈子 |
武 器 |
電柱蒼 |
グラスソーサ |
包帯ロッド |
毒電波ミサイル(混乱機能有り) |
文字機銃 |
消火器ビット(命中率ダウン機能有り) |
必 殺 技 |
あの日の夕陽 |
速記乱れ舞い |
包帯の束縛 |
毒電波放出 |
ことわざの嵐 |
理性の崩壊 |
もう一つの世界へ |
安らぎの日常 |
友情と愛の狭間で |
つづく
次回第二話、「マルチ三段変形」にファイナルフュージョン承認!
SS目次へ