ああ勘違い

written by 李俊

柏木千鶴編 柏木梓編 柏木楓編 柏木初音編 柏木耕一編

地獄の料理人、千鶴さん編

「るんるん♪耕一さんがやってきた♪」
今日は耕一さんが遊びに来ました。
当然、私の足取りも軽くなってしまいます。
私たちのために来てくれた優しい耕一さん。
そんな耕一さんのために、何かしてあげたいです…。
そうだ!私の手料理を食べさせてあげましょう!
そのためには、まず梓を何とかしないといけませんね…。

…梓の部屋の前に来た時のことです。
「梓、やっぱやめた方がいいんじゃないか?」
耕一さんの声。
…悪いとは思いながらも、聞き耳を立ててしまいます。
「ダメ!ここまできたら、後には引けないよ!」
…今度は梓の声。
何が後に引けないんでしょう…?
…私は興味が湧き、扉に耳をつけて聞き始めました。
「だってなあ…入るわけないだろう?見た目でもう無理だぞ」
入る?何を、どこへ入れるの?
部屋の衣更えでもやっているのでしょうか…?
「そんなの、やってみなくちゃわからないよ!」
「じゃ、1人でやれば?」
…梓の言葉に、耕一さんが意地悪な声で答えます。
「…そんなぁ。1人じゃ無理だよ…」
…それに対して梓が泣きそうな声で訴えます。
こんな声、私たちの前では出したことないです…。
「それに…こんなカッコでいるの、いくらあんたの前でも恥ずかしいんだからね…」
え…?
梓は、恥ずかしがるようなカッコをしているの?
「わかったよ…後ろ向きな」
…耕一さんの、しょうがない、と言う感じの声。
梓…!?耕一さんに、何をしてもらおうというの!?
「じゃ、いくぞ…」
どっ、どこへ?
「うっ…きつい…」
なっなな、何が!?
「我慢しろ…もうちょっとだから…」
もうちょっとって…耕一さん!?
「う、うん、でも…っ!痛い痛い痛い!」
梓!?…もっ、ももももももしかして!?
「くうっ…もう少し…なんだが…」
耕一さん!?あああああああああなたって人はっ!
ばん!(扉を開ける音)
「あっ梓!耕一さん!何をしてるんですかっ!?」
「あっ!千鶴さん!」
「やばっ!」
…そこには…梓と耕一さんが…。
………。
あれ?2人とも、服を着てますね…。
「あ、あの…、2人で何を?」
「あ、いやその…梓が、千鶴さんのスーツ着たいって言ったもんだから…」
え?スーツ?
…見てみれば、梓が着ているのは私のスーツです。
「その…1人じゃ背中のジッパー閉められないから、耕一に手伝ってもらってたんだけど…」
え?え、え?
「じゃ、じゃあ、『きつい』『痛い』っていうのは…」
「それはその…胸のところがきつくて、痛かったんだけど…」
…気まずそうに、私に話す梓。
そ…そんな…。
「で、でも、『恥ずかしい』っていうのは?あれは何なの!?」
…梓は、顔をぽっと赤らめます。
「それは…やっぱり下着姿見られるのは恥ずかしいじゃないの」
し、下着…。それだけ?
そんなぁ…私の勘違い…?
「どしたの、千鶴さん…。顔、真っ赤だよ」
「千鶴姉、熱でもあるの?」
は、は、ははははは恥ずかしいですぅ…。
………。
ばたん!(倒れる音)
「千鶴さん!?」
「千鶴姉!?」
………。
そんなに見つめちゃいやですぅ。


せくしー&ばいおれんす、梓編

遅い!
遅い遅い遅い!
千鶴姉の奴、まぁたグダグダやってるな?
ったく、耕一を起こしに行かせても、いっつも帰ってこないんだから。
だからいつもこうして、あたしが急かしに行くようになるんだ。
今度からあたしが直接起こしに…。
いや…ちょっと待て…。
そうすると、あの千鶴姉のことだ。
あたしがいないスキに『耕一さんのために朝食を作りましょう♪』なんて始めるに違いない。
さすがにタフな耕一でも、あれを食っちゃあイチコロだ。
それは避けねばなるまい…。
…なんて考えてるうちに耕一の部屋の前だ。
「………」
…耕一と千鶴姉の声がする。
まったくこの2人は…。
「こうい…」
「わー、すごいよ千鶴さん。柔らかい…」
ぴくっ。
な、なに?何が柔らかいって?
…知らず知らずのうちに聞き耳を立ててしまうあたし。
「そ、そうですか…?自分では、そんなことないと思うんですけど…」
「いや、やわらかいよ」
な…なにやってんの?
「でも…わたしより、梓の方がずっと柔らかいですよ。…楓はカタイですけど」
え?私の方が柔らかい?んで、楓はカタイ?
と、なると…。
じっ。
…あたしは自分の胸を見る…。
ま、まっさかねぇ…。
「…今度は耕一さんですよ」
「え?俺?…別に俺はいいよ」
今度は耕一?…何が?
「ダメですよ…私が手伝ってあげます」
「そ、そう?じゃ…」
千鶴姉が手伝うって…何を?
「…うっ…」
う?
な、なに?
「…耕一さん…すごくカタイです…」
か、カタイ?耕一が?
頭か?頭がカタイんだな?そうなんだろ千鶴姉!?
「うう、そ、それはまあ、最近してないし…くっ」
してない?何をよぉ!?
それに何苦しそうな声してんのっ!?
「ふふふ…どうです、耕一さん。気持ち良くなってきました?」
き、ききき気持ちいいっ!?
耕一が、気持ちいい事をしてもらってる…!?
「う、うーん、だんだん、くっ、気持ちよく…あだっ!」
「あっ!ごめんなさい!ちょっと強すぎました!?」
お…おいおいおいっ!
なぁにをやってんのよぉっ!?
「いたた…千鶴さん、もう少し加減してよ」
「ご、ごめんなさい、つい力が…」
力が強すぎて痛い…耕一が…千鶴姉に…。
く、くらくらしてきた…。
「…これは、千鶴さんにお返ししないとな…」
「え?そんなぁ…」
こ、耕一?…な、何をお返しすんだよ!?
「…じゃ、千鶴さん、用意して」
「くすん、わかりました…」
何?なになになによ?何をしようっての!?
「じゃ、いくよ…」
ど、どどどどこにっ!?
「いっ!?い…いっ、いたぁーいっ!耕一さん、痛いですぅっ!」
なっ、ななななななな何が痛いってのっ!?
「へっへっへ、我慢しなさい…」
「う、ううっ!」
うっ!耕一のいやらしい笑い!
こいつがこういう笑いをする時は、絶対ろくでもないことをしてる時だ!
がらぁっっっっ!(戸を開ける音)
「こっ、こら耕一!千鶴姉と何してるっ!…って、あれ?」
…中には。
…座ったまま身体をくの字に曲げて、柔軟体操をする体勢の千鶴姉。
…それを後ろから背中を押す耕一。
…2人とも、きょとんとした顔をしている。
「梓…?何って、朝の柔軟体操を…」
…千鶴姉が答える。
じゅ、柔軟体操だぁ?
「…じゃ、じゃあ、カタイ柔らかいってのは…」
「ああ、俺ってかなり身体がカタイんだよ。最近運動してないからな。ほらほら」
…そう言って前屈の姿勢を取る耕一。ホントだ…ガチガチ。
「私よりも、梓の方が柔らかいわよね?楓はガチガチだけど」
…ガチガチの耕一と対照的に、ふにゃっと身体をくの字に曲げる千鶴姉。
そ、そそそそんな!?
た、確かに私は一番身体が柔らかいし、楓はものすごくカタイけど…。
「で、でもきもちいいってのは…」
「…やってて気持ち良くならない?柔軟体操って」
…しれっと言う千鶴姉。
が、がーん。
あたしの…勘違い!?
「どうしたんだよ、梓。顔が真っ赤だぞ…茹でダコみたいだ」
…じっと顔を近づける耕一。
こ…こういち…あんた…。
「…あ、あ、あああんた…」
「ん?」
「…まぎらわしいことすんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
げしぃっっっ!
…あたしの超強力なエルボー!耕一の背中にヒット!
「あっ、梓!耕一さんになんてことを!」
フンだ。
すたすた…。
…部屋を離れていくあたし。
「あ…あずさぁ…俺が何をしたぁ…」
…痛みを堪えて耕一はあたしに訴える。
………。
あんたのことなんて知るかぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!


ふきふき天使2号、楓ちゃん編

今、耕一さんは隣りの初音の部屋にいるようです。
私も、一緒にお話をしたい…。
けれど、まずは隣りの様子をうかがってからにします。
…というわけで、壁にコップを押し当てて、隣りの部屋の音を拾います…。
 
…初音の声が聞こえました。
「お兄ちゃん…毛がいっぱいなんだね」
え?…何のこと?髪の毛?
「あ、そう?…全然気にしたことなかったんだけど」
耕一さんの声。
…少し恥ずかしいといった感じの声です。
何のこと?
もしかしてワキ毛…?
………。
私は何を考えてるの…。そんな変なことしてるはずが…。
「お兄ちゃん、気持ちいい?」
え?気持ちいい?
…マッサージでもしてあげてるの?
「うん…すごくいいよ」
耕一さんの多少うわずった声…。
マッサージでこんな声が出るの…?
「…痛かったら痛いって言ってね」
「ああ」
多分…マッサージね。
初音、そういうのって得意だって言ってたし…。
…私は、疑問を振り払うように、自分にそう言い聞かせていました。
…しかし…次の初音の言葉は…。
「うわあ、いっぱい出てきたよ」
えっ、えっ?な、ななな何を出したの、は、初音?
「う…そうはっきり言われるとちょっと恥ずかしいな」
「あ、ごめんねお兄ちゃん」
こ、耕一さんが恥ずかしがってる…。
耕一さんから、何かが出てきてる…。
おし○こ?
………。
私は何を考えてるの?
…どうも、私は錯乱気味のようです。
「初音ちゃん、今度は俺がやってあげるよ」
「え?いいの?」
え?…今度は耕一さんが…初音に…?
…知らずのうちに私は、壁にビッタリと身体をくっつけて聞き入っていました。
「うん。気持ち良くしてくれたお礼に、ね」
お礼…耕一さんが…初音に…。
もやもや…。(妄想中…)
「じゃあ、横になって」
「はーい…」
横になって…初音は、耕一さんに…。
もやもや…。(またも妄想中)
「…わー、初音ちゃんのってすごいキレイだね」
「えっ?そ、そんなことないよぉ」
えっ!?…初音の、何がキレイなんです?
何を見て…いるの!?
「いやいやー、こんなにキレイなの見たことないよ」
「そうかな…」
…耕一さんのどこかいやらしい声に、恥ずかしがる初音。
恥ずかしいことを…してる…。
「…じゃ、入れるよ…」
え…!?は、初音に何を…!?
ま、まさか…。
かん○ょう?初音が便秘気味だから?
…私はかなりおかしくなっています。
「うん…うあっ!痛い!」
「あっ!ごめん!」
初音の中に、耕一さんのが…?
そ、そんな…耕一さん…。
「だ、大丈夫、初音ちゃん」
「う、うん、もう大丈夫だよ」
…心配そうな耕一さん。それを気遣う初音…。
もう…私、堪えられません…。
「じゃ、ゆっくりとやさしく…」
「あっ…」
も、…もうダメ!
ばん!だだだだだっ!
…扉を開けて走る私。そして、初音の部屋の扉を開けます。
ばんっ!
「こっ、耕一さん…!初音はまだ15歳だからやめ…え?」
…きょとんとこちらを見ている初音と耕一さん。
「楓ちゃん…?」
「楓お姉ちゃん?」
…正座した耕一さんのヒザに、初音が頭を乗せて横たわっています。
もしかして…?
「…あの…2人で何を…?」
「何って…耳カキだよ、お姉ちゃん」
…初音が横たわったまま答えます。
「…痛いっていうのは…」
…次の問いには、今度は耕一さんが。
「いや、慣れてないから、いきなり耳の奥に突っ込んじゃったんだ」
…申し分けなさそうに答える耕一さん。
「…さっきのいっぱい出たっていうのは…」
「それは、俺の耳カスのことでは…」
そんな…。私の妄想は一体…。
「で、でも、毛がいっぱいだとかいうのは…!?」
…今度は初音が答えます。
「お兄ちゃんねえ、実は耳毛がはえてるんだよぉ」
「こ、こらこら初音ちゃん!」
「…あ、ごめんなさい」
耳毛…ですか…。
恥ずかしいです…勘違いしてたなんて。
穴があったら入りたい…。
「どうしたの?楓お姉ちゃん。顔が赤いよ…?」
「う、ううん…何でも…ない」
…初音の言葉にも、あいまいにしか答えられません。
「そうだ、楓ちゃん。楓ちゃんにもしてあげるよ」
「…え?」
…いきなりの耕一さんの言葉に、私は返答に困ります。
「そうだね、お姉ちゃんもしてもらいなよ」
「え?え、ええ…」
初音に促されて、耕一さんのヒザの上に頭を乗せました。
「楓ちゃんのもキレイだねー。やっぱ女の子は違うなぁ」
えっ…。恥ずかしいです。
「じゃ、いくよ…」
んっ…。
耕一さんの(耳カキ)が、私の(耳の)中に入ってきます…。
耕一さん、私…幸せです…。


寝ぐせ頭の小学生、初音ちゃん編

耕一お兄ちゃんは、ただいま楓お姉ちゃんの臨時家庭教師をしてます。
楓お姉ちゃん、数学とか物理とか理数系は得意なんだけど、英語がちょっとダメなの。
そこのところを、お兄ちゃんが教えてあげるって。
お兄ちゃん、「俺は英語なんてパーフェクトだ。何でも聞いてくれ」って言ってたけど…。
大丈夫なのかなあ…。
ちょっと様子を見に行ってこようっと。
 
…楓お姉ちゃんの部屋の前。
ちょっと声を聞こうっと…。
「…耕一さん…」
お姉ちゃんの声だ。
お勉強、やれてるのかなあ。
「お姉ちゃ…」
…扉を開けようとした時。
「うーん、まだぎこちないなー」
…耕一お兄ちゃんの声。
え…?ぎこちないって何が?
英語のお勉強じゃないの?
「いい?ここをこう握ってごらん…」
え?握る…?
何のこと?
「はい…こうですか?」
「うん。そこから、ゆっくりとやってごらん」
…何かの練習をしているみたいな、そんなお兄ちゃんの声。
「はい…」
「そうそう、いい感じだよ…でもやっぱり、楓ちゃんにはこっちの方がいいみたいだな」
何のことなのかなあ…。よくわからない。
「これって…エッチですね」
びくっ!
え、えええ、エッチ!?
楓お姉ちゃんが、エッチな何かを…!?
…いきなりの言葉に、私の身体中がカーッと熱くなる。
「うん。…楓ちゃんには、こっちの方がいいんじゃないかな」
え、えええ、エッチな何かを楓お姉ちゃんが…!?
「…はい」
私って子供だからあんまりよくわからないけど…。
お兄ちゃんと楓お姉ちゃんが、エッチなことを…!?
「ゆっくりとやってごらん…そう、ゆっくり、やさしく…」
おにいちゃんが…何だか、いやらしいことを言ってる…。
「はい…。…でも、どうしても…あっ!」
だっ、ダメだよぉっ!
ばん!
「耕一お兄ちゃん!楓お姉ちゃん!そういうことは、夜にやった方がいいと思うのぉっ!…あ、あれ?」
…中には、机に向かっている楓お姉ちゃんと、耕一お兄ちゃんが…。
あ、あれ?
エッチなことは…?
「初音ちゃん?何事?」
…驚いた顔で答えるお兄ちゃん。
「え、あの、その、何をやっていたの?」
どきどきどきどき。
心臓の動きが早いままだぁ…。
「…私、鉛筆を持つと筆圧が強くてすぐ折っちゃうから…」
「俺が持ち方をレクチャーしてたんだ」
え、鉛筆?
Hなことじゃ…ないの…?
「じゃ、じゃあその…エッチって…」
…そこまで言って、私は恥ずかしさで何も言えなくなっちゃった。
「…BやHBの鉛筆だとすぐ折れちゃうから、硬めのHなら、いいなと思ってね」
エ、エッチって…鉛筆のHのこと!?
そ、そんなぁ…恥ずかしいよぉ…。
あんなエッチなこと考えてたなんてぇ…。
「初音ちゃん?どうしたの?」
「お、お兄ちゃん…私…」
私の顔を見て、微笑んでくれるお兄ちゃん。
「ん?どした」
「私のこと…き、嫌いにならないでねぇぇぇぇぇぇぇぇえええええええっ!」
ずだだだだだだだだだだだだだだだっ!
…ものすごいスピードで逃げ出す私。
「は、はつねちゃぁぁぁぁぁぁぁぁん!なんのことなんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
…後ろの方で、私を呼ぶお兄ちゃんの声。
恥ずかしくて、顔がもう熱くて、頭の中が真っ白。
何かで、この熱さを冷ましたい…!
…そう思った途端。
こけっ。
「きゃっ!」
…いきなりつまづいてしまった私は、そのまま…。
だっぷぅぅぅぅぅぅぅぅん!
…お庭の池に落ちちゃいました。
おまけに…。
こけんっ!(←かなりイイ音)
「いたっ!」
…ししおどしが、頭に直撃…(泣)


ハーレムキング、耕一編

今日は、梓の部屋にかおりちゃんが遊びに来ている。
あの子、かわいいんだけど…レズなんだよなー。
この前以来、梓も悪い気はないようなのだが…。
いかん!いかんぞ、女の子同士でやっちゃうなんて!
男と女がくっついてこそ、世界は繁栄するのだ!
そうだ、そうなのだ!
レズこそ世界を滅ぼす元凶なのだあっ!(おいおい)
そんな奴らは、断固殲滅しなくてはならないっ!
と、いうわけで。
俺は敵情視察を兼ね、梓の部屋へ盗聴しにきた。
 
ふっふっふ…。
テープレコーダもあるし、集音マイクも装備している。
盗聴には完璧だ。
さぁて、どんなことをやっておるのやら…。いっひっひ。(←結局ただのスケベ)
「ふふふ…かおり、あんた口で言ってるほどでもないわね…」
おおっと、梓の言葉だ。
…何が言うほどでもないんだ?
「うう…先輩がこんなにすごいなんて…」
え?何がすごいんだ?…胸か?
いや、そんなことはわかってるしな…。
「じゃ、あたしからせめさせてもらうわよ…ほら、これでどう?」
な…なぬぅっ!
あ、あああ梓からせめるとは!
どちらかと言えば受け身の方だと思っていた梓が、せめるだとぅっ!
こ、これは大スクープだ!
「だ、ダメですよ…そんなあっ」
おおっ!かおりちゃんもなんという声を!
こ、これは興奮してしまうぞ!
「ふふふっ。他愛もないわねぇ。それじゃ、これをここに入れて…」
「あっ!そ、そんなぁっ。困っちゃいますよぉっ」
おおっ!梓の連続攻撃!
かおりちゃんは弱ってきているぞ!いけいけ梓!
「ほら、これで終りよ…」
「せ、先輩!もうダメですっ!」
たら…。
おおう、興奮し過ぎて鼻血が…。
ええい、こうなったら乱入してしまえ!
ばんっ!
「うらっ、俺も仲間に入れて楽しく…って…あれ?」
2人とも…服着てるじゃないか?ありゃりゃ?
「なんだ耕一…いきなり入ってきて」
…梓には動揺している様子もない。
「い、いやその…何やってたんだ?」
[先輩と2人で、ゲームをしてたんですよ…何か用なんですか?」
…相変わらず俺には厳しいかおりちゃん。
ゲ、ゲーム?えっちなことじゃないんか?
「ほら、ゲーム○ーイのテト○スを対戦でやってたんだよ。かおりって口で言うわりには強くないんだよね」
「ああん、先輩が強いだけですよぉっ」
テ…テ○リス…?
それだけ…?
その声で興奮していた俺の立場って一体…。
「どうした耕一?」
「せんぱぁい、この人変ですよ。鼻から血が出てますぅ」
しまった!鼻血が出たまんまだった!?
「耕一…あんた変なこと考えてたろ!」
げげっ!やばい!
「い、いや、そんなことは…」
そこに、かおりちゃんが追い討ちをかける。
「ヘ、ヘンタイです!」
レズにヘンタイと呼ばれたかねえ…っと言いたいところだが、今はそんな暇はない!
逃げろっ!
「さらばっ!」
「さらば、じゃなーいっ!」
ぐわしっ!
げっ!捕まった!?
「さあて…何を考えていたか、キリキリ吐いてもらおうかいっ!」
…梓がすごむ。
そ、そんなこと言ったら、それこそ殺される…。
「先輩、もう問答無用でやっちゃいましょう!こんなヘンタイは、社会のためにも懲らしめるべきです!」
お前は人のことが言えるんかあっ!
…しかし、口に出しては言えない小心者の俺であった…。
「ふっふっふ…覚悟はいい?耕一…」
「た…助けて…」
俺の哀願の言葉も届かない…。
…。
 
その後俺たち3人は、『楽しく』遊んだのであった…(泣)
 
ちゃんちゃん♪


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